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#179 「2021年から始まる日本」(日経新聞「核心」より)

ちょっと時間が空いてしまいましたが、1月4日の日経新聞朝刊に「2021年から始まる日本」という記事(論説)が興味深かったのでメモ。


1、どんな記事?

よく言われる、○年周期説を取り上げて、2021年が大きな節目の年であるとする論説記事です。

20年を振りかえれば、コロナによってコペルニクス的転回といった表現が決して誇張ではないくらい世の中が変わった。われわれ自身も行動様式の変容を迫られた。歴史の転換点とはこういう時期をいうに違いない。
時間の軸をちょっと長めにとれば、けっこうはっきり見えてくるものがある。

として、敗戦の1945年を起点として、特に。15年周期説と25年周期説を取り上げています。

15年周期説
昭和の後期に社会学系の識者の間で広く語られたもの
(1991年以降は論説者の判断)
☑️ 1915〜30年 = 大正デモクラシー
☑️ 1931〜45年 = 軍国主義
☑️ 1946〜60年 = 戦後民主主義
☑️ 1961〜75年 = 高度成長
☑️ 1976〜90年 = 低成長
☑️ 1991〜2005年 = 経済停滞
☑️ 2006〜20年 = 再生模索
25年周期説
東大大学院情報学環の吉見俊哉教授が提唱
☑️ 1870〜95年 = 開化と国家建設
☑️ 1895〜1920年 = 帝国主義列強化と階級闘争
☑️ 1920〜45年 = 経済恐慌と戦争
☑️ 1945〜70年 = 復興と成長
☑️ 1970〜95年 = 豊かさと安定
☑️ 1995〜2020年 = 衰退と不安

25年周期説の根拠は、「親と子の平均的な世代の間隔」と「コンドラチェフの波」(資本主義経済では25年の上昇局面と25年の下降局面を持つ50年周期)の2つです。

1945年の敗戦を基準とすると、2021年は15年周期でも25年周期でも時代の転換点と言えます。

記事では、次の15年、25年はどうなるのか、吉見教授は、以下のように述べています。

今の仕組みが根本的にダメなのだから平成の失われた30年はまだ20年つづく。このままでは先がないと思った時に初めて構造転換がおこり、社会が変わる。コロナは黒船だと思ったらよい。

この記事の筆者は、明治改元の1868年から、1889年の大日本帝国憲法により国のかたちが整うまで20年かかったことを例に、2021年は新しい時代を切り開いていくための20年の始まりと考えておきたい、と述べています。

そして、

繰り返し指摘されていることではあるが、成功体験の記憶から抜けきれない戦後システムを今度こそ本当に変革していくしかない。

としています。


2、まとめ

こうした○年周期説、というのはなるほどな、と思いますが、だからといって何か、というのはありませんでしたが、今年初めて、「確かに時代の節目なのかもしれない」と感じました。

昨年から始まった感染症で「2年で起こる変化が2ヶ月で起こった」と言われるような、価値観、行動様式も含めた大きな変化があった後だからだと思います。

時代の変化、というのは、後で振り返れば、あの頃から変わり始めていたなぁ、というものであって、今この瞬間に起こっていると実感することは、そうはないと思います。

つまり、江戸時代から明治時代への変化や、敗戦の際の変化、と同じぐらいの変化が今起こっていると考えても良さそうです。

明治に入ったら、敗戦したら、昨日正しいとされていたことが、今日は正しくない、という大転換です。

私個人としては、「大変な時代だ!」というより、「大変なチャンスだ!」と捉えたいです。

そして、新しいものに飛びつくのではなく、今まで当たり前とされてきたもの(ハンコとか典型ですね)を疑い、物事の本質を見る機会にしたいと思います。

そして、記事にもあったように、自分の体に強く染み込んでいる「成功体験」、本質に照らして意味のないものは捨てていければと思っています。

とはいえ、40年以上生きていると、自覚もなく地層のように積み重なっていそうなので、言うは易し行うは難し、でしょうが…



最後までお読みいただきありがとうございました。

いまさらの今年の目標みたいになってしまいましたが、何か参考になるところがあれば嬉しいです。

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