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たんぽぽ日記

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因果応報、日々の出来事、思うこと。
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偶然が重なれば必然

偶然が重なれば必然

ここ数年はパンデミックもあり、バックパックを置いて、国内を自転車で走り回っている。
2冊目の著書はヒマラヤの麓を旅した話だが、3冊目は四国を自転車で

自転車は私の世界を広げている。

先日、28歳の若者から突然メッセージが来た。
東京を一緒に走りましょうという。

面識はないが、このメッセージが届くまでいくつもの偶然が重なっていた。

1年前、私は四国一周の自転車の旅を計画していた。
ただ後輩か

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勝手にどこかで元気にやってると思ってた

勝手にどこかで元気にやってると思ってた

入学早々腐っていたぼくは、大学があまりに遠くて、途中下車しては映画ばかり観ていた。あの頃は単館映画全盛で、学校よりも多くを学べるとでも思っていたのかもしれない。そういう現実逃避癖は20年以上たっても変わらない。

知らぬ間に新歓の時期も終わっていて、ぼくはサークルにも入りそびれていた。当然、知り合いもほとんどいない。
ただ、その学部はクラスが縦割りで、クラスの集まりの際に、3年生の先輩2人が「どこ

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父の死に際

父の死に際



 その日。友人のUくんからLINEが来たのは、もう夜の9時をとうに過ぎていた。いつもならベッドに入っている時間だが、私の自宅近くで仕事の打ち合わせがあり、せっかくなので一杯やろうというのだ。

 Uくんは以前働いていた小さな制作会社時代の同僚で、私たちは何年も殺人的スケジュール(実際1人2人は死んでいるかもしれない)で求人広告ばかりをつくっていた。今はお互い独立し、彼はデザイン会社を立ち上げ

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第2回大腸内視鏡検査

第2回大腸内視鏡検査

健康診断で、便潜血が認められてしまった。

2日分ともに潜血があり、1つは数値が500を超えていた。
500を超えると3割強がポリープ、1割弱が大腸がんというデータがある。

半分以上は異常なしだけど、デキモノの方の存在感を数値以上に大きく感じてしまう。

さっそく自宅近くの病院で大腸内視鏡検査の予約をとる。

人生2度目だ。

1度目は、ちょうど4年前(「人生初の大腸内視鏡検査」)。
その時は、

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第2回胃カメラ検査

第2回胃カメラ検査

健康診断で胃と腸が引っかかった。

胃に関しては、ここ2年ほどバリウム検査で要経過観察だったため、今年はバリウムをやめて、胃カメラ=胃内視鏡検査にした。

そもそもバリウムは、ゲップを我慢しながらグルグル回転させられたあげく、「よく見えなかった」みたいな結果がでることもあり不満だった。

健診を「バリウムなし」にしてみたら、3、4千円くらい安くなった。ちょうど胃カメラ分浮いた感じなので、来年以降も

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遺骨を持って

遺骨を持って

「遺骨を持って馴染みの酒場をまわってくれ」

冗談とも本気ともつかない酔狂なことを言われていた。

過日、八広の日の丸酒場を訪れた。

「痩せちゃってたからね」

「はい。また来たがっていたんですけどね」

「うん、うん」

「で、陰膳的に、ボールをもう一杯いただけないかなって」

グラスをうつくしく満たす焼酎ハイボール。

「これは俺からね」

好きだったアテで呑むボールは今夜も美味しい。

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golife gose on

golife gose on

出会いは、東日本大震災のボランティア。
確か2011年12月23日。岩手県大船渡市でのクリスマス会だったと記憶している。
そのときは「小林です」「私も小林です」的な、小林あるある程度の印象だった。

それから月1くらいのペースで顔を合わせた。
いつも2、3人の仲間と参加していて、そのリーダー格という感じだった。
活動を重ねるごとにボランティアの数が減る中、随分と熱心な人だなと思った。
少しずつ話す

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渋谷のほんだな

2021年11月12日(金)12:00〜12:55

00:00 | 00:00

【本日のゲスト】

小林 みちたかさん(ルポライター)
https://note.com/michitaka64/
twitter:https://twitter.com/michitaka64
ボランティアで携わった東北の震災地を自転車で
縦断し昨日帰宅。日焼けした肌にニット帽、飾ら
ない人柄で謙虚な語りの1時間です。


【本日の本】
「死を喰う犬」産業編集センター
https://www.s

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人肉を食べたのか@野火(大岡昇平)

人肉を食べたのか@野火(大岡昇平)

戦争文学の代表的作品。塚本晋也の映画版を観てから、原作を読んだ。

 軍医達は患者を追い出して食糧をセーヴすることしか考えていなかった。

狂気。この一文だけで戦争は決してやってはいけないことがよくわかる。

私の今取るべき最も英雄的な行為が、再び谷へ下り、倒れた傷兵を助けることにあるのは明白であった。しかしその時私の感じた衝動は、私自身甚だ意外とするものであった。
 私は哄笑(こうしょう・大笑い

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僕は、一度、死んだ。

僕は、一度、死んだ。

今日(2021年7月21日)で、個人事業主の開業届けを出してから、ちょうど10年が経った。いい機会なので、社会人人生を振り返ってみる。

まず、ここまで生き残れたのは、偏屈な私に仕事を依頼してくださった寛大な方々はじめ、関係各所の皆様のおかげです。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

さて。

私が社会に出たのは、就職超氷河期に超がついていた時代で、あんな大きな新聞社にヌルッと入り込

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ぼくの教科書

ぼくの教科書

ライター業を15年以上続けてきた私の文章を書く上での教科書。

新刊の『死を喰う犬』を執筆中も何度も読み直した。

井上ひさしさんの「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」だ。

井上さんと縁のある岩手県一関で行われた、一般の方を対象にした「作文教室」である。

作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。
最初の講義の冒頭に語られる

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7回忌@5watts(深沢)

7回忌@5watts(深沢)

幼なじみの七回忌を幼なじみの店で。
去年生まれた甥っ子は亡くなった彼にそっくりで、お母さんは初孫のお世話に忙しいそうだ。

大山→塔ノ岳→丹沢山

大山→塔ノ岳→丹沢山

久々の丹沢。

引っ越したので、渋沢発の始発バスに乗れるぞと意気揚々と家を出た。

平日の朝イチだからバスもNoミッツマングローブかと思いきや、年配の愛好者がバス停で列を作っていて驚いた。みんな元気だな。

7時、大山バス停着。いい天気だ。

歩き出せば、流石にNoミッツ。トイレで用を足し、マスクも外して、7時15分頃テクテク歩く始める。

山頂は寒いと思って厚手のダウンをザックに仕込んできたが、

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