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史実だからこそ描ける悪魔の伏線―こざき亜衣『セシルの女王 6』
1.綺麗な和解のオモテとウラ 明るさの底に重低音が暗く、暗く鳴り響くような一冊だ。
昨年も今年も『セシルの女王』は僕が一番おすすめしたいマンガだ。誰にでもすすめたい。買わせたい。
ヘンリー8世の5番目の妻、キャサリン・ハワードの処刑からはじまる6巻は「家族」が大きなテーマである。
ウィリアム・セシル(以下セシル)は身分を理由に反対する父・リチャードを押しのけてメアリ・チークと結婚した
朝布団から出られなかった日の午後、フレッシュネスのポテトがしみた
1.自分の状態、名前はまだない。 休日の朝、起きれなかった。
「起きれなかった」にも色々ある。単純に寝坊して起きたい時間に起きれなかった。これも「起きれなかった」だ。うつの症状を説明するときに使われる「身体がなまりのように重くて布団から動けない」。これも「起きれなかった」だ。
僕の「起きれなかった」は、どうにか言葉にすると「意志に実態がともなわない」といえばいいだろうか。「起きるぞ!」と
「チーム北海道」は本当にコンサドーレのらしさと未来なのか?【ぼくのコンサ史・序章】
シリーズ『ぼくのコンサ史』とは、北海道コンサドーレ札幌の歴史を自分なりの史観で書いてまとめる試みだ。序章ではコンサの歴史をたどることで僕がシリーズを通して考えたい「問い」について書いていく。
1.「日本のビルバオ」の夢 かつて、あるサポーターがコンサドーレを「日本のビルバオ」と称したことがあった。宇都宮徹壱さんが2013年に札幌を取材したときの話だ。
「ビルバオ」とはスペインのアスレティッ
異なるクラブのサポーターと交流することに「向いてない」人にわたす処方箋
1.可視化される「交流に向いてない」サポたち SNS、特にX(Twitter)の利用が広まったおかげで、人の交流における地理的制約が薄まった。Jリーグでも異なるクラブのサポーター(他サポ)同士がXを起点に交流しやすくなり、実際に顔を合わせた交流にまで発展することもある。
僕も2010年よりXを始め、大学時代はサッカー観戦サークルに所属しオンラインとオフラインの両方で他サポとの交流を経験してき
【お知らせ】ポッドキャストをはじめました
どうも、お知らせをするときだけ敬体で書く者です。
以前からやっていたポッドキャストに加えて、新たにもう一つポッドキャストを始めました。今回せっかくなので「お知らせ」として両方のポッドキャストをご紹介します。
1.アラサー男女のいったんそんな感じで(たんそな) 先日から『アラサー男女のいったんそんな感じで』を始めました。略して「たんそな」と是非覚えてください。ハッシュタグも「#たんそな」です
シン・フリューゲルス史の誕生―田崎健太『横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか』
1.クラブ消滅の遠因は「生まれ」にあり? 「日本サッカーに秘められた歴史あり」を体現する一冊である。1998年に横浜マリノスと合併する形で消滅した横浜フリューゲルスの歴史を追った本だ。フリューゲルスの前身である全日空SC、そのまた前身であるヨコハマサッカークラブにまでさかのぼって書いているのが特徴である。
フリューゲルス史の結末は「マリノスとの合併による消滅」である。その原因をクラブの財政問
なにが正解かまだ分からない―2024年4月の北海道コンサドーレ札幌
2024年4月のコンサドーレを振り返ってみる。僕が試合についてXでつぶやいた内容を小見出しごとに再編集してまとめたものだ。できれば今後毎月やりたいが、予定は未定である。
1.今月の結果【J1リーグ】
4/3 vs名古屋グランパス(H)●1-2
4/6 vsガンバ大阪(H)○1-0
4/13 vsアルビレックス新潟(A)△1-1
4/20 vsサンフレッチェ広島(H)△1-1
4/27 vs湘南
自分史観で北海道コンサドーレ札幌の歴史を書いてみることにした【ぼくのコンサ史】
1.『ぼくのコンサ史』はじめます 自分が応援するコンサドーレの歴史を書いてみようと思う。仮題は『ぼくのコンサ史』だ。仮といいつつ、そのままかもしれない。「ぼくのなつやすみ」のようなネーミングである。
クラブ設立前夜から現在まで順を追って書いてはnoteに載せていくシリーズものだ。締切はない。準備できるたびにコツコツ書いていく。
僕はクラブの人間でもメディアの人間ではない。市井のサポーター