仁の音

大分在住の、人生の秋を迎えた翁です。今は、非常勤講師として中学生・高校生から刺激と活力…

仁の音

大分在住の、人生の秋を迎えた翁です。今は、非常勤講師として中学生・高校生から刺激と活力をもらっています。種々の雑感と、たまに古典のコラムです。さて、どんな音を奏でることが出来るか?

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固定された記事

六十路の手習い

人生の秋の今頃になって、ささやかなブログを開設。 すべて息子の手引きによるもので、感謝一入です。 終活には少し早いので、せめて脳活・脳シャンのつもり。 「仁の音…

仁の音
3年前
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No.1232 どんな筋だか?

私の記憶が確か(?)なら、今年99歳を迎えられるのではないでしょうか。 一昨日、こんなお手紙とお品が届きました。 「大変ご無沙汰致しました  今年も蕗の季節が訪れ…

仁の音
3時間前
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No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

「マブダチ」なんて70歳を過ぎた爺さんのお里が知れそうな言葉遣いです。 「まぶ」とは「本当・真実」の意味、「だち」は「ともだち」の略称のことで、テキ屋(香具師)…

仁の音
1日前
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No.1230 心誘いの…

5月に入り、ようやく重い腰を上げたようです。 久しぶりにDコースを散歩すると、20年近く廃墟同然となっている団地に取り壊されそうな防護ネットがかけられています。ト…

仁の音
2日前
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No.1229 四昔の男

みなさん、人の夢をご覧になることはありますか? 「我妹子(わぎもこ)に 恋ひてすべなみ 白袴(しろたへ)の 袖返ししは 夢(いめ)に見えきや」  (あなたが恋しくてどうに…

仁の音
3日前
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No.1228 たとえばの君

♪ たとえば君がいるだけで  心が強くなれるから  何よりも大切なことを  気づかせてくれたね~ ご存知、米米CLUBの名曲「君がいるだけで」(1992年)の歌詞です。 …

仁の音
4日前
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No.1227 はじける心

大分県玖珠町で毎年5月5日に開催される「日本童話祭」の一環として「全国児童生徒俳句大会」の表彰も行われています。 私が在職中、5年間生徒作品を応募しました。その「…

仁の音
5日前
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No.1226 短くも濃く生きる

携帯電話が鳴りました。 固定電話の調子が悪く、団地内の連絡網用に携帯電話の番号を登録しているからです。 「あら、Оさん、どうされました?」 「訃報です。〇〇さんが…

仁の音
6日前
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No.1225 これも大リーグ級!

「惚れてまうやろ!」 そう思った笑劇のシーンでした。 昨日の大谷翔平選手がスタメン出場するドジャーズ対ダイヤモンドバックス戦(敵地球場)は、BSで10:30(日本時…

仁の音
7日前
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No.1224 Oneゲス運動!?

その奇抜な発想に酔ってしまいました。 先日のサンドイッチマンの「病院ラジオ」(4月29日・月曜日)は、福岡のがん専門病院から生放送されました。どの患者さんのお話も…

仁の音
8日前
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No.1223 根アカの志

もう一度、聴きたかった! 何をか? 財津一郎さんが切々と語る、地主の子ども時代の壮絶な虐め体験談を! 何十年か前のTV番組で拝聴したその彼の実感の籠った体験談は、…

仁の音
9日前
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No.1222 希い望む心もて

久留島武彦(1874年~1960年)は大分県玖珠郡森町出身の児童文学者です。 口演童話に力を入れ、1903年(明治36年)に日本初の童話会を開いたり、1907年(明治40年)には専…

仁の音
10日前
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No.1221 お宝発見!?

昨日、一念発起(?)して部屋の掃除をしました。 「掃除なんかせんでん、死にゃあせん。うちはホコリ高き家じゃからな!」 冗談なのだか、本気なのだか、歳をとってから…

仁の音
11日前
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No.1220 ツーン!

小説家・随筆家の内田百閒(ひゃっけん、1889年~1971年)の「木蓮忌」から1週間が経ちます。裕福な造り酒屋の一人息子として生まれ、何の不自由もなく育ったために、頑固…

仁の音
12日前
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No.1219 春山そ 我は!

「金蘭・銀蘭をご存知ですか?今は、絶滅危惧種に指定されている花だそうです。T子さん家の近くにあるので見に行きませんか?」 親切さんから電話をいただいて、昨日「…

仁の音
13日前
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No.1218 枝を折ったのは?

私は、4月29日で71歳を迎えます。 昔、70歳になった老人は「楢山参り」をしなければいけなかったという伝承があります。小説『楢山節考』(深沢七郎『中央公論』1956年11…

仁の音
2週間前
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六十路の手習い

六十路の手習い

人生の秋の今頃になって、ささやかなブログを開設。

すべて息子の手引きによるもので、感謝一入です。

終活には少し早いので、せめて脳活・脳シャンのつもり。

「仁の音」とは「仁note」のダジャレです。スミマセン。

どんな人生の音を紡いで行けるか、私にとっても未知数。

お暇な時に、覗いていただける部屋にしたいと思います。

【翁のプロフィール】

1953年(昭和28年)大分県杵築市山香町の生

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No.1232 どんな筋だか?

No.1232 どんな筋だか?

私の記憶が確か(?)なら、今年99歳を迎えられるのではないでしょうか。

一昨日、こんなお手紙とお品が届きました。
「大変ご無沙汰致しました
 今年も蕗の季節が訪れました 佃煮作りに挑戦したいと頑張ってみました
 出来栄えが如何か自信はありませんが 私の挑戦も今年限りかと思いお送りします
 召し上がって下さい
 これからの季節の変化には 充分 お気をつけ下さい
 乱筆お許しください」

乱筆ど

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No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

「マブダチ」なんて70歳を過ぎた爺さんのお里が知れそうな言葉遣いです。

「まぶ」とは「本当・真実」の意味、「だち」は「ともだち」の略称のことで、テキ屋(香具師)の隠語を不良少年が使って知られるようになったとありました。一般的には、1970年代(昭和50年代)後半に若者の間でツッパリブームの流行があり、特別仲が良い友達を意味する言葉として普及した言葉だそうです。ハイ。私は、不良爺さんです。

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No.1230 心誘いの…

No.1230 心誘いの…

5月に入り、ようやく重い腰を上げたようです。

久しぶりにDコースを散歩すると、20年近く廃墟同然となっている団地に取り壊されそうな防護ネットがかけられています。トップは、主の居なくなって永い団地の1葉です。

東西約90m×南北約105mの広い土地に、40戸5階建てのアパートが3棟並んでいます。因みに、佐藤孔亮著『歌舞伎にみる日本史』(小学館、1999年、P106)に拠ると、江戸は本所松坂町

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No.1229 四昔の男

No.1229 四昔の男

みなさん、人の夢をご覧になることはありますか?

「我妹子(わぎもこ)に 恋ひてすべなみ 白袴(しろたへ)の 袖返ししは 夢(いめ)に見えきや」 
(あなたが恋しくてどうにもならず白袴の袖を折り返して寝ましたが、こんなに恋焦がれている私の姿を、あなたは夢に見たでしょうか?)
『万葉集』巻11・2812番・作者未詳の歌ですが、こちらが恋い慕っているから相手の夢に現れるのだ、(あるいは、相手が強く思

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No.1228 たとえばの君

No.1228 たとえばの君

♪ たとえば君がいるだけで
 心が強くなれるから
 何よりも大切なことを
 気づかせてくれたね~
ご存知、米米CLUBの名曲「君がいるだけで」(1992年)の歌詞です。

大学時代に、親しい友人が出来ました。北海道出身のN君、新潟出身のAさん、東京出身のSさん、埼玉出身のM君、神奈川出身のK君、名古屋出身のY君、静岡出身のF君、そして、大分の私です。

大学1年の時の同じクラスだったり、途中

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No.1227 はじける心

No.1227 はじける心

大分県玖珠町で毎年5月5日に開催される「日本童話祭」の一環として「全国児童生徒俳句大会」の表彰も行われています。

私が在職中、5年間生徒作品を応募しました。その「入賞・入選句集」5冊は今も保管してあります。今日は、5年間の久留島賞、文部科学大臣賞、朗人賞(選者:有馬朗人)、紘文賞(選者:倉田紘文)をそれぞれご紹介しましょう。素直な歌いぶりに、口角を上げ、目尻を下げて頂けたら幸いです。

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No.1226 短くも濃く生きる

No.1226 短くも濃く生きる

携帯電話が鳴りました。
固定電話の調子が悪く、団地内の連絡網用に携帯電話の番号を登録しているからです。

「あら、Оさん、どうされました?」
「訃報です。〇〇さんが亡くなりました。連絡網で回してください。」
電話は、私の誕生日の昼過ぎのことでした。Оさんは、お通夜の日時、葬儀の日時、そして斎場の名前と場所を淡々と述べて電話を切りました。

どうしたんだろう?私よりずいぶん若いご主人の筈だが…。

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No.1225 これも大リーグ級!

No.1225 これも大リーグ級!

「惚れてまうやろ!」
そう思った笑劇のシーンでした。

昨日の大谷翔平選手がスタメン出場するドジャーズ対ダイヤモンドバックス戦(敵地球場)は、BSで10:30(日本時間)から放映されるはずでした。しかし、TV画面は「蜂の大量発生」のシーンから始まりました。試合開始の20分ほど前にミツバチの群れが飛来し客席近くのネットに陣取ったのです。

10分待っても20分待っても30分待っても、一向に試合の

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No.1224 Oneゲス運動!?

No.1224 Oneゲス運動!?

その奇抜な発想に酔ってしまいました。

先日のサンドイッチマンの「病院ラジオ」(4月29日・月曜日)は、福岡のがん専門病院から生放送されました。どの患者さんのお話も胸にグッときて身動きできませんでしたが、中でも心に突き刺さったのは、大腸がんにかかった47歳の女性のお話でした。

11年前に夫をクモ膜下出血で突然亡くしてしまったこの女性は、
「子供2人を抱え、一生懸命頑張って生きていたら、何があ

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No.1223 根アカの志

No.1223 根アカの志

もう一度、聴きたかった!
何をか?
財津一郎さんが切々と語る、地主の子ども時代の壮絶な虐め体験談を!

何十年か前のTV番組で拝聴したその彼の実感の籠った体験談は、画面の中で聴いていた人々だけでなく、画面を観ていた私たちもハンカチを濡らさずにはおられませんでした。

数日前に放送されたNHKアーカイブス「あの人に会いたい」は、財津一郎さん特集でした。私の記憶していた話ではありませんでしたが、子

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No.1222 希い望む心もて

No.1222 希い望む心もて

久留島武彦(1874年~1960年)は大分県玖珠郡森町出身の児童文学者です。

口演童話に力を入れ、1903年(明治36年)に日本初の童話会を開いたり、1907年(明治40年)には専門児童劇団の東京お伽劇協会を設立したりするなど、児童文化運動を全国に広めた人物です。

久留島武彦記念館は玖珠町森の三島公園内にあり、「日本のアンデルセン」と呼ばれた武彦翁を顕彰する博物館です。2017年(平成29年

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No.1221 お宝発見!?

No.1221 お宝発見!?

昨日、一念発起(?)して部屋の掃除をしました。
「掃除なんかせんでん、死にゃあせん。うちはホコリ高き家じゃからな!」

冗談なのだか、本気なのだか、歳をとってからの母は、よくそう言いました。そのDNAを正統に受け継いだ私は、母の言いつけをよく守り、死なない程度にしか掃除をしません。四角い所も丸く掃くことの出来る老人です。

しかし、ここへ来て、「死んだら困るな!」という状況になったので、ねじり鉢巻

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No.1220 ツーン!

No.1220 ツーン!

小説家・随筆家の内田百閒(ひゃっけん、1889年~1971年)の「木蓮忌」から1週間が経ちます。裕福な造り酒屋の一人息子として生まれ、何の不自由もなく育ったために、頑固我儘・無愛想な性格だったということが、その写真のお顔にも見て取れるような気がします。

一方で、ユーモアのある人物であり教え子たちから親しまれ愛されたことが映画「まあだだよ」(黒澤明監督、大映映画、1993年)でみごとに描かれていま

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No.1219 春山そ 我は!

No.1219 春山そ 我は!

「金蘭・銀蘭をご存知ですか?今は、絶滅危惧種に指定されている花だそうです。T子さん家の近くにあるので見に行きませんか?」

親切さんから電話をいただいて、昨日「ひきつりひっぱり5人衆」(90代1人、70代2人、60代2人)が再会しました。「ひきつりひっぱり」とは「縁による繋がり」をいう宇和島方言だそうです。私たちメンバーの呼称として有り難く戴いています。

メンバーの1人のお宅は「樹間の楽園」

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No.1218 枝を折ったのは?

No.1218 枝を折ったのは?

私は、4月29日で71歳を迎えます。

昔、70歳になった老人は「楢山参り」をしなければいけなかったという伝承があります。小説『楢山節考』(深沢七郎『中央公論』1956年11月号)は、70歳を目前にした老女(おりん)が土地のならわしに従い、息子(辰平)に背負われて楢山に捨てられに行くお話です。民間に伝わった老棄伝説だそうで、貧しい村の口減らしのための因習です。世が世なら、私は、既に捨てられていた

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