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経営学における実践共同体の現在地③
前回からの続きです。今回は残りの2つのタイプについて解説し、経営学における実践共同体の定義まで行きたいと思います。
外部連携実践共同体
これは組織的な実践(記事を跨いだので改めて書いておくと、1.組織目的の達成のために、2.組織的にルール化、あるいは暗黙的に慣例化された実践に、3.否応なく(つまり状況によって必然的に)従事している)だけれども、社外の人々が集まる実践共同体です。業界団体や企業間
経営学における実践共同体の現在地②
論文検索専用のシステムを使って700以上の論文をリストアップし、そこから具体的な実践共同体を取り扱っている物に絞り込み、日本の研究も加えて約350件ほどの論文をチェックしました。
その結果、原理派と実用派の議論を包摂できる整理として次のような形で分類しました。まずこの第二回では、なぜこのような区切り方をしたのかを解説していきます。
実践共同体はどこにあるのか?
実践共同体は人々の集まりですか
経営学における実践共同体の現在地①
先日機会をいただいて、関西学院大学さんが発行されている『産研論集』にレビュー論文を掲載頂きました。そのうちWEB公開されると思うのですが、一応「こんなの書きましたよー」と投稿したところ読みたいという方がたくさん連絡を下さり驚きました。自分が書いたものを発信していくって大事だなと思いました。
とは言え直接連絡くださる方は限られると思いますし、この論文で何がしたかったのか、少し自己解説しておこうと思
自発的なメンバーが増える! やる気が芽生える「取り組み方のデザイン」
※この記事は過去に書いたものをnoteにお引越ししたものです。
本日の記事のもとになっているのはこちらの論文です。
実践共同体の学習活動における動機づけの発展についての研究
-「学習療法」実践の事例をてがかりに-
松本雄一(2014)
http://www.jcss.gr.jp/meetings/JCSS2014/proceedings/pdf/JCSS2014_P3-7.pdf
なお、ブロ
「組織内コミュニティが陥る罠と打開策」への質疑応答③ ~コミュニティ活動の継続性~
本日は個々人としてどう活動を続けていくか、そして日本全体としてこのような活動がどうなっていくかについて触れます。
ずっと根性だけでは続かない。
継続して活動するためにはどうすればいいか
組織の中の非公式なコミュニティと言うのは、非公式なわけですから業務時間中に何かするわけにはいきません。多くの人々は、終業後や休日に時間を捻出して活動をすることになります。活動規模が大きくなったりやりたいことが困
「組織内コミュニティが陥る罠と打開策」への質疑応答② ~メンバーの参加の在り方~
今回は主にメンバーの参加の在り方について2つ取り上げます。
コアメンバーとそうでない人の熱量の差をどう埋めればよいか
コミュニティ活動は歴史が積み重なり、メンバーも増えてくるとそれぞれが持っているモティベーション(質問者の言う熱量)のみならず、知的・技術的熟練度の差も広がってきます。
これが具体的にコミュニティにどのような影響を与えるかというと、スポーツを例に挙げるとわかりやすいでしょう。前
「組織内コミュニティが陥る罠と打開策」への質疑応答①
先日ONE JAPANさんの有志団体総選挙にて審査員を務めさせていただきました。その時標記のタイトルで短めのセッションを担当したのですが、これについて会場から出た質問について非常に端的にしか回答できなかったので補足も含めてこちらでテキストにしておこうと思います。
創設者がいなくなってしまった。どうしたらいいか。
私は、組織の中のコミュニティを「組織的、個人的なビジネス上の目的達成のために従業員