Sakura
もう、自分は完成されたと思っていた主人公。心に秘め続けた気持ちは、ある日を境に零れはじめ、完成されたはずの主人公を変えていきます。愛のカタチは人の数だけ、正解はありません。
【通知不可能】 ・・初めて見た。 「ママ、誰?」 皿洗いの間、 次男にスマホを貸していた。 急にかかってきた電話に 10歳の息子は、即座に反応。 “通話”にして持っ…
「お疲れちゃん、ちゃん♪」 「疲れてないよ。待ってないから、 30分以上も。」 「・・おかしぃなぁ」 「ねぇ~・・」 「はい、焼き鳥おまちどうさま」 「ありがとう、…
はじめまして。Sakuraです(2回目) 怪獣3人(中1長男・小5次男・小3長女)と 夫君1人(当たり前)の5人家族で ママと奥さんしてます。 光GENJIもSMAPも 嵐(←片足は突っ込んだ…
【2002年】 就職活動、最後の面接が終わった。 見えない鎖でつながれたような 緊張感から解かれ、 ロビーで大きく背伸びをする。 腕を下ろした時だった。 「痛っ」 後…
「帰るか?」 ・・・。 「行くわよ」 彼より先に足を出す。 「どこに?」 背中に聞こえた声に 当たり前のように答えた。 「食後の散歩、さんさく、 ウォーキング」 …
3.18 担当の引継ぎ、向こうでの生活の手配、 韓国語と出版に関する知識を叩き込んだ。 頭、パンクしそう。 明日から3連休は 家の片付けの予定にしていた。 「行けるか…
2.4 「どういうことだよ」 「何が?」 外回りの後、呼び出された私は いつもの喫茶店で彼と向かい合う。 結局、昨日は 詳しく話せないままだった。 「お待たせいたし…
【2016.1.8】 「・・韓国ですか」 新年早々 呼び出された会議室には 編集長と2人しかいなかった。 「行けるか?」 ・・・行けるか? 「・・出張ではなく?」 「違う…
2016.2.3 「先輩、」 今日も豪快な寝ぐせだな・・ 「何?」 「三上さんとケンカしたんですか?」 「なんで?」 「いや、なんとなく」 「してないわよ」 「・・・。…
12.14 ・・・・ ・・・・・どこだ、ここ? ・・家の天井じゃない 視線だけ巡らせてみる。 見覚えがなかったけど なんとなく彼の香りがした。 三上・・ 昨日、彼の声…
12.13 「珍しいわね、レンちゃんが そんな風になるなんて」 カウンターに伏した私の頭の上から マスターの優しい声が降る。 「・・私も人間だったってこと」 「そっ、…
「・・・」 「・・・できたじゃん。」 乱れる呼吸の中、並んで天井を見上げる。 ・・・・。 私より彼の方が呆然としていた。 そりゃ、そうだ。 「・・レン」 「ん?…
「ぱぱぁ」 両腕を広げて声の方に 女の子が走って行く。 ・・・。 「だめだろ、離れちゃ」 怒ったような言葉とは裏腹に 走り寄った女の子を抱きとめ 大きく息を吐いて …
2015.12.12 街並みは、様々な イルミネーションに彩られていた。 冷たい空気を包み込むように 輝く温かい光達。 それを見ながらベンチに座って、 コーヒーを飲む。 吐く…
「寒っっ、隠れるなら、中にしてよ」 思わず、胸の前で両腕を組んだ。 いつから、ここにいたのか知らないけど 屋上にいた彼を一発で見つけられた事に ホッとした。 お互…
無理をしていたんだろう。 病室に戻ってきた彼女は すぐに目を閉じた。 彼女が眠ったのを確認した三上は 担当医の話を聞いてくると言って 病室を出て行った。 傍にあっ…
2023年4月23日 15:40
【通知不可能】・・初めて見た。「ママ、誰?」皿洗いの間、次男にスマホを貸していた。急にかかってきた電話に10歳の息子は、即座に反応。“通話”にして持って来た。どうしようかな・・とりあえず、「もしもし」「あっ、もしもし、私、スカイジャパンのサカイと申します」野太い男性の声。「はい」「この度、カード会社からの委託により、未納料金の回収で、えー、お電話
2023年4月21日 14:36
「お疲れちゃん、ちゃん♪」「疲れてないよ。待ってないから、30分以上も。」「・・おかしぃなぁ」「ねぇ~・・」「はい、焼き鳥おまちどうさま」「ありがとう、おじちゃんが焼く焼き鳥が1番好き」「嬉しいねぇ。リノちゃんは嘘つかないからなぁ。ハルちゃんは、どうする?」「私、いつものでいい」「はいよ、あっ、付きだしね。」「おっ、ポテトサラダだぁ~、いい日に来たな」
2023年4月20日 21:55
はじめまして。Sakuraです(2回目) 怪獣3人(中1長男・小5次男・小3長女)と夫君1人(当たり前)の5人家族でママと奥さんしてます。光GENJIもSMAPも嵐(←片足は突っ込んだ)も横目で通り過ぎて来た私が2021年6月ふと画面に映った彼らに動きが止まりました。その中でも、彼が↓・・・私を見たんです(MVです)人生で初めて落ちました。片足ずつゆっくりではな
2023年4月19日 11:48
【2002年】就職活動、最後の面接が終わった。見えない鎖でつながれたような緊張感から解かれ、ロビーで大きく背伸びをする。腕を下ろした時だった。「痛っ」後ろから来ていた女性の肩に当たってしまった。「あっ、すみませんっっ」慌てて、謝ると「いえ、大丈夫です」一定の音で返ってきた言葉にもう1度、会釈してしまった。・・怒ってる?表情1つ変えない女性の服装か
2023年4月18日 22:23
「帰るか?」・・・。「行くわよ」彼より先に足を出す。「どこに?」背中に聞こえた声に当たり前のように答えた。「食後の散歩、さんさく、ウォーキング」少しの間の後、足早に追いついた彼と並んで歩いた。見えて来た噴水広場。中央の噴水を囲むようにベンチが点在している。ありがたい事に誰もいなかった。「コーヒー、飲みたい」「・・わかったよ」腰掛けたベンチ
2023年4月17日 23:47
3.18担当の引継ぎ、向こうでの生活の手配、韓国語と出版に関する知識を叩き込んだ。頭、パンクしそう。明日から3連休は家の片付けの予定にしていた。「行けるか?」?気づけば、オフィスには彼と私しか残っていなかった。「どこに?」「マスターに挨拶」「あぁ、・・そうね」久しぶりに並んで歩いた。~・~・~・~「えぇぇぇぇぇ」・・・・。そんなに広いと
2023年4月16日 15:56
2.4「どういうことだよ」「何が?」外回りの後、呼び出された私はいつもの喫茶店で彼と向かい合う。結局、昨日は詳しく話せないままだった。「お待たせいたしました」目の前に2つ並べられた鉄板。肉厚のハンバーグにナイフをいれる。間から立ち上る湯気と染み出す肉汁。美味しそうなハンバーグは彼から視線を外すちゃんとした理由になった。「韓国って」「あぁ、前から話
2023年4月15日 21:30
【2016.1.8】「・・韓国ですか」新年早々呼び出された会議室には編集長と2人しかいなかった。「行けるか?」・・・行けるか?「・・出張ではなく?」「違う」違うのか・・。となると、結構大事な話なんだけどすごく簡単に聞かれてる気がする。「行けるか?」ほら。・・・韓国まぁ、隣っちゃ隣・・。隣・・あの日から彼との間にできた少しの隙間。
2023年4月15日 21:09
2016.2.3「先輩、」今日も豪快な寝ぐせだな・・「何?」「三上さんとケンカしたんですか?」「なんで?」「いや、なんとなく」「してないわよ」「・・・。」「何?」「ん~、僕、こういうのあんまり外した事ないんだけどな」「・・・何を?」「三上さんが、先輩の前で笑ってない。」そんなことはない。笑って話してる。今までどおりだ。仕事も、してる何事
2023年4月14日 11:32
12.14・・・・・・・・・どこだ、ここ?・・家の天井じゃない視線だけ巡らせてみる。見覚えがなかったけどなんとなく彼の香りがした。三上・・昨日、彼の声を聞いた。じゃあ、ここ・・考えながらも、また、重くなってきた瞼・・「おーい」・・・。「た・ち・ば・な・さん」開いた目に映ったのはやっぱり・・三上だった。!!っっ勢いよく身体を起こした瞬
2023年4月13日 15:40
12.13「珍しいわね、レンちゃんがそんな風になるなんて」カウンターに伏した私の頭の上からマスターの優しい声が降る。「・・私も人間だったってこと」「そっ、安心したわ・・はいこれは、サービスよ」?顔を上げた私の前に置かれたグラス。「・・・・水道水」「まっ、失礼ね。ちゃんとお洒落なお水よ」・・お洒落な水って何?・・まぁ、どっちにしても「あと1杯で終わる
2023年4月12日 11:15
「・・・」「・・・できたじゃん。」乱れる呼吸の中、並んで天井を見上げる。・・・・。私より彼の方が呆然としていた。そりゃ、そうだ。「・・レン」「ん?」「お前、本当は男、」「バカじゃないの・・シャワーあびてくる」体を起こした私の背中に声がかかる。「なぁ、今日、泊っていっていいか」「・・ソファで寝てね」頭から伝うお湯が、頬を流れる。泣けばよかった。
2023年4月11日 20:51
「ぱぱぁ」両腕を広げて声の方に女の子が走って行く。・・・。「だめだろ、離れちゃ」怒ったような言葉とは裏腹に走り寄った女の子を抱きとめ大きく息を吐いてとても愛おしそうに抱きしめなおした。まだ息が戻らないのか肩がわずかに動いている。ずっと、探し回っていたのだろう。・・・・。「ママのとこ帰ろう」「うんっっ」抱き上げられた身体がフワっと浮いて、女の子は
2023年4月11日 18:47
2015.12.12街並みは、様々なイルミネーションに彩られていた。冷たい空気を包み込むように輝く温かい光達。それを見ながらベンチに座って、コーヒーを飲む。吐く息が白い。“独り身にクリスマスはつらい”とかよく聞くけど、私は、好きだった。特に、この時期。いつにも増して、人々の笑顔が優しく穏やかに見える。子供達の笑顔はこれから来るイベントへのカウントダウンで
2023年4月10日 21:25
「寒っっ、隠れるなら、中にしてよ」思わず、胸の前で両腕を組んだ。いつから、ここにいたのか知らないけど屋上にいた彼を一発で見つけられた事にホッとした。お互い、コートは病室に置いている。彼も寒いはずなのに、私の言葉に振り向かず、両腕を手すりにかけたまま、立ちつくしていた。先生からの話があんなに長く続くはずがない。1度、ドアの外から音がした。どこまで聞いてたんだろう
2023年4月10日 20:28
無理をしていたんだろう。病室に戻ってきた彼女はすぐに目を閉じた。彼女が眠ったのを確認した三上は担当医の話を聞いてくると言って病室を出て行った。傍にあった丸椅子に座り眠る彼女を見る。4人部屋には彼女しかいない。入院したのは、1カ月前だと言っていた。ずっと、1人だったのかな・・。青白くうつる顔。さっきまでの彼女とは、全く違って見えた。~・~・~・~・~・~・