Sakura

家事・子育て(3怪獣)・仕事の重力に体全体が下方修正されてきた今日このごろ。人生初の『…

Sakura

家事・子育て(3怪獣)・仕事の重力に体全体が下方修正されてきた今日このごろ。人生初の『推しのいる生活』で滞っていた血が巡り始め気の迷いを生み、昔からの夢だった物語を書く事を始めました。私が書くのは、この世に存在しない世界。誰も不幸にならない世界です。暇つぶしにどうぞ。

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  • 万葉の恋

    もう、自分は完成されたと思っていた主人公。心に秘め続けた気持ちは、ある日を境に零れはじめ、完成されたはずの主人公を変えていきます。愛のカタチは人の数だけ、正解はありません。

記事一覧

君の名は

【通知不可能】 ・・初めて見た。 「ママ、誰?」 皿洗いの間、 次男にスマホを貸していた。 急にかかってきた電話に 10歳の息子は、即座に反応。 “通話”にして持っ…

Sakura
1年前
1

女友達

「お疲れちゃん、ちゃん♪」 「疲れてないよ。待ってないから、 30分以上も。」 「・・おかしぃなぁ」 「ねぇ~・・」 「はい、焼き鳥おまちどうさま」 「ありがとう、…

Sakura
1年前
1

はじめまして。Sakuraです。落ちた沼は「BTS」です。

はじめまして。Sakuraです(2回目) 怪獣3人(中1長男・小5次男・小3長女)と 夫君1人(当たり前)の5人家族で ママと奥さんしてます。 光GENJIもSMAPも 嵐(←片足は突っ込んだ…

Sakura
1年前
8

万葉の恋 【白夜】

【2002年】 就職活動、最後の面接が終わった。 見えない鎖でつながれたような 緊張感から解かれ、 ロビーで大きく背伸びをする。 腕を下ろした時だった。 「痛っ」 後…

Sakura
1年前
7

万葉の恋 第21夜

「帰るか?」 ・・・。 「行くわよ」 彼より先に足を出す。 「どこに?」 背中に聞こえた声に 当たり前のように答えた。 「食後の散歩、さんさく、 ウォーキング」 …

Sakura
1年前
5

万葉の恋 第20夜

3.18 担当の引継ぎ、向こうでの生活の手配、 韓国語と出版に関する知識を叩き込んだ。 頭、パンクしそう。 明日から3連休は 家の片付けの予定にしていた。 「行けるか…

Sakura
1年前
3

万葉の恋 第19夜

2.4 「どういうことだよ」 「何が?」 外回りの後、呼び出された私は いつもの喫茶店で彼と向かい合う。 結局、昨日は 詳しく話せないままだった。 「お待たせいたし…

Sakura
1年前
3

万葉の恋 第18夜

【2016.1.8】 「・・韓国ですか」 新年早々 呼び出された会議室には 編集長と2人しかいなかった。 「行けるか?」 ・・・行けるか? 「・・出張ではなく?」 「違う…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第17夜

2016.2.3 「先輩、」 今日も豪快な寝ぐせだな・・ 「何?」 「三上さんとケンカしたんですか?」 「なんで?」 「いや、なんとなく」 「してないわよ」 「・・・。…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第16夜

12.14 ・・・・ ・・・・・どこだ、ここ? ・・家の天井じゃない 視線だけ巡らせてみる。 見覚えがなかったけど なんとなく彼の香りがした。 三上・・ 昨日、彼の声…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第15夜

12.13 「珍しいわね、レンちゃんが そんな風になるなんて」 カウンターに伏した私の頭の上から マスターの優しい声が降る。 「・・私も人間だったってこと」 「そっ、…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第14夜

「・・・」 「・・・できたじゃん。」 乱れる呼吸の中、並んで天井を見上げる。 ・・・・。 私より彼の方が呆然としていた。 そりゃ、そうだ。 「・・レン」 「ん?…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第13夜

「ぱぱぁ」 両腕を広げて声の方に 女の子が走って行く。 ・・・。 「だめだろ、離れちゃ」 怒ったような言葉とは裏腹に 走り寄った女の子を抱きとめ 大きく息を吐いて …

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第12夜

2015.12.12 街並みは、様々な イルミネーションに彩られていた。 冷たい空気を包み込むように 輝く温かい光達。 それを見ながらベンチに座って、 コーヒーを飲む。 吐く…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第11夜

「寒っっ、隠れるなら、中にしてよ」 思わず、胸の前で両腕を組んだ。 いつから、ここにいたのか知らないけど 屋上にいた彼を一発で見つけられた事に ホッとした。 お互…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第10夜

無理をしていたんだろう。 病室に戻ってきた彼女は すぐに目を閉じた。 彼女が眠ったのを確認した三上は 担当医の話を聞いてくると言って 病室を出て行った。 傍にあっ…

Sakura
1年前
4
君の名は

君の名は

【通知不可能】

・・初めて見た。

「ママ、誰?」

皿洗いの間、
次男にスマホを貸していた。
急にかかってきた電話に
10歳の息子は、即座に反応。

“通話”にして持って来た。

どうしようかな・・

とりあえず、

「もしもし」
「あっ、もしもし、私、スカイジャパンの
サカイと申します」

野太い男性の声。

「はい」
「この度、カード会社からの委託により、
未納料金の回収で、えー、
お電話

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女友達

女友達

「お疲れちゃん、ちゃん♪」

「疲れてないよ。待ってないから、
30分以上も。」

「・・おかしぃなぁ」

「ねぇ~・・」

「はい、焼き鳥おまちどうさま」
「ありがとう、おじちゃんが焼く
焼き鳥が1番好き」

「嬉しいねぇ。リノちゃんは
嘘つかないからなぁ。
ハルちゃんは、どうする?」

「私、いつものでいい」

「はいよ、あっ、付きだしね。」
「おっ、ポテトサラダだぁ~、
いい日に来たな」

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はじめまして。Sakuraです。落ちた沼は「BTS」です。

はじめまして。Sakuraです。落ちた沼は「BTS」です。

はじめまして。Sakuraです(2回目)
怪獣3人(中1長男・小5次男・小3長女)と
夫君1人(当たり前)の5人家族で
ママと奥さんしてます。

光GENJIもSMAPも
嵐(←片足は突っ込んだ)も
横目で通り過ぎて来た私が
2021年6月
ふと画面に映った彼らに
動きが止まりました。
その中でも、彼が↓

・・・私を見たんです(MVです)

人生で初めて
落ちました。

片足ずつゆっくりではな

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万葉の恋 【白夜】

万葉の恋 【白夜】

【2002年】

就職活動、最後の面接が終わった。

見えない鎖でつながれたような
緊張感から解かれ、
ロビーで大きく背伸びをする。

腕を下ろした時だった。

「痛っ」

後ろから来ていた
女性の肩に当たってしまった。

「あっ、すみませんっっ」

慌てて、謝ると

「いえ、大丈夫です」

一定の音で返ってきた言葉に
もう1度、会釈してしまった。

・・怒ってる?

表情1つ変えない女性の服装か

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万葉の恋 第21夜

万葉の恋 第21夜

「帰るか?」

・・・。

「行くわよ」

彼より先に足を出す。

「どこに?」

背中に聞こえた声に
当たり前のように答えた。

「食後の散歩、さんさく、
ウォーキング」

少しの間の後、
足早に追いついた彼と並んで歩いた。

見えて来た噴水広場。

中央の噴水を囲むようにベンチが
点在している。

ありがたい事に誰もいなかった。

「コーヒー、飲みたい」

「・・わかったよ」

腰掛けたベンチ

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万葉の恋 第20夜

万葉の恋 第20夜

3.18

担当の引継ぎ、向こうでの生活の手配、
韓国語と出版に関する知識を叩き込んだ。

頭、パンクしそう。

明日から3連休は
家の片付けの予定にしていた。

「行けるか?」



気づけば、オフィスには
彼と私しか残っていなかった。

「どこに?」

「マスターに挨拶」

「あぁ、・・そうね」

久しぶりに並んで歩いた。

~・~・~・~

「えぇぇぇぇぇ」

・・・・。

そんなに広いと

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万葉の恋 第19夜

万葉の恋 第19夜

2.4

「どういうことだよ」

「何が?」

外回りの後、呼び出された私は
いつもの喫茶店で彼と向かい合う。

結局、昨日は
詳しく話せないままだった。

「お待たせいたしました」

目の前に2つ並べられた鉄板。

肉厚のハンバーグにナイフをいれる。
間から立ち上る湯気と染み出す肉汁。

美味しそうなハンバーグは

彼から視線を外す
ちゃんとした理由になった。

「韓国って」

「あぁ、前から話

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万葉の恋 第18夜

万葉の恋 第18夜

【2016.1.8】

「・・韓国ですか」

新年早々
呼び出された会議室には
編集長と2人しかいなかった。

「行けるか?」

・・・行けるか?

「・・出張ではなく?」

「違う」

違うのか・・。

となると、
結構大事な話なんだけど
すごく簡単に聞かれてる気がする。

「行けるか?」

ほら。

・・・韓国

まぁ、隣っちゃ隣・・。

隣・・

あの日から
彼との間にできた少しの隙間。

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万葉の恋 第17夜

万葉の恋 第17夜

2016.2.3

「先輩、」

今日も豪快な寝ぐせだな・・

「何?」

「三上さんとケンカしたんですか?」

「なんで?」

「いや、なんとなく」

「してないわよ」

「・・・。」

「何?」

「ん~、僕、こういうの
あんまり外した事ないんだけどな」

「・・・何を?」

「三上さんが、先輩の前で笑ってない。」

そんなことはない。
笑って話してる。
今までどおりだ。
仕事も、してる
何事

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万葉の恋 第16夜

万葉の恋 第16夜

12.14

・・・・

・・・・・どこだ、ここ?

・・家の天井じゃない

視線だけ巡らせてみる。

見覚えがなかったけど
なんとなく彼の香りがした。

三上・・
昨日、彼の声を聞いた。

じゃあ、ここ・・

考えながらも、
また、重くなってきた瞼・・

「おーい」

・・・。

「た・ち・ば・な・さん」

開いた目に映ったのは

やっぱり・・三上だった。

!!っっ

勢いよく身体を起こした瞬

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万葉の恋 第15夜

万葉の恋 第15夜

12.13

「珍しいわね、レンちゃんが
そんな風になるなんて」

カウンターに伏した私の頭の上から
マスターの優しい声が降る。

「・・私も人間だったってこと」

「そっ、安心したわ・・はい
これは、サービスよ」



顔を上げた私の前に置かれたグラス。

「・・・・水道水」

「まっ、失礼ね。ちゃんとお洒落なお水よ」

・・お洒落な水って何?

・・まぁ、どっちにしても

「あと1杯で終わる

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万葉の恋 第14夜

万葉の恋 第14夜

「・・・」

「・・・できたじゃん。」

乱れる呼吸の中、並んで天井を見上げる。

・・・・。

私より彼の方が呆然としていた。

そりゃ、そうだ。

「・・レン」

「ん?」

「お前、本当は男、」
「バカじゃないの・・シャワーあびてくる」

体を起こした私の背中に声がかかる。

「なぁ、今日、泊っていっていいか」

「・・ソファで寝てね」

頭から伝うお湯が、頬を流れる。

泣けばよかった。

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万葉の恋 第13夜

万葉の恋 第13夜

「ぱぱぁ」

両腕を広げて声の方に
女の子が走って行く。

・・・。

「だめだろ、離れちゃ」

怒ったような言葉とは裏腹に
走り寄った女の子を抱きとめ
大きく息を吐いて
とても愛おしそうに抱きしめなおした。

まだ息が戻らないのか
肩がわずかに動いている。

ずっと、
探し回っていたのだろう。

・・・・。

「ママのとこ帰ろう」

「うんっっ」

抱き上げられた身体がフワっと浮いて、
女の子は

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万葉の恋 第12夜

万葉の恋 第12夜

2015.12.12

街並みは、様々な
イルミネーションに彩られていた。
冷たい空気を包み込むように
輝く温かい光達。

それを見ながらベンチに座って、
コーヒーを飲む。

吐く息が白い。

“独り身にクリスマスはつらい”

とかよく聞くけど、私は、好きだった。

特に、この時期。

いつにも増して、
人々の笑顔が優しく穏やかに見える。
子供達の笑顔は
これから来るイベントへの
カウントダウンで

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万葉の恋 第11夜

万葉の恋 第11夜

「寒っっ、隠れるなら、中にしてよ」

思わず、胸の前で両腕を組んだ。

いつから、ここにいたのか知らないけど
屋上にいた彼を一発で見つけられた事に
ホッとした。

お互い、コートは病室に置いている。

彼も寒いはずなのに、
私の言葉に振り向かず、両腕を
手すりにかけたまま、立ちつくしていた。

先生からの話が
あんなに長く続くはずがない。

1度、ドアの外から音がした。

どこまで聞いてたんだろう

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万葉の恋 第10夜

万葉の恋 第10夜

無理をしていたんだろう。

病室に戻ってきた彼女は
すぐに目を閉じた。

彼女が眠ったのを確認した三上は
担当医の話を聞いてくると言って
病室を出て行った。

傍にあった丸椅子に座り
眠る彼女を見る。

4人部屋には彼女しかいない。
入院したのは、1カ月前だと言っていた。

ずっと、1人だったのかな・・。

青白くうつる顔。

さっきまでの彼女とは、
全く違って見えた。

~・~・~・~・~・~・

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