マガジンのカバー画像

kokoron‥心音。詩。写真詩。

21
誰に届くわけでもなく、誰に響くわけでもなく‥。それでも詠っていたい夜がある 月明かりの下‥ただとめどなく。
運営しているクリエイター

#散文詩

【詩】不香の花…Hukyounohana

【詩】不香の花…Hukyounohana

この世に生まれ
はらはらと
消えゆくのが定めなら

朽ちる間の一瞬を
どうか貴方のその掌で
その温かさで
溶かして欲しいと願うだけ

香りさえも残さずに
去りゆくのが定めなら

どうか貴方の瞳の奥に
その一瞬
映して欲しいと

はらはらはらはら
舞い降りて
儚くはかなく
溶けてゆく‥

その一瞬を‥

不香の花
#21るん詩の世界  
不香の花…Hukyounohana

         香りの

もっとみる
【詩】Solitude

【詩】Solitude

おやすみと囁き合った
その後に
ポツンと落ちるの長い夜

朝が来ればきっと‥
一晩中眠れず過ごした私の痛みを
貴方は自分の事のように
感じるのでしょう

そして寄り添えず
向き合えなかったと
自分を責めてしまうのでしょう

波打つ心のざわめきも
細く揺れる琴線も
もしも持っていなければ
手にしていなければ

降り続く夜半の悲しみに
想いを馳せることも
なかったかもしれないのに

窓の向こう
滲んだ

もっとみる
【詩】We can't go back to the time 

【詩】We can't go back to the time 

人の気持ちは
変わりゆくもの

同じで居たいのに
いられなくて

巻き戻したいのに
戻せなくて

留まることなど
できなくて‥

自分でさえ
そうなのに

自分でさえ
変わっていくのに‥

取り戻したところで
偽りの‥
手に入れたところで
空っぽの‥

分かっているのに
こんなにも‥

こんなにも‥
#19 『We can't go back to the time』
るん詩の世界

We can

もっとみる
【詩】春隣‥Harutonari‥。

【詩】春隣‥Harutonari‥。

ふと見上げた水色の空に
君なら何を描くだろう

僕ならきっと‥
名も知らぬ美しき色を
絵筆に取り
明日への希望を託すだろう

冬の香り残るこの空に
小さな息吹を見つけたよ

君にも見せたくて
僕色のキャンバスに
そっとキリトル春隣

届くといいな君の心に‥

聴こえるといいな‥

今はまだ‥ほらね‥
微かな微かな春の音‥。
#18 春隣‥Harutonari
るん詩の世界

好きです
美しい日

もっとみる
【詩】光と影の戯言‥。

【詩】光と影の戯言‥。

誰に届かなくても
響かなくても

詠っていたい夜がある

誰の心に落ちなくとも
鼻歌混じりに
口ずさむ歌のように‥

時計の秒針が
カチカチと
頭の芯に響く

鈍い痛みが側頭部を
締め付け
頭痛薬を手にした

何度こんな夜を越え
何度また朝を迎え

おはようございますと
挨拶を交わし

素知らぬ顔で
パソコンに向かい
文字を打つのだろう

眠れぬ夜
抱えた両膝
カーテンの隙間
お椀型のお月様

もっとみる
【詩】昨日の花は今日の夢

【詩】昨日の花は今日の夢

昨日の花は
今日の夢

昨日のふたりは
今日の幻

抗うことさえ
許されず

流れ行くのが
世の常ならば

この身を任せ
行き着くままに

溺れてしまっても
かまわないと

この一瞬に
すべてを注ぎ

わたしは今日も
生きているのです
#13  るん詩の世界
昨日の花は今日の夢

✎*。......................................................。

もっとみる
【詩】あの夏の恋‥。

【詩】あの夏の恋‥。

静かな夜に
波打つように

小さく大きく
さわさわ揺られ

それはきっとそう
あなたの光

眠らぬ街に
煌めくように

わたしの胸へ
ゆらゆらと

震えながら掴んだ
その手は
あたたかく繊細で

惹かれていくのが
怖かった

知っていくのが
怖かった

あの日選んだサヨナラを
悔やんでなど
いないけれど

それでも思う

あれは紛れもなく

夏の始まりの
短く密な恋でした
#9  あの夏の恋
るん

もっとみる
《詩》Nostalgia‥ノスタルジー

《詩》Nostalgia‥ノスタルジー

探しても
探しても

見つからない

消えたくなるの
分かるから

探さない
探さない

あなたの面影を
気配を
その息遣いを

居るはずのない場所にさえ
期待して

もう逢えないのに

心の断片が
言葉の吐息が
どこかに落ちていないかと

思い合わせようとして‥。

あなたじゃないのに

痛いほど
気持ち分かるから

探さない
探さない

開いてしまった空白を

埋める術など
知らなくて

抱え

もっとみる