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美しきアスリートたちの人生模様

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東洋経済オンラインやOCEANS、AlpenGroupMagazine、キングギア などの媒体に寄稿しているスポーツライター、瀬川泰祐が取材活動や、日々の執筆活動の中で感じたアス… もっと読む
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#フットサル

使命感を持つ強さ

使命感を持つ強さ

「昨日、新しい抗がん剤治療に入ること、再び入院するため少しの間チームから離れることを、チームスタッフやチームメイトに伝えてきました」

挨拶を済ませると、彼は真っ先にこういった。

僕はいきなり強烈なパンチを食らったような衝撃を覚え、一瞬、耳を疑った。

もちろん、彼がガンという大病と戦いながら、国内最高峰のフットサルリーグで、フットサル選手を続けているということは知っていた。

だが、取材申請に

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ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

フウガドールすみだというチームの育成コンセプトの一つに「EMOTION」というキーワードがある。

僕はこのコンセプトに惹かれて、息子をフウガドールすみだのスクールに通わせた。

小学校5年生の時に、埼玉のド田舎から、電車を乗り継ぎながら、1時間半近くかけて、週2回もフットサルスクールに通うのを横目で見て、我が子ながら、息子もよく通っているなと思っていた。

当時の息子の課題と、スクールの育成方針

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一歩を踏み出すきっかけ

一歩を踏み出すきっかけ

「インスタ映えしそうだねぇ」

ある方が、インディ鈴木氏(42)の写真をみて、こう言った。

奇抜な髪型とさわやかな笑顔に、カラフルな衣装。

確かに風貌はその通りだなと思った。

でも、インディ鈴木の真骨頂は、自由な発想とオープンなマインドにある。と僕は思っている。

何でこんなにもフランクに人と接することができるんだろう、とずっと思っていたが、その秘密の一部を、彼が月に1回必ず実施している「月

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爪痕を残す

爪痕を残す

「めちゃくちゃいいピヴォだね」

僕の隣で観戦していたスポーツライターの仲間が、ある選手に視線を向けながら、こう言った。

その視線の先にいた選手の名は、岡村康平(31)。現在、フウガドール すみだに所属するフットサル選手だ。

岡村は、30歳の時に初めて日本代表合宿に呼ばれたが、それまでFリーグでの出場試合数も決して多くはなく、下積みがとても長い選手だった。

この日、僕は友人たちとFリーグの

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信じる

信じる

「よしっ、今日も自信をつけていこう!」

フットサル元日本代表の諸江剣語選手は、フィジカルトレーニングを始める前に、自分自身を奮い立たせるかのように、こう言った。

僕は、いつの間にか、「正解」が大好きになり、いつの間にか、「間違い」を悪と捉えるようになり、間違いを嫌う大人になった。今では、「正解」だけを信じ、「正解」を求め続けて生きている。

だが、アスリート達を見ていると、間違っていてもいいん

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21歳の未来へのYELL

21歳の未来へのYELL

墨田区錦糸町にある太平二丁目接骨院。

当時19歳だった若者は、ストレッチ器具「ホグレル」を使ったコンディショニング調整を終えた後のインタビューの席で、力強くこう言った。

「日本を勝利へ導く存在になりたい」

日本最高峰のフットサルリーグ「Fリーグ」でデビューを飾って間もなかった清水和也の、あどけなさの残る顔つきと、力強い目つきのアンバランスさが、今でも脳裏に蘇る。

思いかえせば、あの時、すで

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アスリートに声援を送るアスリートたちを見て

アスリートに声援を送るアスリートたちを見て

先日、仲良くさせてもらっているアルティメットの田村友絵選手、レスリングの井上智裕選手、フリースタイルフットボールのインディ鈴木さんらと一緒に、Fリーグ、フウガドールすみだに所属する諸江剣語選手の応援に行ってきた。

全く違う競技に打ち込んでいるアスリートの方々が、競技を超えて応援しあうことって、なんてステキなことなんだろう。こういう小さなことが繋がって、みんなでパワーを与え合って、2020年やその

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