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【新説】石の上にも3年
北国。年中凍えるような寒さで有名な町を訪れたときの話。その町にはたいそう変わり者がいて、町はずれの大きな石の上にかれこれ3年、座り続けているという。わたしは、興味本意から、石に座るその男を訪ねた。「こんにちは」「......」微かに聞こえる声は、吹きつける北風に打ち消される。男の頬は大きなスプーンで削り取られたように痩せこけ、胴体はあばら骨が浮き上がり、手足はほんの少し力を加えれば粉々になってしま
もっとみるすべては僕の捉え方次第だ
自分を「ひらく」のは怖いことだ。その怖れが自分を硬くし、笑顔を抑え、感情を表に出すことに制限をかけることがある。そうすると、途端に世界が硬く冷たい無機質なものに感じられて、無表情の人々に恐れおののくこととなる。
でも、自分がとっている頑なな姿勢こそが、世界を冷たく感じさせる元凶なのではないだろうか?
自分の中にも柔らかい部分がある。鼻唄うたいながらスキップしつつ、木々を見たり、子どもらを見たり
無条件に受け取ることの難しさ
夜、お風呂から上がると、「あなたとの会話に疲れた」と妻。「つかみどころのない会話に疲れた」と。
「またやってしまった」と自省するも、その原因が明確にはわからない。
だが、このやりとりは過去にも何度かしているぞ。
会話の内容は、子どもたちが抱えがちな将来への不安に対して、自分で乗り越えていけるようなサポートをしていきたいという妻の話に、「自分にとって不安な感じってどんなもんだったかな」と回顧す