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あなたがどう感じるか。

あなたがどう感じるか。

僕は、他人との認識の違いに驚くことが多々あります。「えっ、そうなん?」みたいな感じで、めっちゃ驚きます。「えーーーー、それ知らないの?」とか「ええええええ、今どきそんなこと言っちゃうの?」とかです。

特に、僕の職場なんかでは顕著です。田舎の役所は旧態依然がデフォルトですし、女性がお茶くみ、みんなの茶碗洗いがデフォルトです。ちなみに僕は、一人だけ全部自分でやってます。

さておき、認識の違いに驚か

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川上未映子『夏物語』を読んで良かった

川上未映子『夏物語』を読んで良かった

川上未映子『夏物語』をようやく読了しました。この読書は、号泣せざるを得ませんでした。2020年6月くらいから読み始めて、2021年3月に読み終わりました。

こんなに長い時間がかかったのには、いくつか理由がありますが、最も大きな理由は、この小説のテーマが重く、そして、一文一文のクオリティが高かったので、咀嚼の時間を確保して読む必要があったからです。

計り知れない推敲のあとを感じる名文ざあーっと読

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上田岳弘『ニムロッド』最高!

上田岳弘『ニムロッド』最高!

「地上から塔の頂上へと、軽々と読者を運んでいく垂直の跳躍力こそがこの作家最大の魅力であると思う。今回はその跳躍力と、ダメな飛行機というコミカルなメタファが奇跡的な相乗効果を生み、稀に見る完成度の高い小説となっている。」(吉田修一氏の芥川賞選評コメントより)

第160回芥川賞を受賞した本作は、IT企業で働く主人公中本哲史、主人公の恋人で外資系企業に勤める田久保紀子、主人公の友人で小説家を目指す男ニ

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太宰治の代表作は『走れメロス』で統一しましょう。(後編)

太宰治の代表作は『走れメロス』で統一しましょう。(後編)

太宰の魅力について語るのに、適切なツイートを発見しました。

お笑いコンビのピースの又吉直樹さんが太宰好きだという話は、又吉さんファンの中では有名な話だと思います。ちなみに僕は又吉さんも太宰さんも大好きです。

さておき、太宰が自殺未遂と心中未遂を何回もする壮絶な人生を送った理由は、太宰本人にしかわかりません。しかし、太宰は、自殺未遂と心中未遂のことを小説の中で書いていることは、紛れもない事実です

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太宰治の代表作は『走れメロス』で統一しましょう。(前編)

太宰治の代表作は『走れメロス』で統一しましょう。(前編)

太宰治といえば『人間失格』ですか?金輪際、それは止めてください。太宰治といえば『走れメロス』でいきましょう。教科書にも載っていますし、話も明るくておもしろいです。

最近、Netflixで急上昇している蜷川実花監督『人間失格』を観た妻が「太宰のどこが好きなの?」と僕に尋ねてきました。理由を尋ねると、その映画で描かれる太宰が「胸クソ悪い人物だった」からだと答えました。

いや、ちがうんだよ、と思い「

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心の土壌を耕すために(後編)

心の土壌を耕すために(後編)

前回は、感動データベースによって心が生まれることと、感動データベースの蓄積がもたらす弊害について書きました。

心の土壌とは、感動データベースのことです。つまり、感動データベースの蓄積がもたらす弊害とは、心がガチガチになっている状態を指します。

感動体験の捉え方は人それぞれの体験や感性が大きく影響していると思いますが、それをデータベースに蓄積する時、

受け取る人の心がガチガチになっていて、ここ

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心の土壌を耕すために(前編)

心の土壌を耕すために(前編)

クリエイティブにまつわる様々なことについて「自由な発想が大事だ」とか「豊かな想像力がないといけない」とか、色々なことが言われがちですよね。

一般的に、それらは思考や感覚的センスによって導き出されるものとして考えられ、自己啓発本やセミナーなどでは、思考法や感性の使い方だったりをレクチャーされることが多いのではと思います。

ビジネスのシーンやクリエイティブのシーンで、それらを活用することは大いに役

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夏目漱石すごすぎ。マジ卍。

夏目漱石すごすぎ。マジ卍。

夏目漱石といえば元千円札紙幣の人である。日本を代表する文豪で、代表作は『吾輩は猫である』である。

「吾輩は猫である、名前はまだない。」

この冒頭はあまりに知られ過ぎている。だから、読んでもいないのに、読んだ気になっている人もいるかもしれない。

冒頭の文章における世界観や言葉のチョイスが秀逸すぎて、読了していないにもかかわらず、その文学世界を勝手に想像し、勝手に満足してしまい、読んだ気になって

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【2020年版】誰からも望まれていない例のやつ(小説・漫画編)

【2020年版】誰からも望まれていない例のやつ(小説・漫画編)

誰からも望まれていないのですが、毎年やっているその年に観た映画、聴いた音楽、読んだ小説と漫画の4部門でNo. 1だった作品を紹介するやつをやります。今回は、小説と漫画編です。

とは言え、今年は小説1冊しか読めてませんでした。ビジネス書や自己啓発本は結構読んだのですが、結局、村田沙耶香『コンビニ人間』しか読了してないです。そして、読み終えようと思っていた川上未映子『夏物語』も途中で止まってしまって

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