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【採用/組織】会社への愚痴を言う人は何なのか?

こんにちは!
都内の某採用・組織コンサルティング会社勤務の奈良です。

今日は「会社への愚痴を言う人は何なのか?」というテーマで、愚痴に関する問題や、場合によってはその先に起こりうる離職といったリスクについて考えていきたいと思います。

愚痴の正体

いきなりですが、質問です!

「そもそも愚痴とはなぜ生まれるのでしょうか?」

いろいろな解釈にもとづく考え方があると思いますが、個人的には大きく3つあるのではないかと思いますので、1つずつ見ていきましょう。

①期待値とのギャップ

1つ目は「期待値とのギャップにより生じる」という考え方です。そもそも本人の中での何かしらの期待値や理想に対して、「現状が見合っていない…」と感じるとギャップが生じます。このギャップがマイナスの感情へ向いてしまうと、愚痴という形で表出するのではないかと思うわけです。

ここについては、大前提としては「採用段階のミスマッチを是正する」というのが中長期的な解決手法になります。たとえば会社からの発信する情報を、よりリアルで生生しいこともしっかり発信したり、逆に期待値を調整できる形の求人の打ち出しをすることで流入してくる層を変えることができます。

また、入社後については「期待値を双方で調整しなおす」ということも1つの手段です。分かりやすい例ですと、「管理職ではない今のポジションで働きたい」という本人の期待が大きいのであれば、そのポジションに見合った給与や働き方、業務比率に調整してあげるのも解決策になります。しかし、もちろん会社のフェーズに応じてそこまで対応できないケースも往々にしてありますので、そこは入社段階での双方の期待値調整が甘かったことが一番のボトルネックだと思います。企業側は適切な情報発信を見直す必要性がありますし、逆に入社する側も入社予定企業について労働条件や期待成果を確認して入社する責任があります。厳しいかもしれませんが、ここは双方の責任と捉えるのが良いかと個人的には思います。

②シンプルに成果が出ていない

2つ目はシンプルです(笑)「成果が出ていない」ということです。仕事は成果が出ると楽しいです。逆に、成果が出ないと苦しいですし、人間ですのでどうしてもマイナス感情は生まれやすくなります。

ですので、解決策としては「成果を出す」ということ。特に、上司からの指示で「やらされ感で出た成果」よりも、「自ら考え、試行錯誤の末に生み出した成果」のほうが、さらに仕事の後味を感じやすくなります。つまり、本人が能動的に考え、自ら意思決定をし、自分でトライ&エラーをした先に成果という「達成感」を感じられると、プラスの肯定的感情が生まれやすくなり、結果として愚痴も生まれづらくなります。

ただ、一定は「形」から入ることが重要なケースもあります。ですから「結果はやった後に分かるから、一緒にやりきろう。」とDO(行動)をやりきらせることも時には必要です。もちろん大前提は、それを伝えた際に信じてくれる上司と部下の人間関係/信頼関係があってこそですが。

特に部下を持つ上司であれば、上司としての役割は「自分1人では生み出せない成果を、他力を使って生み出すこと」であり、そのためには部下を「資源」ではなく、「資本」として捉え、どのように一人一人を輝かせられるかが問われます。「使える/使えない」という言葉を部下に対して使うのは失礼かつ下品ですし、理想の上司とは「どんな人でも輝かせられ、成果を出せる人」なのだと思います。そういった意味では、上司の責任は非常に大きいと思います。

③相談できない関係性

3つ目は根深いですが、上司や経営陣に相談できる関係性ができていないケースです。どういうことかというと、理想は「今こんなことにモヤモヤしていて…一緒に解決できるように相談に乗ってほしいです…。」と部下から上司や、場合によっては経営陣に事前に相談がくる状態が好ましいと思います。しかし、愚痴が生まれているということは、本来その当事者よりも問題を解決できる権限や立場にある上司や経営陣に相談ができる状態になく、しょうがなく同僚や、場合によってはネット上で愚痴を発散する状態になってしまっているのです。

同僚に相談するケースなどはまだ会社として状況をキャッチアップできる可能性があるため手の施しようがありますが、ネット上の口コミでストレス発散で愚痴を書くようなケースは、会社としても本人に対して支援の手が差し伸べられませんし、本人の精神衛生上も健康的な状態とは言えないでしょう。こういったケースでは、1つは本人の人間性として「攻撃性」「他責性」「承認欲求」などが強いケースが想定されます。これは正直、採用段階で見抜けると理想的ではありますし、正規雇用の前段階でお互いのマッチングを計れるのが好ましいです。一方で、そういった関係性を創り出してしまっている上司側の責任も大きいです。いずれにせよ建設的に議論をするためにも、初期段階で双方が歩み寄ることが大事だと思います。

問題解決できる立場の人に相談しないということは、問題解決につながらない非効率的な行動をとってしまっているということです。つまり、これ自体がとても大きな問題です。ですから、まずは相談できる人間関係、ひいては「信頼関係」の構築からアプローチすることが必要になります。「腹を割って話しましょう」ということですね。

愚痴からの離職をどう捉えるか?

では、最悪のケースとして、愚痴からネガティブ感情が解決されぬまま、離職になることも起こりえると思います。ここについてはどのように考えていくべきかを一緒に見ていきましょう。

まず大前提として、「人は辞めるものである」ということです。

どんな大企業でも、名だたる素晴らしいとされる企業でも、さらにはベンチャースタートアップ企業でも、人が辞めないということはないと思います。そもそも定年退職もありますし(笑)

ですから、「人は辞めるものである」という前提に立ったうえで、組織運営を長い目線で考えていくことが求められます。この際のポイントは「離職率」ではなく「活躍率」に目を向けるということです。そもそも組織とは、多様なバックグラウンドや個性、考え方のある個人の集合体です。ですから、そのようなカオスな状況の中でも折り合いをつけ、全員で目的や目標を一致させていくということは、前提として非常に難易度の高いことをしているのです。そのうえで大切なことは、組織が拡大するなかで「組織の濃度を保つ」または「組織の濃度をさらに高める」ということ。そのためには、離職率や定着率といった指標ではなく、「活躍率」で組織の状態を捉えていくことが必要なのです。成長を志す限り、常に会社も変化をしますし、そこで合わなくなる人は一定数は出てきます。ここは大前提として押さえておかなければ、離職率や定着率といった表面上の数字に踊らされる経営になってしまいますので、注意が必要だと思います。

人は辞める。だからこそ、誰もが輝ける環境を、みんなの力で目指し、作り上げていく。そんな取り組みこそが素晴らしい状態なのではないでしょうか。

クロージング

最後に、愚痴といったネガティブな世界ではなく、せっかく一度きりの人生ですし、会社としても貴重な命となる時間やお金をトレードオフでお互いに投資し合っているわけなので、ポジティブな状態を共に目指していきたいものです。

特に新人期間は「隣の芝が青く見える」こともあると思います。ただ、「隣の芝は青く見えるけど、実は思ったほど青くはなかった。」ということはよくある話です。かく言う私の会社も、入社当初のカオスベンチャーの時代から成長し、環境もブランディングも整ってきていますが、とはいえ中はまだまだ伸びしろだらけなのが実態です(笑)

理想の会社の追求に、終わりはありません。大事なことは「欠け」に目を向けることではなく、「在るもの」に目を向けることなのではないでしょうか。老子の言葉を借りれば、「足るを知る」を意識できるようになることで、みんなが幸せになれるのかもしれませんね♪

最後までお読みいただきありがとうございました!

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