Uniearth

カナダBC州在住20年。10代の頃からことばつむぎはライフワーク。BC州の自然に癒やさ…

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カナダBC州在住20年。10代の頃からことばつむぎはライフワーク。BC州の自然に癒やされ鍛えられる日々です。元エンパスの2児の母。人間よりたぶん動物が好き。あんまりキャパシティがないくせに猫2匹と犬1匹と暮らしてます。

マガジン

  • シュタイナー教育(3才〜7才まで)

    息子・娘とも1.5歳〜キンダーガーデンまでWaldorf Schoolに行っていました。その後息子は公立学校に、娘はWaldofr school在籍中です。ナゼ息子は公立へ、ナゼ娘は継続なのか、そんな軌跡も合わせてシュタイナー教育のあれこれを集めた記事です。

  • ことばつむぎ

    心の琴線に触れた出来事を綴っています。ほっ、としたい時にどうぞ♡

  • カナダ暮らし

    カナダ西海岸で暮らしています。魔女岩の麓、パワフルな街の日常を集めた記事です。

  • 心に響いたnoterさんの記事

    自分には書けない!素敵なnoterさんの記事を集めています。 ちょっとクスっとしながら、余韻を楽しめる話が好物です。

  • キャンプ&旅エッセイ

    BC州多めですが、旅行エッセイまとめです

記事一覧

固定された記事

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生涯猫派犬を飼う⑧ さよならステラ

このシリーズを最後に書いてからだいぶ経ってしまった。 実は、3ヶ月ほど前に姉妹猫の片割れ、ステラを手放した。 そのときにその心情で書いた下書きの記事があるのだが…

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12歳になる娘がピアスを開けたい、と言ってきた。 実は娘は7歳くらいのときから、次の誕生日にピアスを開けたいと言い続けて、結局勇気が出ず今に至っている。 しかし今…

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昨日は、娘のG6(小学6年生)の卒業式だった。 去年から近所の公立学校に転校し、たくさんの新しい友達ができて、とても充実した小学6年生だった。 転校した、というの…

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10か月前
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生涯猫派 犬を飼う⑦  真夜中の脱走

午前1時30分。 ジンジャーが夜中にトイレに行きたいというので、寝ぼけたままベランダに向かい、ジンジャーを外に出した。 用を足したジンジャーをそろそろ中に入れようと…

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ライフ・ステージ

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生涯猫派 犬を飼う ⑥ プードルを侮るなかれ

我が家のジンジャーくんは臆病だ。 うちの目の前から近所の土手までいって河原を歩いて帰ってくるのが定番の散歩コース。もう確実に100回以上は歩いているのだが、いま…

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生涯猫派 犬を飼う ⑤ 猫のストレス

前回の記事で書いた通り、猫と犬の顔合わせはうまくいき、その後もそれなりにうまいこと共存しあえているように思えた。 強いて言うなら、やっぱりジンジャーが猫を追いか…

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1年前
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生涯猫派 犬を飼う④ 猫と犬が出会う時

先住猫のいる家に、子犬を迎え入れるにあたっていろいろと準備をした。 一番配慮したのは、それぞれの空間をわけることと、先住猫の生活を崩さないようにすること。 最初…

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生涯猫派 犬を飼う ③パピー・ブルー

子供の頃、縁日が大好きだった。 お目当ては景品のヒヨコ。 ほわほわの小さなヒヨコを持って帰ってこたつの中で育てるのだ。 今思うと、生きたヒヨコが景品なんてゾッとす…

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1年前
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冬の精霊の帰る場所

冬の精霊の帰る場所

*第二回The cool noter賞の海外部門にて受賞した作品です*

最後にあの地を訪れたのはもう10年も前になる。
その間に幾度となく再訪しようと思っては挫けた。
再訪できないのには理由があった。

私が失ってしまったから。
あの時の輝きを、あの時のピュアさを、あの時見ていた世界を。

息が白くなり、ハラハラと雪が舞い落ちる頃になると想う。
彼はまだあの地にいるだろうか。

冬の精霊の帰る場

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わたしの母の日

わたしの母の日

今年の母の日は子育て始まって以来の最高の母の日だった。

母の日の2日前の金曜日、わたしの住む街にもウルトラ級のオーロラが出現した。

オーロラと言えなくもないぼんやりとした蜃気楼みたいな薄いオーロラは見たことはある。だけど、こんなの初めてだ!

子供と夫がマットレスを各部屋からひきずりだしてデッキの上に置き、みんなで毛布にくるまってギャアギャア騒ぎながら空を見上げた。

運転しているとたまに雲の

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人生の半分を祝う会

人生の半分を祝う会

人生90年とすると私はもう人生の半分を生きたことになる。

ハーフバースデイ、七五三、お誕生日、成人式と若い時にはいろいろなお祝いがある。

でも、人生の半分あたりまで年齢を重ね、今こうして生きていることももっとお祝いしてもいいのではないか。

若い時は未来を見ていた。

人生の半分までくると少し過去を振り返ってみたくなる。
自分の歩いてきた道や世の中の軌跡を。

よくここまできたじゃないか。

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少年よ、学校をさぼってどこにいく

少年よ、学校をさぼってどこにいく

息子のG9(中学3年生)の2学期がまもなく終わろうとしている。

私の住む街は、珍しく日本と同じ6-3-3制の学校体制で、息子も娘も街にひとつしかないマンモス中学校に通っている。

この学校の評判がよろしくないことは長年聞いていたが、まー、聞きしに勝る学校生活である。

よく海外と日本の教育を比べて日本の教育の融通の利かなさを嘆くような日本語の記事を目にするが、中学校以降に限ってはこっちの学校って

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アジアン・マム

アジアン・マム

小さな小学校から全校生徒700人の中学校に上がった中学1年生の娘に、反抗期の兆しが見えはじめている。

今まではそれこそ、私と一緒に旅行や買い物に喜んでついてきてくれた娘も、最近はママはタクシーと言わんばかりに、自分が行きたいところに友達と一緒にドロップオフして、用が済んだら迎えにきてくれさえすればいい、みたいな空気に変わってきた。

最近は、ちょっとプールに娘を送りに行くだけなのに「そのサンダル

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生涯猫派犬を飼う⑨ 猫は液体、では犬は...?

生涯猫派犬を飼う⑨ 猫は液体、では犬は...?

ついこのあいだ「猫は液体」という言葉を知った。

これは「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられる、ノーベル賞のパロディ、イグ・ノーベル賞を受賞した2017年の研究だそうだ。

これはなかなか言い得て妙で、猫を飼っている人は誰しもがあの猫の「液体のような体」に癒され、そして時に困らされていることだろう。

猫の体が柔らかいのは有名だが、擬態語で表すならは

「ぐにゃん」「ぬるん」「びよーん」「むに

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生涯猫派犬を飼う⑧ さよならステラ

生涯猫派犬を飼う⑧ さよならステラ

このシリーズを最後に書いてからだいぶ経ってしまった。

実は、3ヶ月ほど前に姉妹猫の片割れ、ステラを手放した。

そのときにその心情で書いた下書きの記事があるのだが、感傷的で言い訳がましく今読んでみると読むに耐えない。
あのとき投稿せずに寝かせておいてよかった。
客観的に見れるようになった今の方が上手に話せると思う。

さて、姉妹猫の片割れであるステラが、姉猫のソフィーと犬のジンジャーと折り合いが

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円安といわれる日本から

円安といわれる日本から

日曜日の夕方6時に「ちびまる子ちゃん」を見ながらこの記事を書いている。

まるちゃんのお姉ちゃんの声優さん、変わったんだなあ。

なんて。

日本に住んでいる人にとっては当たり前のこの日曜日の夕方が私にとってはいとおしい。

ここ数年、一時帰国のたびに日本を去りがたく辛い気持ちになる。

郷愁というのか望郷というのか。

円安円安といわれる日本だが、東京に限ってはそんなに安いとは感じなかった。スー

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初めてのピアスと過保護な親

12歳になる娘がピアスを開けたい、と言ってきた。

実は娘は7歳くらいのときから、次の誕生日にピアスを開けたいと言い続けて、結局勇気が出ず今に至っている。

しかし今回は本気のようで、明日あさってにでも開けたいらしい。

私の住む地域では(というかおそらくカナダ全土で)、5歳くらいからピアスを開けている子もいるし、学校にネイルアートをしていっても何も言われない。

そんな環境なので、娘の友だちは全

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さよなら、シュタイナー学校

さよなら、シュタイナー学校

昨日は、娘のG6(小学6年生)の卒業式だった。
去年から近所の公立学校に転校し、たくさんの新しい友達ができて、とても充実した小学6年生だった。

転校した、というのも娘はキンダーガーデンから5年生まで近所のシュタイナー学校に通っていた。
2歳上の息子もまた、赤ちゃんの時から小学1年生までシュタイナー学校に通っていた。

2人をシュタイナー学校に入れたのは、私の意思だった。
私がシュタイナー教育に惚

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生涯猫派 犬を飼う⑦  真夜中の脱走

生涯猫派 犬を飼う⑦  真夜中の脱走

午前1時30分。
ジンジャーが夜中にトイレに行きたいというので、寝ぼけたままベランダに向かい、ジンジャーを外に出した。

用を足したジンジャーをそろそろ中に入れようと思ったその一瞬の隙をついてステラがベランダに飛び出した。

あっ!と思ったのは私だけではなかった。
ジンジャーも体でステラを止めようとしたのだけれど、白くてしなやかな体がベランダの柵をすり抜け、闇夜に消えていった。

あー、しまった〜

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ライフ・ステージ

ライフ・ステージ

バンクーバーに向かう途中だった。
娘がアームレストの中で長い間眠っていたCDのかたまりから、一枚選んでデッキに入れた。

そのCDは13年前にママ&ベイビークラスでもらった、幼児むけの歌、Nursery Songが詰まったCDだった。
子どもたちが学校に上る前に何回も何回も聴いた曲。
曲にあわせて幼かった子供たちをくすぐったり、手遊びをしたり、踊ったり。

全く覚えていない、という娘。
あなたが小

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生涯猫派 犬を飼う ⑥ プードルを侮るなかれ

生涯猫派 犬を飼う ⑥ プードルを侮るなかれ

我が家のジンジャーくんは臆病だ。

うちの目の前から近所の土手までいって河原を歩いて帰ってくるのが定番の散歩コース。もう確実に100回以上は歩いているのだが、いまだに道路を歩けない。トレーナーさんにもお願いして、あの手この手を使って、散歩を祭りのごとく盛り上げてはいるのだけれど、うまくいかない日もまだ多い。

車の音にもなかなか慣れず、そのたびにおやつで気をそらしてあげないと固まったまま動けなくな

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生涯猫派 犬を飼う ⑤ 猫のストレス

生涯猫派 犬を飼う ⑤ 猫のストレス

前回の記事で書いた通り、猫と犬の顔合わせはうまくいき、その後もそれなりにうまいこと共存しあえているように思えた。

強いて言うなら、やっぱりジンジャーが猫を追いかけてしまう。
だけど、これも来てくれていたトレーナーさんに相談してからよくなってはきていた。

じゃあ猫の方は嫌がっているのかというと、そうともいえない。
追っかけられて、高いところに逃げてはまた降りてくるのである。



猫のストレス

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生涯猫派 犬を飼う④ 猫と犬が出会う時

生涯猫派 犬を飼う④ 猫と犬が出会う時

先住猫のいる家に、子犬を迎え入れるにあたっていろいろと準備をした。
一番配慮したのは、それぞれの空間をわけることと、先住猫の生活を崩さないようにすること。

最初の1週間は、ジンジャーは1階の部屋で過ごし、24時間誰かがその部屋にいるようにした。
夏休みだったこともあって、この点は難なくクリアできた。

これは、ジンジャー用のプレイペン。
水平にバーが入っているものだと、犬がよじ登ってしまうとのこ

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生涯猫派 犬を飼う ③パピー・ブルー

生涯猫派 犬を飼う ③パピー・ブルー

子供の頃、縁日が大好きだった。
お目当ては景品のヒヨコ。
ほわほわの小さなヒヨコを持って帰ってこたつの中で育てるのだ。

今思うと、生きたヒヨコが景品なんてゾッとするし、そもそも「生ききらない」ことを前提にしてるのかな?と思うともっとゾッとする。
何匹育てたか覚えていないが、どの子も途中で息絶えてしまった。

そんな昭和の終わりに、酔っ払った父親が、飲み友達の家で産まれた子犬をもらって帰ってきた。

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