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ことばつむぎ

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心の琴線に触れた出来事を綴っています。ほっ、としたい時にどうぞ♡
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記事一覧

ジグソー・パズル 2007

ジグソー・パズル 2007

美しいグラスが地面に落っこちて粉々になったみたいに、お母さんの子宮から出て、この世に落っこちてきた瞬間に、わたしは何千ものピースになって散らばった。

世界中に、
見えない世界に、
自分の中に散らばった「わたしのピース」を探しだして、パズルを完成させることが、人生なんじゃないかと思うことがある。

すぐに見つかるピースもあれば、なかなか見つからないピースもある。

タイミング、根気、ひらめき、人が

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グレーシャー•ブルー未来に残したい風景

グレーシャー•ブルー未来に残したい風景

冬に雪が降るのは当たり前のことだ。

当たり前のことだった。

雪は冬の間にたまに降るものだ。

この15年の間に、毎夏、最高気温が更新され続け、氷河はみるみる後退した。
2万年という地球の歴史が、溶けて消える。

海の中に。
大気の中に。

跡形もなく。静かに。

昔、小さな氷河をジップロックに入れてこっそり持ち帰ったことがある。
冷凍食品や水道水の氷に紛れて冷凍庫で眠る、2万年の記憶。

焼酎

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空耳だとしても

空耳だとしても

体に電気が溜まっている。

帯電

体電

コロナもあってあまり外出もできずにいる。
雨が多くて寒いBC州。
つい家の中でコンピューターや携帯の画面を見続けて1日が過ぎてしまう。

体に溜まった電気のせいか、湿度が低いせいか、毛が逆立ち頭の中がゾワゾワする。

せめて地面に足をつけよう、と思って素足のまま小雨の中、庭に出て、芝生に足をつける。

息を吸って、吐いて。上半身を伸ばしたり、足を伸ばした

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結局、人は人に救われる

結局、人は人に救われる

窓を叩きつける風
横殴りの雨
霧に包まれた朝
風と雨で木から剥がれ落ち、茶色くなった葉っぱを踏む
毎年雨のハロウィン
だけど、今年は晴れ46年ぶりの満月

ピローケースをバッグ代わりに5kg分のキャンディーを集めた息子は、特大チョコバーがいくつ入っていたかを友達と競い合う。
その横で娘はお菓子の山の中から高級チョコレートを探し出し、口に頬張る。

この日、私と夫がハロウィンにもらったのは、キャンデ

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ある友人の詩

ある友人の詩

美しいものしか見たくないと思っている君。
それはけっして悪い事ではない。
美しいものしか見せたくないと思う君。
それはけっして悪い事ではない。

人が人生を歩む上で、
美しいものしか手にしていない人などまずいないだろう。
君にもそれはわかっているはず。

林檎の木に美しい実だけを稔らせたい。
枯れ葉や腐った果実は美しくないから摘んでしまおう。
この木には、美しくない実が出来てしまったから、切り倒し

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波紋 = HARMONY

波紋 = HARMONY

自然界に直線でできているものは存在しない。

全てが曲線をおびていて、

その曲線は、そのものの光と影、個性を物語っている。

曲線があるがゆえにひとつとして同じものは存在しない。

そのなかでも、波紋はその完成体、ハーモニーの象徴だと思う。

わたしは波紋が好き。

だって、あんなに美しい円を、
どんなきっかけからも生み出すことが出来るのだから。

雨が降り、やがて水蒸気となり、また雨となって地

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うどんシンクロニシティ

うどんシンクロニシティ

うどんからは遠いところにいた。

サンドイッチを作ろうと思っていたのだ。アボガトを潰して、フェタチーズとウォールナッツをふりかけ、最後にバルサミコ酢で上から曲線を描く。
友人夫婦にも「ランチにはサンドイッチ作るね!」と宣言していた。

だけれど、前日の夜に奥さんから
「ごめん、言い忘れてたけど私ナッツとオーツアレルギーなんだ」
というメッセージがきた。
その時点では、大丈夫大丈夫、ウォールナッツを

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ピアノレッスン

ピアノレッスン

物心がついた頃からピアノを弾いていた。

ピアノを弾いていると無になれた。

初めは何度も練習して指と頭で曲を覚える。
楽譜を見なくても弾けるようになった頃から、
音に心をのせていく。
何も考えないでただただ、心をのせてピアノを弾く。
そういう感覚が好きだった。

実家のピアノは、10年以上調律されていないアップライトピアノだった。
全体的に音がずれていて、中でも「ラ」の音が思いっきし狂っていた。

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秋の空 ー夕焼けアラート発令中!ー

秋の空 ー夕焼けアラート発令中!ー

秋の夕焼けは、ほーんとに綺麗。
ピンクと群青色の空。
あまりの美しさに、
リアルワールドのものとは思えなくて
心が異次元にトリップしてしまう。

パワフルな夏の間は、一息つくような暇もなかったけど、
秋は、空を見上げたり、森を感じたり、
そういう時間が、オートマティックにやってくるので好きだなあ。

Autumn Awareness

芽吹きの勢いを経て旬を経験した後の、
枯れていくまでの長い道

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地球の未来のために守るべき種

地球の未来のために守るべき種

環境破壊から未来の地球を守るためには、絶滅の危機にある一つの種を守り、育てていかなければならない。
その種とは「自然の中で遊ぶ子どもたち」である。

If we are going to save...the environment we must also save an endangered indicator species: the child in nature."

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幸せを見つける才能

幸せを見つける才能

亡くなった、私の父は、才能があった。
「天才」と呼ばれる部類に入るといっても、許されるだろう。

しかし、振り返ると、大変な人だったなあーと思う。
父の実姉ですら、亡くなった時に、
「この世の中では彼は相当に生きづらかったから、おばあちゃんのところに行けて良かったねえ」と言うほどだった。

ピュアな故の生きにくさ芸術やITや科学の分野で、「天才」と呼ばれる人は、得てしてピュアで自分に正直であるよう

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倒しておく8本の柱

倒しておく8本の柱

おから再活研究所の松田由己さんのブログの「倒しておく8本の柱」という記事がとても響いたので紹介したいと思います。

松田由己さんは、私の長年の友人の、長年の友人で、日本中、そして世界中、数年前にはここバンクーバーでも「おからで作る味噌ワークショップ」を開くなど、廃棄物となってしまうおからを通して、食について文字通り活動的にあちこち飛び回っていらっしゃいます。

万人の人にとっても、自分軸で生きるた

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演じるのをやめよう

演じるのをやめよう

NetflixでLady Gagaのドキュメンタリー、"Five Foot Two"をみた。

Lady Gagaといえば、"キレたファッションでパフォーマンスをするPop界の女王。"という印象で、今までほとんど興味がなかった。

ありきたりな表現ではあるけれど、ドキュメンタリーを見てから、今更ながらLady Gagaのファンになった。とても愛おしい人だなと思った。
彼女のファッションは、Pop業

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森を見て樹を見ず

森を見て樹を見ず

今に始まったことでもないんだけど、今年は”消費”し過ぎてしまったなと反省。ここでいう消費は、お買い物意味ではなくて。

今や、youtubeなどで音楽やら動画やら無限にアクセスできてしまうので、
気に入ったものに深く入り込んだり、味わったりってのが減ってきてませんか?

音楽って、記憶と繋がってますよね。
例えば、ハタチで失恋した時は、椎名林檎ヘビロテだったなあとか。
スノーボードにハマってた時は

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