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チームコーチング

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パートナー、家族、組織等人と人との「間」にある対立、行き違い、コミュニケーション不全等の解消、チームとしての機能回復、向上のためのチームコーチング・コンサルティングを行っています… もっと読む
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#人材育成

研修を「よかった」という満足で終わらせないために

研修を「よかった」という満足で終わらせないために

今回は研修を「よかった」という満足で終わらせないためにということで
書いてみたいと思います。

研修を実施すると、受講後のアンケートで参加者の満足度を確認すると
いうことがよく行われています。

「今回の研修に満足しましたか?」ということを5段階評価などでお伺いするというものです。

もちろん、受講者の反応が気になるのは当然ですので、この質問で研修を評価するのは理解できます。

一方で、研修評価の

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ワクチン接種を受けるべきか、異なる考えの相手と話すときに心がけること

ワクチン接種を受けるべきか、異なる考えの相手と話すときに心がけること

感染力が強いデルタ株によって、全国的にコロナ感染者が増えています。

政府はこれまで以上にワクチン接種を推奨をしていますが、国際医療福祉大学の和田教授の調査によると、20代男性の27%、女性の38.7%、50代でも男女ともに17-18%の方がワクチン接種について様子を見ると回答されているそうで、相当数の方が接種に前向きでないことがわかります。

もちろん個別に事情はあるでしょうから、接種しないこと

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人の熟達は努力か才能か。オリンピック選手を観て考える

人の熟達は努力か才能か。オリンピック選手を観て考える

紆余曲折あったオリンピックがいよいよ開催されています。
皆さまご覧になられているでしょうか。

オリンピックということもあり、ふと思い出した話があります。
もう10年以上前になるのですが、とあるシンポジウムで聞いた話をご紹介したいと思います。

人の熟達は「努力なのか才能なのか」というテーマで、熟達を研究されている大学教授と元陸上選手の為末さん、オリンピック候補の現役アスリートの方がパネルディスカ

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やっぱり今も部下と面談をすると、心の奥底では怖いんだよ。
何を言われるか、批判されるんじゃないかって気持ちがあるんだ

やっぱり今も部下と面談をすると、心の奥底では怖いんだよ。 何を言われるか、批判されるんじゃないかって気持ちがあるんだ

先日、1on1を推進しているとある管理職の方が、次のような話をしてくれました。

「コーチングやカウンセリングを学び、現場で長年実践してきたけど、
やっぱり今も部下と面談をすると、心の奥底では怖いんだよ。
何を言われるか、批判されるんじゃないかって気持ちがあるんだ。」

その方は数年前にメンバーの離職が続き、チームが不振に陥ったことを重く受け止め、それ以来、一度相手の話を真剣に聴いてみるということ

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振り返りのコツは「なぜ」ではなく「何が」そうさせたのかを考える

振り返りのコツは「なぜ」ではなく「何が」そうさせたのかを考える

前回、人はなぜ言っていることと実際にやっていることがズレるのか
ということを取り上げました。

たとえば、
「人は無自覚の偏見を持つものです。」
「皆さん周囲の上司や同僚、部下をすっかり固定化された印象で見ていませんか?」と研修などでお伝えしたとします。

多くの人は、それを聞くと
「確かに自分もそういうところがあるな」
「印象ではなく事実で判断しなければ」

と、自身を振り返り、今後は気をつけよ

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”言っていること”と”実際にやっている”ことの差に気づけないことが人材育成の難しさである

人材育成や組織開発の仕事をしていると、つくづく人が変わるのは難しいと身に沁みます。

「研修なんて意味がないよ」、「どんなに衝撃的な気づきがあっても、
職場に戻ってしばらくしたらすっかり何事もなかったかのように元通りだ」
という批判の声は昔からずっとあります。

現場は忙しく、目の前のことに追われているうちに、思考も行動も、
すっかり元の習慣に戻ってしまうということは仕方のないことです。

これは

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”会社”の為の人材育成は終わっていくかもしれないという話

”会社”の為の人材育成は終わっていくかもしれないという話

最近、コーチングを提供する会社、個人が非常に増えています。

コーチングはCTIジャパン、コーチエイ、ビジネスコーチ社などいくつかの
有名な会社が2000年頃からスタートして徐々に普及してきましたが、
経営層か人事が受ける他は、研修の場で一時的に受講者が受けるという
程度に留まっていたように思います。

それが、ここ最近はビジネスマン、中でもマネジメントをする人、
自分の目標を持っている方など一般

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コロナの状況でこそ、本業を磨くことが大事だと思う

コロナの状況でこそ、本業を磨くことが大事だと思う

今年最後のnoteです。年末を迎え、皆様お忙しくされていることと思います。

今年の漢字は「密」だということですが、コロナ対応に追われているうちにあっという間に一年が過ぎたという感想をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

私の知人にスーパーマーケットで販売員をしている20代の女性がいます。
お店はコロナの影響で大きく売り上げが減って苦しい状況にあるようです。

少しでもコストを抑えたいというこ

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あなたが何を言うかではなく、どんな人であるかを見てきた

あなたが何を言うかではなく、どんな人であるかを見てきた

今回は、存在承認とマネジメントについて書いてみたいと思います。

私はこれまで、転職や異動を通じて何人かの上司にお世話になってきました。また、仕事柄、比較的たくさんの経営者の方と接する機会がありました。その意味で、様々なスタイルの社長、マネジャーを見てきた方だと思います。

もちろん、皆さん魅力ある方ばかりなのですが、
時に、「この人についていきたい」と心から思わせてくれるような方に
時々出会って

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マネジメントをしていると、相手の分析だけになりがちである

仕事柄、マネジャーの皆様とこれからのマネジメントの方針を一緒に検討する機会が多くあります。

先日、人事異動で新たな部署に着任されたマネジャーの方とお話をしました。

その方は、年上を含む10人前後の部下を受け持つことになったのですが、
メンバーの中に一人、感情的に反発してくる人がいて大変困っているという
ことでした。

会議をしていても、

「その方針には賛成できません」
「そんなことに取り組ん

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70歳まで働く未来。技術的問題ではなく適応課題と捉えてみるとどうか

70歳まで働く未来。技術的問題ではなく適応課題と捉えてみるとどうか

最近、長年の雇用環境を変化させる政府や経済界からの働きかけが
如実に増えてきました。

経団連による就職協定の廃止

外国人就労拡大、首相が表明
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31413180V00C18A6MM8000/

企業の継続雇用「70歳」に引き上げ首相が表明
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6300944

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自発性は環境によって育まれる「自己学習能力を育てる」より

自発性は環境によって育まれる「自己学習能力を育てる」より

組織の中で、どうすれば社員が自発的に学び、動いてくれるのか

マネジメントをする人であれば、だれもが関心のあることではないでしょうか。

慶応大の波多野先生が書いた「自己学習能力を育てる」では、
人がどのような環境に置かれると自発的な学びが促進されるのか、
過去行われた様々な科学的実験結果が紹介されています。

1980年に出された本と古いですが、人の発達や心理に関する過去の知見が
整理されており

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課題は「人へ投資した」というところから「成果が出た」という因果関係の間が遠いこと

課題は「人へ投資した」というところから「成果が出た」という因果関係の間が遠いこと

最近働き方改革というキーワードをよく聞くようになりました。

この言葉の捉え方は様々で、業務改善や効率化、残業規制、オフィス環境や人事制度等々ビジネスチャンスにしたい企業が、各々自社のソリューションに引き付けてアピールをしているように思います。

どう解釈し取り入れていくべきか、まだまだ模索中かとは思いますが、
これほど「働き方を見直す」という機運が高まったことはこれまでなかったように思います。

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研修しても変わらないのは、スムーズに研修を終えているからかもしれない

研修しても変わらないのは、スムーズに研修を終えているからかもしれない

先日、書類の整理をしていると、自分がここ1,2年、ある組織向けに試行錯誤して作成した資料がたくさん出てきました。

見ていると、現場のオペレーションをどうすればよいか、何度も業務フローを作り直してきた跡が見られます(笑)

今は経営的に落ち着いて大きな業務変革の必要はなくなったのですが、当時は日々赤字の状態で、なんとか現状を変えていかなければと苦労しました。

振り返るとつらく大変だったのは、書類

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