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長男長女とは。そして不登校日記

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うちの一番上の子について。しっかり者で良いけれど真面目過ぎて大変そう。きょうだい児&親が気を抜くとヤングケアラー予備軍。最近は不登校。
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旅立ちの日のその前に(不登校日記4&離婚調停3)

旅立ちの日のその前に(不登校日記4&離婚調停3)

山村留学が正式に決まった。

いや、実を言うとまだ夫からのクレームは続いているのだけれど、決まりましたよね、決まっていないと困りますよね、という今日はもう三月下旬。

三月の調停は、転出手続きをとらなければならない2週間前という日程で、ここで決まらなければ次の調停は四月以降、つまりもう新学期に間に合わない、という、かなり危ない橋を渡るスケジュールだった。

そしてその三月の調停から遡ること一週間前

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義務教育の限界

義務教育の限界

ニンタは知的障害があるので、支援級に所属している。現在小学校4年生で、中学になってもそれは変わらないのだけれど、先日中学の支援級を見学する機会があり、そこでずっと私が我慢していた何かがバーンと弾けてしまった気がしている。



中学では、小学校よりも更に支援の手が薄くなると聞いていた。なるほど、言われた通り、交流級との行き来は減ってしまうし、規則も多くなる。

そして小学校よりも更に長時間になる

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いざ、山村留学

いざ、山村留学

山深い無人駅に単線電車が停まる。降りる人も乗る人も居ないのに、この駅はなぜあるのか。

そういう秘境駅も存在する静かな村に、引っ越すことにした。私とこども三人、親子四人で。

往来のない駅こそあるものの、中心地にある駅や里は明るく、学校は建て替えたばかりで新しい建材の香りがする。児童数は少なく、中学生から小学生まで入り混じってサッカーをしているところに、私達親子も混ぜてもらって、見知らぬ訪問者に村

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さよなら、しまっじお。

さよなら、しまっじお。

いっちゃんが「しまじろう」に夢中になるまで、あっという間だった。生まれてすぐに「資料請求の方に、お名前シールを無料プレゼント!」の文句につられて個人情報を提供して以来、お試しDVDが定期的に届く。

「しまっじお!しまっじお!」1歳で言葉を話せるようになってから、1日何度もしまじろうのお試しDVDを見せろとせがむ。そのうちに「しまじろうの教材で歯磨きがこんなにスムーズに!」「オムツはずれ応援スペシ

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一人ぼっちの、いっちゃん

一人ぼっちの、いっちゃん

1番上の子、いっちゃんと久しぶりに二人で出かけた。下の二人の子育てに手がかかるので、いっちゃんと二人になる時間は、意識しないと作ることができない。

近場だったので自転車で行くことにした。さあ出かけよう、とすると、いっちゃんのタイヤに空気が全然入っていない。「いつから入れてないの!?」「覚えてない…」「この前パンク修理したとき、1ヶ月に一回は入れないとパンクしやすくなるよって言ったよね?」「うーん

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幸せ競争

幸せ競争

私は自分が住んでいる地域が好きだ。静かだし、こどもの遊ぶ公園もたくさんある。近所付き合いも多少あって、いい人がたくさん居る。

そんなにいい場所だと思うのに、最近不穏な想像をしてしまった。もし、ここが実は紛争地帯だったら。近所だけではなく、友人もそうだし、親戚もそうだ。プライバシーという名の堅牢な扉があって、見えないけれど、でも中身は。



なぜ、そんな暗い考えがよぎってしまったのか。きっかけ

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勉強するのは何のためか

勉強するのは何のためか

10歳のいっちゃんに、勉強させる動機ってなんだろう…という、今更なんだよ、という問いを自分にしている。

こども時代、私は勉強の目的をはっきりとは持っていなかった。「自分が将来やりたいことをやるためには、嫌だけど必要なのかも」くらいの気持ちしかなかったから、親になって、きちんとこどもに示せないままでいる。

競争社会で生き残るために?私は今から、こどもをそこへ放り込もうとしているのか?「親は刃をに

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末っ子は診察券が少ない

末っ子は診察券が少ない

「末っ子は写真が少ない」というのは、有名な「きょうだいあるある」だ。

うちの子は三人きょうだいで、やはり三人目ともなると、一人目の驚きは少なくて、写真に残さなくては!という熱意は、どうしたって減るものだ。

そして、私がもう一つの仮説というか、あるあるなんじゃないかと思うこと。診察券も少なくないですか。



いやいや、うちは三人目が一番体が弱くて、すぐ風邪をひくし、肌は弱いし、三人目が一番診

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正しい孤独、改め、お手伝いの話

正しい孤独、改め、お手伝いの話

どこからが「ヤングケアラー」でどこまでが「お手伝い」なのか。

私はその答えを知らないが、知らないなりに、「学業に支障が出たらヤングケアラー」という線引を勝手にしてきた。

うちの三きょうだい、いっちゃん、ニンタ、ミコ。

障害のあるニンタと、まだ幼いミコは、まだ二人共とても手がかかる。必然的に、一番上のいっちゃんは、私の話し相手になるし、お手伝い要員でもある。

その状態は決して良いとは思ってい

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生きた

生きた

一番上のいっちゃんが、もうすぐ小学校を卒業する。その準備が少しずつ始まっており、そのうちの一つが「6年間頑張ったこと」という発表だった。

習い事や勉強、なんでも良く、そしてそれにまつわるモノ、例えばサッカーを頑張ったならサッカーボールなどを持っていく。

いっちゃんは何を持っていくのかと聞くと、いっちゃんの部屋に置いてあるキャラクターの人形だと言う。

頑張り屋のいっちゃんは、6年間で経験した事

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きょうだいの中で誰が一番好き?

きょうだいの中で誰が一番好き?

一番上のいっちゃんが、お気に入りのアニメを見ていた。

私はそのアニメを詳しく知らない。知らないなりに途中から見ていたら、ちょっと幼くて頼りないキャラクターがでてきて、かわいらしい。

何の気無しに「この子、なんかニンタに似てない?」と聞くと、いっちゃんは少しムッとして「似てないよー」と答えた。

あ、しまったな。と思ったが、もう遅い。



私の失敗を解説したい。

まず、アニメを途中から見た

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水底の暗い景色も水面の明るい日差しも知っているから(不登校日記1)

水底の暗い景色も水面の明るい日差しも知っているから(不登校日記1)

一番上の子、中学生のいっちゃんが、ある朝突然「学校を休みたい」と言いだした。

目立ちたがり屋で頑張り屋のいっちゃんが突然ギブアップ。そういえば最近朝ごはんを食べたくないとか言っていたけれど、あれがサインだったのか。

狼狽した。心配したりイライラしたり開き直ったり。え、え、こういう時って親ってどうするんだっけ。

そして最近は結局「開き直る」という事になりつつあり、いっちゃんの不登校日記でも書い

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闘う中学生(不登校日記2)

闘う中学生(不登校日記2)

一番上の子、中学生のいっちゃんが不登校ぎみであり、その試行錯誤の記録。

前回の記事はこちら↓

学校は行ったり行かなかったりを繰り返しつつ、まだ手探りであるけれど、そういう中でいっちゃんが決断した。「塾をやめる」と。おお、そうきたか。



約一年前、中学生になったいっちゃんが塾に行きたいと言うので、あちこちの塾を見学した。いっちゃんが選んだのはゴリゴリの進学塾で、本当にここに行くのかい?と思

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朝顔のカリカリ焼き(不登校日記3)

朝顔のカリカリ焼き(不登校日記3)

私が小学生の時もそうであったように、現代でも小学校1年生は朝顔を育て、それを観察する。もしかしたら、地域性もあるかもしれない。

うちの子も、三人とも小1で朝顔を育て、家に持ち帰り、夏休み中に観察日記などを書く。

そしてタイトルの通り、三番目のミコが持ち帰った朝顔は、ほぼほぼ瀕死の状態で、鉢植えを持ち上げると、茶色く乾いた葉がハラハラと落ちた。

年々気候が厳しくなってきて、酷暑というのはわかる

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