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教育制度・政策・行政・法

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教育制度学・行政学に基づいた議論や話題をまとめています。
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記事一覧

eポートフォリオへの批判

eポートフォリオへの批判

お久しぶりです。

eポートフォリオというようなものが、文部科学省によって導入しようとされ、結果的に廃止となりました。

AO入試の拡大や一時期話題になった大学入試改革を受けて、学習してきたことをまとめておき、入試でも活用しようとするような案でした。

これについては様々な批判がありますが、1つ興味深い批判を聞き、「確かに!!!」と衝撃を受けましたのでメモがてら書きます。

一案として、このような

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政治教育はタブーなの?〜学習指導要領は「憲法違反」か?〜

政治教育はタブーなの?〜学習指導要領は「憲法違反」か?〜

一般論や個人的な意見も混じったいい感じの文章だったので、参考になるかもと思い貼っておきます。

某憲法学者に送って返事待ちのメール↓主たる質問内容:高等学校における学習指導要領は違憲か。

この命題は私の大学生活のメインテーマの1つと言って良いです。「思想良心の自由」「学問の自由」を保障する憲法に照らしても、特に道徳教育や社会科教育において国家が教育内容に介入することの危険性は極めて高いと考えてお

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林修「勉強は贅沢」!?

林修「勉強は贅沢」!?

林先生は、勉強は贅沢なんだから嫌ならやめろ(正確にはそう”言われた”)と主張しています。

私はこのような認識は全く間違ったものだと思います。

無論、様々な国で「学ぶ権利」が保障されていないことは事実ですし、ある程度自由に勉強できる日本は「贅沢」と思えるかもしれません。

でもちょっと待ってほしい!!

教育とは、時に政治的・経済的「搾取」から自らを守るものです。

そして、社会全体を変えていく

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「学校では教えてくれない〇〇」というフレーズ

学校では教えてくれない〇〇!というフレーズはよくあります。

ただ先生にその知識がないから、ということではなく、教育行政の構造上「教えられないことになっている」ことが多いのだという話をちょこっとします。

18歳にはもう選挙権が与えられたわけですが、高校ではいまだに教科書に検定が入っています。

文部科学省の行っている検定に合格しなければ、教科書にはならないんですね。

また、学習指導要領というも

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制服の強制はあり?なし?

制服の強制はあり?なし?

面白かった著書の引用シリーズ① 非行化の防止、学業への専念、衛生面の保持等といった目的は正当な教育目的であるが、それらを達成するには特定の服装の禁止で足りる。また、学校への帰属意識の養成のために必要であると主張されることがあるが、強制的に同じ服装をさせることによって生じさせるものではなかろう。
(米沢広一『憲法と教育 15講』2005, p.42)

ここにある通り、学校への帰属意識はそもそも強制

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「〇〇よりも〇〇について学校で学ぶべき」

「〇〇よりも〇〇について学校で学ぶべき」

「〇〇について学校で学ぶ"べき"だ!」とか、

「この話、絶対学校でもした方が良い!」みたいな意見ってたくさんあります。

でも個人的には、そもそもこういった「子どもは〇〇を学ぶ"べき"論」が根本的に間違っていると思えてなりません。

何に対して面白い!と思うかは、その人次第です。

私にとっては面白い憲法の話も、あなたにとってはつまらないかもしれない。

聞いてよかった、役立ったと感じる話も、他

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先生は「社会」に出ていた方が良いのか

先生は「社会」に出ていた方が良いのか

社会に出たことない先生にとやかく言われたくない、みたいな主張は生徒的には定番かなと思います。

私も高校生の時そのように言っていた覚えがあります。

一見最もらしいですが、ちょっと立ち止まって考えてみようかな。

そもそも学校は、将来社会で活躍する人を育てる「小さな社会」なのか?学校は「小さな社会」だとするなら、社会で活躍するため、あるいはお金を稼いで自立するための学びをした方が良いということにな

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道徳教育は憲法違反かも?

道徳教育は憲法違反かも?

道徳とセットで語られるのは、「法」や「規範」です。

「道徳」とこれらとの違いは何でしょう。

法の強制力ももちろん道徳とは全く異なる特徴ですが、やはり法が人間の行為などに対して定められているものだということに対して、道徳はあくまで人間の内面的なもの=意識や心情がどうあるべきかというものだということでしょう。

この道徳を教育しようという試みですから、危険性も高いです。

憲法は「思想・良心の自由

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小学校、教科担任制の是非

小学校、教科担任制の是非

ちょっと前に新聞で読んで悲しくなりました。

また教員は「専門家」への道を一歩進めてしまった。。。泣

小学校、教科担任制の是非
先に前提にしておきたいのは、義務教育とは一体何なのかということです。

よくある話ですが、義務が課されているのは保護者であって、子どもが持っているのは教育を受ける「権利」です。だからその権利を行使するかどうかはその子ども次第だし、休養する権利だって認められています。

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なぜ「人」は勉強しなければならないのか。

私は「人」が勉強しなければならない意味は特にないと思っています。あるとすれば、それは社会一般や国家、経済の都合です。

学ぶ意味とは、各「個人」がそれぞれ(能動的に)持つ方が自然なのであって、抽象的な「人」という存在に対して一様に学ぶ意味があるわけではないということです。

だから私は、「なぜ勉強するの?」と聞かれても、「君が学びたい!と思った時にしか、勉強する理由は存在しないよ」と答えます。

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高校入試は必要なのか。

高校入試は必要なのか。

久しぶりのnote更新なので、今日は軽めに行こうと思います。

「高校入試」と聞いてどのようなことをイメージするでしょうか。
4年制大学への進学率は5割程度である一方、29年度の高校進学率は98.8%ですから、誰しもが経験する存在かもしれません。

しかしながら、高校入試が存在しているのは世界的に見ても日本くらいです。私はニュージーランドの高校に在学していたことがありますが、地域の高校に行くのが当

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