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Never Is A Promise
「善きひとびと、つまり卓越性において類似したひとびとのあいだにおける愛」では「相手かたの善を相手かたのために願う」。
関係は贈与。約束なぞない。"Friend make sense of me"という「確信」。
“You have many childish qualities, I have many distractive qualities”, “I have so much hurt in
隠された記憶 / ミヒャエル・ハネケ ー ミヒャエル・ハネケについて
ジュリエット・ビノシュは「これが夫婦の信頼なの⁉」と夫(ダニエル・オートゥール)に叫ぶ。彼女は、自身があるはずだと確信するものの欠落に打ちのめされる。夫はその彼女に「頭を冷やしたらどうだ」と言い放つ。私はこの彼女の演技に感動した。ハネケの映画の中に、あの無残な、涙が全く湧いてこない人間を撮るハネケの映画の中に、人間に対する確信をみたように感じた。
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私はこれでハネケの作品は4本観たことに
71フラグメンツ / ミヒャエル・ハネケ
血はゆっくりと流れる。時はゆっくりと流れる。ほとんど止まっているかのように。死にかかった生き物の呼吸のように。
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主人公が卓球の練習をするシーンがある。背景の壁は、灰色だ。彼はただひたすらにラケットを振る。機械によって一定の間隔で飛んで来る球をひたすら打ち返す。「モダン・タイムズ」でチャップリンは軽やかに面白可笑しくこれを皮肉ったが、彼の表情は変わらない。そもそも卓球は仕事ではなく、学業
城 / ミヒャエル・ハネケ
「カフカの小説を原作にしていて、監督がハネケだ、悪かろうはずがない。」という強い確信を持て見た映画であったが、果たして結果はその通り、否、シーンによってはそれ以上と言わねばなるまい。まず1つ目はウルリッヒ・ミューエとスザンヌ・ロタールが初めて出会い寝るシーンである。2人はどこで寝るのか。薄汚い酒場のカウンターの裏の床で寝るのだ。それはカウンターの裏に隠れているミューエの胸の上に、ロタールがハイヒー
もっとみる枯れ葉 / アキ・カウリスマキ
枯れ葉、それは一本の木から落ちてわたしたちの足元に身を横たえる。カサカサと互いに身をこすらせながらたむろする。彼らが風に吹かれてフッと舞い上がったとき、女は立ち上がる。
最初の枯れ葉は女から男に手渡される。不器用な男はポケットから取り落し、枯れ葉は雨に濡れたアスファルトの上をどこかに吹かれてゆく。名残惜し気にあらがって立ち止まるも、画面の外へ立ち去る。
しかしスクリーンに枯れ葉は戻ってくる。病
ミッド・サマー / アリ・アスター
冒頭のシーンで彼女は両親に留守電を、次いで彼氏に、そしてまた誰かに...と連絡を取り続ける。彼氏は適当に答える。
彼女の友達は4人の男たちである。彼女の彼氏は、彼女の親族が亡くなり、彼女を慰め共に明かした夜の次の日、友達のパーティーに行く。彼女はついていく。
スウェーデンへの旅行が男たちの間で暗に決められており、彼女も誘われる。彼女は彼氏を詰問する。「なんで私にだけ教えてくれなかったの?」彼女