中島想俊

音楽を動力に、書物を枕に、映画を夢に見て生きる青二才。19歳。徒然なるままに、そこはか…

中島想俊

音楽を動力に、書物を枕に、映画を夢に見て生きる青二才。19歳。徒然なるままに、そこはかとなく書きつくれば、方片なき荒野の早春の日ものたりのたりかな。年経ればいま過ぐる日々をいかが思ゑむ  こちらもどうぞ:https://yncsnolark3163.wordpress.com/

マガジン

  • ミヒャエル・ハネケ特集

    ミヒャエル・ハネケの作品についての記事をまとめてあります。彼の映画の意図とそれについての私の批評、また社会に対してどのような意味を持つのかなどについての考察を綴りました。

記事一覧

固定された記事

マニュフェスト

このブログの見方、記事を書く際土台としている私の見解・世界観についての情報がまとめてあります。 1.このブログの書式等本ブログの記事は以下マニュフェストの見解・…

中島想俊
3か月前

耳を澄ませて

唄 いつも通りの日々 あれは夢かうつつか ひとり目を閉じたなら からだは空に浮かんで 遠ざかる街を 静かに見つめた ちっぽけなわだかまりも忘れてゆく #1 . 今ではない時…

中島想俊
8日前
3

置いていかないで

私、今19歳。時代は令和6年、西暦2024年。月は5月、日付は9日。時は早朝5時。 でっかい吐き気を抱えている、私の睡眠は終わったのに 空が白んできた…私だけを置いて…

中島想俊
8日前
2

時間の闇の中で / ジャン=リュック・ゴダール

我々はどこから来て今どこにいるのか 先進各国の人は、近代化以降の歴史の中で、その記憶に大きな傷をつけた。それ以来の世代は、残らずその醜悪な歴史と「隠された記憶」…

中島想俊
2か月前

Never Is A Promise

「善きひとびと、つまり卓越性において類似したひとびとのあいだにおける愛」では「相手かたの善を相手かたのために願う」。 関係は贈与。約束なぞない。"Friend make sens…

中島想俊
3か月前

隠された記憶 / ミヒャエル・ハネケ ー ミヒャエル・ハネケについて

ジュリエット・ビノシュは「これが夫婦の信頼なの⁉」と夫(ダニエル・オートゥール)に叫ぶ。彼女は、自身があるはずだと確信するものの欠落に打ちのめされる。夫はその彼…

100〜
割引あり
中島想俊
3か月前
1

71フラグメンツ / ミヒャエル・ハネケ

血はゆっくりと流れる。時はゆっくりと流れる。ほとんど止まっているかのように。死にかかった生き物の呼吸のように。 *** 主人公が卓球の練習をするシーンがある。背…

100〜
割引あり
中島想俊
3か月前

城 / ミヒャエル・ハネケ

「カフカの小説を原作にしていて、監督がハネケだ、悪かろうはずがない。」という強い確信を持て見た映画であったが、果たして結果はその通り、否、シーンによってはそれ以…

100〜
割引あり
中島想俊
3か月前

枯れ葉 / アキ・カウリスマキ

枯れ葉、それは一本の木から落ちてわたしたちの足元に身を横たえる。カサカサと互いに身をこすらせながらたむろする。彼らが風に吹かれてフッと舞い上がったとき、女は立ち…

0〜
割引あり
中島想俊
3か月前
2

終電車 / フランソワ・トリュフォー

300
中島想俊
3か月前

Aurora 総論

Giving in to the love, I feel ali-li-live! Auroraというアーティストがいる。一見ただのハイテンションの高校生にみえる。が、彼女の眼差しはそんじょそこらの高校生…

100〜
割引あり
中島想俊
3か月前
1

Le Mannequins Visage / Live At Helluva Lounge

前回載せたライブの映像です。興味湧いたらメッセージ下さい。

中島想俊
4か月前

Live At Helluva Lounge PV

2024年1月8日、マヌカンの顔のベースで出演します!興味ある方はTwitterなどでDM下さい!

中島想俊
4か月前

Live At Helluva Lounge

中島想俊
4か月前
1

ソイレント・グリーン / リチャード・フライシャー(Editted Ver. for Note)

映画についての感想オースターの最後の者たちの国のような、人ばかりが多く、物は足りず、自殺施設と人肉工場がある世界。食料は配給制になり、政府と警察ばかりが権力を握…

0〜
割引あり
中島想俊
4か月前

ミッド・サマー / アリ・アスター

冒頭のシーンで彼女は両親に留守電を、次いで彼氏に、そしてまた誰かに...と連絡を取り続ける。彼氏は適当に答える。 彼女の友達は4人の男たちである。彼女の彼氏は、…

100〜
割引あり
中島想俊
11か月前
3
マニュフェスト

マニュフェスト

このブログの見方、記事を書く際土台としている私の見解・世界観についての情報がまとめてあります。

1.このブログの書式等本ブログの記事は以下マニュフェストの見解・世界観を土台に私見と主張を記したものです。

私個人では知識も能力も無論不十分です。ゆえに、読んでくださった方の刺激になり、またコメント欄その他で議論などが起こることでそのテーマについて考えるきっかけになる記事になるよう目指しております。

もっとみる
耳を澄ませて

耳を澄ませて



いつも通りの日々
あれは夢かうつつか
ひとり目を閉じたなら
からだは空に浮かんで
遠ざかる街を
静かに見つめた
ちっぽけなわだかまりも忘れてゆく
#1 . 今ではない時間へ
  それは「今」と溶けあって
   私にもわからない
   時は令和幸福時代
   それは私の知らなかった時間
   みてみたかった時間
   そこでは私は外へ溶けだして

もっとみる
置いていかないで

置いていかないで

私、今19歳。時代は令和6年、西暦2024年。月は5月、日付は9日。時は早朝5時。

でっかい吐き気を抱えている、私の睡眠は終わったのに
空が白んできた…私だけを置いていかないで…

時は目くるめく進む。私には止められない......
速すぎる時の流れは体の脇をかすめてゆく。伸ばした両手の指の股を通り抜けてゆく......
その流れが瑞々しく美しいものには、私にはみえない。それは濁っているように見

もっとみる
時間の闇の中で / ジャン=リュック・ゴダール

時間の闇の中で / ジャン=リュック・ゴダール

我々はどこから来て今どこにいるのか
先進各国の人は、近代化以降の歴史の中で、その記憶に大きな傷をつけた。それ以来の世代は、残らずその醜悪な歴史と「隠された記憶」を時効なく肩に背負い、この世に生れる。

_の最後の瞬間
映画は寿命を迎え、ジャズもまた然り。残るのものの多くはそれらしき残滓ばかり。60年代を終え、その後のカオスも終わり、90年代の鬱屈も通り過ぎ、終わりなき日常が続く。

自分の価値

もっとみる

Never Is A Promise

「善きひとびと、つまり卓越性において類似したひとびとのあいだにおける愛」では「相手かたの善を相手かたのために願う」。
関係は贈与。約束なぞない。"Friend make sense of me"という「確信」。
“You have many childish qualities, I have many distractive qualities”, “I have so much hurt in

もっとみる
隠された記憶 / ミヒャエル・ハネケ ー ミヒャエル・ハネケについて

隠された記憶 / ミヒャエル・ハネケ ー ミヒャエル・ハネケについて

ジュリエット・ビノシュは「これが夫婦の信頼なの⁉」と夫(ダニエル・オートゥール)に叫ぶ。彼女は、自身があるはずだと確信するものの欠落に打ちのめされる。夫はその彼女に「頭を冷やしたらどうだ」と言い放つ。私はこの彼女の演技に感動した。ハネケの映画の中に、あの無残な、涙が全く湧いてこない人間を撮るハネケの映画の中に、人間に対する確信をみたように感じた。

***

私はこれでハネケの作品は4本観たことに

もっとみる
71フラグメンツ / ミヒャエル・ハネケ

71フラグメンツ / ミヒャエル・ハネケ

血はゆっくりと流れる。時はゆっくりと流れる。ほとんど止まっているかのように。死にかかった生き物の呼吸のように。

***

主人公が卓球の練習をするシーンがある。背景の壁は、灰色だ。彼はただひたすらにラケットを振る。機械によって一定の間隔で飛んで来る球をひたすら打ち返す。「モダン・タイムズ」でチャップリンは軽やかに面白可笑しくこれを皮肉ったが、彼の表情は変わらない。そもそも卓球は仕事ではなく、学業

もっとみる
城 / ミヒャエル・ハネケ

城 / ミヒャエル・ハネケ

「カフカの小説を原作にしていて、監督がハネケだ、悪かろうはずがない。」という強い確信を持て見た映画であったが、果たして結果はその通り、否、シーンによってはそれ以上と言わねばなるまい。まず1つ目はウルリッヒ・ミューエとスザンヌ・ロタールが初めて出会い寝るシーンである。2人はどこで寝るのか。薄汚い酒場のカウンターの裏の床で寝るのだ。それはカウンターの裏に隠れているミューエの胸の上に、ロタールがハイヒー

もっとみる
枯れ葉 / アキ・カウリスマキ

枯れ葉 / アキ・カウリスマキ

枯れ葉、それは一本の木から落ちてわたしたちの足元に身を横たえる。カサカサと互いに身をこすらせながらたむろする。彼らが風に吹かれてフッと舞い上がったとき、女は立ち上がる。

最初の枯れ葉は女から男に手渡される。不器用な男はポケットから取り落し、枯れ葉は雨に濡れたアスファルトの上をどこかに吹かれてゆく。名残惜し気にあらがって立ち止まるも、画面の外へ立ち去る。

しかしスクリーンに枯れ葉は戻ってくる。病

もっとみる
Aurora 総論

Aurora 総論

Giving in to the love, I feel ali-li-live!

Auroraというアーティストがいる。一見ただのハイテンションの高校生にみえる。が、彼女の眼差しはそんじょそこらの高校生のものでは決してない。彼女は10年以上のキャリアで何を歌ったのだろうか。この記事では、最新のアルバム「The Gods We Can Touch」を軸に据えて彼女のメッセージを読み解いていく。

もっとみる

Live At Helluva Lounge PV

2024年1月8日、マヌカンの顔のベースで出演します!興味ある方はTwitterなどでDM下さい!

ソイレント・グリーン / リチャード・フライシャー(Editted Ver. for Note)

ソイレント・グリーン / リチャード・フライシャー(Editted Ver. for Note)

映画についての感想オースターの最後の者たちの国のような、人ばかりが多く、物は足りず、自殺施設と人肉工場がある世界。食料は配給制になり、政府と警察ばかりが権力を握る。

ヘストンが「ソイレント・レッド」を食べる。ただの四角い板同然である。味はしない。向かい合って座るロビンソンは顔をしかめて、顔の前で手を振る。

ヘストンがリンゴとレタス、バーボン、牛肉を持ち帰る。ロビンソンは顔をほころばせる。2人は

もっとみる
ミッド・サマー  / アリ・アスター

ミッド・サマー / アリ・アスター

冒頭のシーンで彼女は両親に留守電を、次いで彼氏に、そしてまた誰かに...と連絡を取り続ける。彼氏は適当に答える。

彼女の友達は4人の男たちである。彼女の彼氏は、彼女の親族が亡くなり、彼女を慰め共に明かした夜の次の日、友達のパーティーに行く。彼女はついていく。

スウェーデンへの旅行が男たちの間で暗に決められており、彼女も誘われる。彼女は彼氏を詰問する。「なんで私にだけ教えてくれなかったの?」彼女

もっとみる