記事一覧
「ナチスはいいこともしたのか」書評 やっぱりあいつらはええとこない【基礎教養部】
やっぱり,なんだかんだ演出が上手くてかっこいいのは認めざるを得ない.(ナチ党党大会における写真)
ナチス.親衛隊の黒制服やニュルンベルク党大会に代表される無駄に洗練されたデザインや,そして全世界に向け戦争を吹っかけ,もう一つの悪の巨頭ソヴィエト連邦と絶滅戦争をやらかししめやかに爆発四散した最期,そして「ヘルシング」などのコンテンツの影響もありさまざまな分野のオタクに対してカルト的な人気を誇る(?
「対話の害」書評〜けど,これを書いている人間とは対話したくないよ〜
(タイ・バンコクで出会った二匹の猫.彼ら/彼女らはどんな「対話」を日々行なっているのだろうか)
この文章は,以下の書評を受けて作成したものである.
「ゆっくり読め」という本の指示に反し,(購入するのもかったるいので)朱雀の図書館まで行き一時間くらいでさっくりとこの本を読んだのだが,感想としては「伝えたいことがいまいちよくわからない」というものに尽きる.この本は,一貫して,マイケル・サンデル教授
松本俊彦著"「助けて」が言えない---SOSを出さない人に支援者は何ができるか" 書評-「人間ひとりひとりが生きやすい社会」を目指して
「自己実現」,「自己責任」…昨今の社会はとかくこういう「自己」を強調した単語が並ぶ.受験や就活などはその風潮の極地である.まるで万人が「なりたい理想の自分」などという存在を明確に言語化しなければいけないと言われているようだ.…この傾向を息苦しいと感じるのは私だけではあるまい.もちろん,人権という概念はこれまで国家や家族,社会的偏見といった暴力的な要素を含む存在からどれだけ「自己」を確立するかといっ
もっとみる【基礎教養部】磯山雅「J・S・バッハ」を読んで-生成モデルとコンテンツのライブ感
この記事は,以下の書評,および書評で扱われた磯山雅「J・S・バッハ」を読み作成したものである.
生成モデルの発展と作品について
作品は製作者の人生の表象である.生成モデルが一世を風靡し,作品の「価値」,そして人類の「創造性」という神秘が解体されつつある今日の置かれた状況ではある.しかし,例え生成モデルがこれから先さらなる発展を遂げ自己の好みに合わせて音楽やイラスト,小説といった作品の生成が容易
【基礎教養部】ロシアによるウクライナ侵攻と,日本が採るべき選択肢-「現代ロシアの軍事戦略」を鑑みて
まず,ゼレンスキーウクライナ大統領,及び国家の存亡に際し自ら立ち上がった数多のウクライナ国民の人たちに対し格別なる敬意を表します.また,差し迫った生命の危機を感じ国外に避難したウクライナ国民の人たちに対し深く同情いたします.ウクライナとその国民の人たちが,危機からいち早く抜け出し,その生命,財産,名誉を守り抜くことを切に祈念しています.
個人的に,ロシアは思い入れが深い国である.私は10年来の比