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【空想小説】太陽と惑星の戦争(プラネットウォー)第七話

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10億年後

一方、猿の方はというと、落下と同時に岩山が二つに割れ、そこに出来た裂け目に挟まれ身動きが取れなくなっていた。そして本来の目的も忘れ、ただただ挟まれたまま長い年月が経った。

そうしてアダムが誕生してから10億年が経過した。

地球はすっかり様変わりし、大気中の水蒸気が冷やされ海が誕生していた。さらに植物が生い茂り。たくさんの森も生まれていた。

猿は裂け目に挟まったままで、ゼウスの神通力のお陰で身動きは取れないもののなんとか生き長らえていた。そこはアマゾンの近くの大西洋に面したアトランティカと呼ばれる森林地域で、そこら一帯のジャングルは高い木々が生い茂り、昼間でも薄暗い不気味な森になっていた。

長らくアダムはガイアとサタンの命により、猿と雷鳥を探し続けていた。

そして10億年後、ついにアダムは猿を見つけた。

裂け目に挟まれたままでも猿はひと際目立っていた。というのも猿はゴールデンライオンタマリンという金色の毛並みをもつ種であったのだ。

アダムが猿に近づく。
アダムと猿は惑星とは違いテレパシーでの会話はできないが、大気の震えを利用して会話するローカルエリアネットワークシンパシーを使うことができた。
「君はこの惑星ほしを侵略しに来たのかい??」
アダムが猿に声をかける。
「わからないの・・・
私は何?私には何もない。ここから出して。」
猿が答える。

「本当に何もわからないのか?」
「私はなにものなの?」
「名前は?」
「分からない、ただ時々”イヴを破壊しろ”というのが頭の中に流れてくるの。」
「イヴ!?」

アダムがサタンに確認する。
「サタンよ、イヴを知っているか?」
「すぐにはわからん。が、ちょっと気になることがある
少し時間をくれ。」
「わかった。たのむ。」

アダムが猿に話かける。
「もしかしたら記憶が混乱しているだけかもしれない。君がイヴなのかも?」
「そうかもしれない。わからない。」

辺りは暗くなり始めていた。

「とりあえず敵意は無さそうだし、そこから出ておいで」
そうしてアダムは裂け目の一部を破壊し、猿を引っ張りだした。
「ありがとう。」

「ゆっくり思い出すと良いよ。
こっちの高い岩場においで、星がきれいだよ。」

「うん。」

宵の明星

その時だ!

ドクン・・・

突然、猿の毛が逆立ち、目が赤くなり激しく狂暴になった。

「ぐるるるるる・・・」

「おい、どうした??」

猿は暴走しだしたのだ。

近くのアダムに勢いよく噛みつこうとする!!!

「まずい!!」

アダムが何とか避ける。

「アダムよ聞こえるか?」
サタンがアダムに呼び掛ける。

「サタンよ猿が暴走モードだ。どういうことだ??」

「わかったぞ、イヴはイヴニング、つまり宵の明星のことだ、
それは金星ヴィーナスに対する敵意だ。」

「そうか、宵の明星を見たから本能が剥きだしになり暴走しだしたのか。」

「サタンよ、暴走を鎮める何か良い手は?」
アダムがサタンに問う。

「分からないが、本能を押さえつけることが出来れば良いはずだ。」

「わかった。」

そういうと、アダムは猿の前に立った。

猿がアダムに向かっていく。

アダムは避けない。

猿がアダムに噛みつく。

グッ!ガッ!

アダムの右肩が傷を負う。

グッ!ギュッ!

そして、アダムは猿を強く抱きしめた。
ずっと抱きしめていた。

「もう、大丈夫だ。」

・・・

すると、みるみる猿の眼は落ち着きを取り戻し、そして逆立った毛が大地を向き始めた・・・・

「・・・あ、私どうしたの??
あ、傷・・・もしかして?」

「あぁ、大丈夫だ。君がイヴだったよ。」

アダムは嘘をついた。その時サタンが声を掛ける。

「アダムよ、対象を隠しても解決にはならんぞ、
また明日になれば暴走するかもしれんのだ。
私に考えがある。お前の傷から流れる赤い血でバラを作るのだ。
そして、そのバラと猿の金色の毛を使って金色のリンゴを育てよ。
それを食べることで猿は転生し暴走することが無くなるであろう。」

「わかった。」

アダムはサタンの言うとうりに黄金のリンゴ「金星」を育てた。

「イヴよ、これを食べてくれないか?大丈夫僕も食べるから」

「分かった。」

金色のリンゴを食べるとイヴは一度リス猿に転生した。
Reリス猿はすぐ進化し、だんだんホモサピエンスのような容姿になっていった。

そして同じリンゴを食べたアダムもやはりホモサピエンスのような容姿になっていった。

バラの棘の制約と転生により、二人の特殊な力は抑えられていった。
猿の狂暴な遺伝子も、細胞の奥深くに閉じ込められた。

二人は特殊能力がなくなり、ローカルエリアネットワークシンパシーが使えなくなってしまった。
そうして二人はシンパシーという内側の通信能力がなくなり、外側に出して情報を伝達する方法のいわゆるローカルエリアネットワーク外字を使いだした。
それが今の言語(LANGAGE)になっていった。

<つづく>










【メッセージ】
最後までお読みいただき感謝いたします。

拙い文章ですが、ロジカルな文章よりも感情を揺さぶるような文章を書きたいと思っています。
これからも、是非ともよろしくお願いいたします。
余韻のために最後は1ページ程度の空白を置いています。何か感じていただければと。
今日は楽しかった、悲しかった、悔しかった、嬉しかったなど、そういう感情が動く体験は、
記憶され、そして未来の判断になんらかの影響を与えると思います。そうだといいな。

【プロフィール】
2児の父です。 駄文・乱文ですみませんが、普通の人生を記していきます。コッソリと・・・ 
凡人なので、フォロバ100です。人としては、フォローされるよりフォローできる人間でありたい。 
ちなみに自己紹介にスキはフォローOKと受け止めます。 
「Amazonのアソシエイトとして、T(パパ)は適格販売により収入を得ています。」
あと、noteにも感謝です。
見出しの写真やイラストはnoteユーザー様のを使わせて頂いています。こちらも感謝いたします。



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