めも。Web河出にて、2019年7月8日発売チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ氏の作品集『なにかが首のまわりに』(河出文庫/くぼたのぞみ=訳)の表題作が全文公開されている。大胆な試みだけれど、功を奏することを願ってシェアに協力する。
http://web.kawade.co.jp/bunko/2849/

『異性』 角田光代, 穂村弘

MAY 10, 2018 Instagram掲載

(目から)鱗の中で呆然と立ちすくむ。読んだ後は、きっと。角田さんと穂村さん、そして自分がボトボトと落とした鱗の海の中で。異性、つまり男と女について角ちゃんとほむほむが交代に手紙的にをやりとりする本。

おごられる女とおごられない女は何が違うのか。男はなんでサッカーとかでオレ的ベストメンバーを選定するのか。(絶対に監督になれないのに)「それは私的に

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ふえる、ふるえる(ボルヘス怪奇譚集/ホルヘ・ルイス・ボルヘス他)

く、く、く

だれかが、笑っている。

けれど、そのだれかはいない。
ここには、だれもいないよ。
僕の他には、だれも。

く、く、く

また、笑っている。
僕を、笑っている。



ベッドサイドに置いてあると間違いなく眠れなくなるから、安眠したい人はこの本を手に取らない方がいい。(中略)眠ることなどとうに諦めた不眠症の人がベッドサイドに置いておくのはいいかもしれない。
――朝吹真理子「解説 眠れ

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嵐のあとに花は咲く

嵐のあとに花は咲く

'Cause after the storm's when the flowers bloom

これは、Kali Uchisの"After The Storm"

という曲の一節だ。

昨晩はずっと雨が降り続け

大きな雷が何度も鳴り響いていた。

今朝、外を見ると強風が吹きつつも

昨晩からは想像しがたい快晴だった。

午前中のうちに野毛にある

図書館へと向かう。

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「平成31年」雑感20 須賀敦子「古いハスのタネ」の続き

▼前回のつづき。

▼須賀敦子のエッセイ「古いハスのタネ」にあった、

散文は論理を離れるわけにはいかないから、

人々はそのことに疲れはて、

祈りの代用品として呪文を捜すことがあるかもしれない。

という一文は、「近代化」された社会の運命を物語っている。

現代の特徴の一つは、人類の歴史のなかで「文書」がこれほど強い権威を持つようになった時代はない。

▼「古いハスのタネ」は1995年の日本で

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「平成31年」雑感19 須賀敦子「古いハスのタネ」を読む

▼オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きたのは1995年。作家の須賀敦子が「新潮」1996年1月号に書いた「古いハスのタネ」という短いエッセイがある。

いまは河出文庫の『須賀敦子全集 第3巻』で読める。いい全集である。

〈1995年は、宗教という言葉がどっと街にあふれ、人びとの目に触れ、口にのぼるという、忘れられない年であった。なにもこれに限ったことではないけれど、正確な意味がただされないま

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