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women’s health

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今まで、看護の大学で、助産の大学院で学んできたこと、感じたこと、調べたことを、まとめていきます🌻 少しでも、日々これからも元気でいたい、自分らしくいたい、と思う女性に寄り添える… もっと読む
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記事一覧

なぜピルを飲んでいても、出血するの?月経がくるの?

なぜピルを飲んでいても、出血するの?月経がくるの?

低用量ピルを飲んでいるときに起きる出血は、“月経”なんだろうか。
自然な、卵子の排卵によっておこる出血を、生理とか月経というなら、
低用量ピルを飲んでいるときに起きる出血とは、いったいなんなんだ。

私は低用量ピルを飲み始めて4年になる。
月経困難症の治療のために飲み始めて、劇的に月経痛、大量の出血、イライラ、貧血はなくなった。
4年間にピルの種類を何度か変えていて、今はヤーズフレックスを使用して

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上っ面の女性活躍推進は、いらない。そのためには。

上っ面の女性活躍推進は、いらない。そのためには。

日本企業の女性の活躍推進への取り組みの現状と背景、女性の活躍をより実現していくために必要な4つのステップが書かれている。

女性の活躍推進は、経営の選択肢ではなく、必要な経営課題だ、とはっきり書いている。
ジェンダーギャップが完全に是正されると、日本のGDPは13%も増加する、という試算が、ゴールドマン・サックスの副会長から示されているというから驚きだ。

でも、どうして日本で女性の活躍推進は進ま

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医師は旧姓を使えるのに、なぜ看護師は使えないの?

医師は旧姓を使えるのに、なぜ看護師は使えないの?

「私も入籍で改姓したときに、旧姓を使いたいって総務課に言ったけど、ダメだったんだよね。でも一部の先生たちは旧姓で働いているんだよ。変だよね。」
私が職場へ結婚報告と、入籍に踏み出せないでいる気持ちを伝えたとき、看護職の先輩はそう言った。衝撃だった。

選択的夫婦別姓の話題が、以前よりもメディアやSNSで見かけるようになった。
私は大切な人と婚約をしたけれど、入籍する、自分が改姓する、ということにど

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予防できたはずの5000人の死亡という研究結果 #子宮頸がん予防HPVワクチン

3月4日は、国際HPV啓発デーだった。
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクトという国際パピローマウイルス学会の公式パートナーでもある日本の団体の活動も、TwitterなどSNSを通して多くリツイートされていた。
日本では年間約1万人の女性が子宮頸がんと診断され、約2900人が死亡しているといわれる。

NHKでもHPVワクチンや子宮頸がんについてのニュースが流れ、時間はかかっても、世間の受け

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「ひっひっふー」とりんごちゃんを押さえつける映像をみたときの気持ち

「ひっひっふー」とりんごちゃんを押さえつける映像をみたときの気持ち

テレビの演出のなかで、女芸人を笑いものにする、女性芸能人をお飾りのように配置する、若い女性を無知な象徴としてバラエティの対象にする、など前々から少しずつ、違和感を覚えるようになっていた。

自分が助産師として働き始め、ジェンダーや女性の健康問題、男女差別に、より敏感になったからかもしれない。

そんななか、こんな嫌な気持ちにさせられることが不意にくるのなら、テレビのバラエティー番組は観たくない、と

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性教育じゃなくて、リプロダクティブヘルスライツと呼びたい

性教育いう言葉に、なんとなく抵抗を感じる。
私の興味あること、したいことを話すと、人にはよく「性教育だね」と言われるのだけれど、なんとなくしっくりこないのだ。

性教育、というと、性の教育、なのだから、
セックスのこととか、性病とか、そういうものがまずイメージされて仕方ないと思う。

いくら、性教育は月経や射精といった体のこと、妊娠出産、家族計画、性感染症、セックス、人工妊娠中絶、異性との関わり方

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子宮頸がんワクチンが子宮頸がんのリスクを減らした、という論文に感動した話

子宮頸がんワクチンが子宮頸がんのリスクを減らした、という論文に感動した話

だれか一人、数人の体験が、大きく社会に影響を与えることもある。
子宮頸がんワクチンの副作用の報道などもその一つだと思う。
メディアで大々的にとりあげたセンセーショナルな情報のほうが、インパクトがあるときがある。
確かに、それが大きく社会や人々の考え方を変えることもある。

一方で、データに基づいた研究は、
実際の社会、仕組み、原因と結果を明らかにするには時間がかかる。
しかも地道で、忍耐が必要なこ

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いつか自分も不妊治療をするかもしれないから

いつか自分も不妊治療をするかもしれないから

いつか自分も不妊治療をするかもしれない。
パートナーはその時どう動くんだろう、お互いどうなるんだろう。
そんなことを考えながら見ていた。

ねほりんぱほりんは、山里亮太さんとYOUさんが司会のNHKの番組。
不妊治療をやめた人、という回では、
39歳で結婚、5年間不妊治療した49歳の女性とその旦那さんが語っていた。

元詐欺師、元薬物中毒者、ホストにはまった女性などなど、
毎回きわどいゲストを呼び

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妊活の前に体を見直す?妊活たまごくらぶの特集#助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた

妊活の前に体を見直す?妊活たまごくらぶの特集#助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた

【妊活の“前”に、そもそもあなたと彼ができていない5つのこと】
妊活たまごクラブで、巻頭特集として特集されていたことは、
医療の言葉でいえば、プレコンセプションケアだった。

プレコンセプションケアとは、
受胎(コンセプション)の前(プレ)に必要な心身のケア、であり、知識のこと。

私が母性看護・助産学の大学院に進学して、研究を学ぶ中で出会った、
産婦人科領域のホットトピックともいえるプレコンセプ

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生理ノート、彼と一緒につけられる?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた④

生理ノート、彼と一緒につけられる?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた④

「私生理の記録をつけるから、一緒にみてよ」と女性が伝えたら、
「いいよ」と快諾して、一緒に確認してくれる男性はどれくらいいるんだろう。
“女性はこんなに大変なの”という愚痴を押し付けているようにみえないだろうか。
男性には実感のない生理・月経を、どこまで共有できるだろう。

着々と読み進めている、妊活たまごくらぶ。

妊活の第一歩は「生理周期の把握と、基礎体温をつけてみること」として、
パートナー

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不妊治療のための受診じゃなくて?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた③

不妊治療のための受診じゃなくて?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた③

妊活振り返りインタビューとして、
神戸蘭子さんが特集されていた。
モデルとして働き、結婚して長男を出産後、現在第2子を妊娠されているという。

タイトルは、【二度の多嚢胞性卵巣症候群を乗り越えて】だったので、
病気がわかり、以降の不妊治療の経験を書いているものだと思った。

でも、実際に読んでみると、不妊治療のことだけじゃなくて、
●女性の年代それぞれで妊娠への思いが違うこと。
●病院不妊治療のた

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ネオ妊活世代!?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた②

ネオ妊活世代!?助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた②

ふたり妊活を積極的に取り組んでいる20代男女のことを
【ネオ妊活世代】というらしい。
ロート製薬の調査では、20代カップルの2組に1組が、
「ふたり妊活ができている」と回答したそうだ。

妊活=女性ががんばるもの、というイメージはもう古い。
雑誌内でも、【新時代は!夫婦でふたり妊活】と大きく書いてある。

ふたり妊活とは、ネオ妊活とはなにか?
簡単にいえば、それはパートナーとの意思疎通、
お互いの

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助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた①

助産師が妊活たまごくらぶを読んでみた①

妊活たまごくらぶ
2019-2020
買ってみました。

赤ちゃんが欲しくなったら、最初に読む本。

でも、私は今妊活をしたいわけじゃありません。
パートナーにも伝えてあります。

では、何故買ったのか。
中身を知りたくて、です。

私みたいに助産師として働いてたり、
産科のことを知らない人は、
いろんなところから情報を得ようとして、
インターネットや、雑誌を参考にするとききました。

不妊治療ク

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神経性やせ症の自分を自覚してなお、どうやって生きているのか

神経性やせ症の自分を自覚してなお、どうやって生きているのか

神経性やせ症とは、
“やせていることやの執拗なまでのこだわり、自分の身体に対するイメージ(身体像)の歪み、肥満に対する極端なまでの恐怖、ならびの食事量の制限による著しい低体重を特徴とする摂食障害”といわれる。

神経性やせ症の正体は、【自分のからだの見え方が歪み、それを信じてやまないこと】で、
いくら周囲の人に「あなたは細い」「痩せている」といわれても、
その言葉は頭の中をスルーする。
そうかもし

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