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<野生>のプロジェクトマネジメント――計画性と偶発性をマネジメントする「ブリコラージュ」
レヴィ=ストロースの哲学からプロジェクトマネジメントを問い直す連載企画「<野生>のプロジェクトマネジメント」の第二回は、「ブリコラージュ」がテーマです。
「ブリコラージュ」は、フランス語で「器用仕事」を意味するもので、「ありあわせの手段・道具でやりくりする」という考えですが、これが現代のプロジェクトにおいてどのような意味を持つのか、そして、プロジェクトに関わる我々はそこから何を学ぶことができるか
<野生>のプロジェクトマネジメント――レヴィ=ストロースの哲学からプロジェクトマネジメントを問い直す
従来、対面でのミーティングが当たり前だった時代には、物理的に移動する時間があり、それによって、ある程度「ミーティングではない時間」も存在していました。しかしリモートワークが普及する中で、「1日中隙間なくミーティングが入ってしまっている」という方も数多くいらっしゃるかと思います。
このような状況は、たしかに「合理的」な側面はあり、私も日々、スピーディーに多くのミーティングを行えることの恩恵を感じて
プロジェクトを通じての学習――我々は何をどう学ぶべきなのか
リモートワーク化の流れ、そして、プロジェクト単位の働き方の普及は、そこで仕事をする人がいかに学ぶか、ということにも大きな影響を与えているように思います。
リモートワークについて言えば、従来の対面を前提とした働き方であれば、先輩や上司がどのように振る舞っているかということが日常的に把握することができましたが、リモートワーク環境になると、MTGかチャットツール以外で他者の振る舞いを知ることができず、
ChatGPT:5分でプロジェクト設計・会議のアジェンダ設計ができるプロンプト
ChatGPTを活用して、5分で「プロジェクト設計」「マイルストーン設計」「会議のアジェンダ設計」ができるプロンプトをご紹介したいと思います。
プロジェクトの「ゴール設計」「マイルストーン設計」「会議のアジェンダ設計」をする際に、ChatGPTはとても良い壁打ち相手になってくれます。
本ブログで紹介するプロンプトから出力された結果を、コパイロツトで開発・サービス提供しているプロジェクト設計・M
変化し続けるためのふりかえりー様々な視点を行き来しながら自己と対話する
プロジェクトマネジメント協会の元会長であるアントニオ・ニエト=ロドリゲスが「現代の経済の原動力はオペレーションからプロジェクトへと置き換わった」と指摘するように(出典:「プロジェクトエコノミーの到来」(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2022年2月号))、現代は「プロジェクトの時代」と言えます。プロジェクトは「必ず、過去に行われたことのない何かが含まれる」ものですが、現代社会はその傾
もっとみるプロジェクトを始める際に、まず何を考えればよいのか
プロジェクトを始める際に行うべきことの1つとして、「プロジェクトをどのように行っていくか」という計画(プロジェクト計画書)の策定があります。そこでは、プロジェクトの目的は何か、実施内容は何か、それをどのようなスケジュールで行っていくか、体制・コストをどうするか、コミュニケーションはどのようなツールを用いてどのように行うかなどが言語化されますが、プロジェクトを始めるタイミングで重要なのは、プロジェク
もっとみる対話とは、まちづくりの中で連綿と受け継がれる言葉を生み出すもの
いま、とある公共施設の検討に関わらせてもらっているが、あらためて地域の公共施設は対話的プロセスの上で検討されるべきものだと思う。
行政的には、対話なんかせずに、一部の限られた関係者で検討した方が楽だし、思い通りのものを作ることができるのかもしれないが、それでは、あまりにも失うものが大きい。施設への愛着が生まれなかったり、行政に対する不信感・無関心が増すということだけでなく、何より、地域の人たちが
政策立案パターン・ランゲージ:自ら「知」を生み出すプロセスを通じた「学習」と「組織変革」
昨年(2019年)の夏から、「政策の作り方を作る」という活動を新潟市役所と新発田市役所の有志メンバーと行っている。
以前から知人と「地域シンクタンク」を作りたいという話をしていたのだが、テーマを検討する中で「行政が良い政策を作るためにはどうすればよいのか、何が必要なのか」というところに双方の問題意識があったので、「政策の作り方を作る」ことを地域シンクタンクとしての活動の最初のプロジェクトとするこ
知的生産ツールとしての議事録
一般的に、「議事録」というものは実に可愛そうな扱いをされているように思う。 議事録を書かなければならない人にとっては面倒くさい作業で、議事録を読む側もさらっと目は通すものの、それほどのありがたみを感じていない。
しかし、本来、議事録は創造性の源泉であり、これがどのような内容でどのように作られているか、ということはその組織やコミュニティの創造性の度合いを表しているといっても決して言い過ぎではないと
真鶴の「美の基準」:大切なものを守り、新しいものを生み出す
パターン・ランゲージで有名な事例の一つに、真鶴(神奈川県)の「美の基準」がある。「美の基準」は、建築家のクリストファー・アレグザンダーが提唱したパターン・ランゲージを参考にしながら1994年に作られた「まちづくり条例」で、「真鶴町の住民が昔から受け継いできた『生活が息づくための作法』」(http://machinale.net/manazuru.html)を言語化したものである。私は以前から「美の
もっとみる「具体と抽象」、そして「過去と未来」を行き来する情報と知
前回の記事では、組織内で情報・知が流れることの重要性について指摘したが、今回は、組織内で情報・知が流れるとはどういうことなのか考えてみたい。
単なる「情報共有」ではなく、「理解」と「仮説」を生み出すこと組織は何かしらの共通的な目的に向けて活動を行う集団と言えるが、だとすると、組織内で共有すべき情報や知も、単に物理的に共有をすれば良いというものではなく、それぞれの部署やメンバーが理解し、次の行為(