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日常と音楽と猫🐈 やや頻繁に草野マサムネ

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人として残念に思うのはエロ垢でも金ばら撒き垢でもない

相互になったとたんに相手を空気のごとく透明化して、数字の一部にしてしまうアカウントだ

それは結婚をゴールと思う人か、始まりと思う人かの違いによく似ている

その関係がかならずしも永遠とは限らないところも

nana
2週間前
31

猫を待つ書斎の窓

いつも少しだけその窓はあいている。晴れの日も雨の日も、冷たい風の通り抜ける冬の日も日差しのふり注ぐ夏の日も。 毎日の散歩道にある家の一階窓。ひっそりとあいた窓の…

nana
11日前
115

#私が一番恐ろしかった本

Xで『 #あなたが一番恐ろしかった本 』がトレンド入りをした。 恐ろしかった本と言われて真っ先に思い浮かぶのは小野不由美さんの『残穢』というドキュメンタリーホラー小…

nana
1か月前
79

ひとを好きになるのには時間がかかるけれど、そうでなくなるのには...

とぼんやり思う真夜中

変わらないものなんてないのだけれど
少し寂しいね


〜時間は流れていくし、人も流れていく。
 変わらずにはいられないんだよ

    江國香織『きらきらひかる』

nana
1か月前
62

永遠解く力をください

26年間の命から溢れ出る言葉はキラキラと涙の雫となって心の深い部分へ染み透っていく。   切れやすい糸でむすんでおきましょう   いつかくるさようならのために 作…

nana
1か月前
108

猫を追いかけて(2)

2024年、元日早朝に家のインターフォンのベルが鳴った。静かな朝の住宅街、もしかしてという胸騒ぎに階段を駆け降りる。 玄関を開けると知らないご婦人が車を停めて立って…

nana
3か月前
162

猫を追いかけて(1)

あの日から私の生活は一変した。我が家の大切な家族だった猫が突然姿を消したのだ。何の手掛かりもないまま、昼夜の区別なくひたすら捜索する日々。あの子を再びこの胸に抱…

nana
5か月前
139

ある昼下がり

「美味いチキン南蛮といえば◯◯なんだよね」 話好きの先輩の声がする。パソコンから顔を上げるとどうやら私に話しかけているらしい。 「◯◯ってどこにあるんですか?」 …

nana
6か月前
142

コトバ以上のもの

いつも見てくれてありがとう 本の感想も 小さなタグさえも肯定してくれるあなたへ 心が痛む日があっても 私の小さな呟きに 気づいてくれるあなたがいるから 私はまた前へ…

nana
7か月前
70

あなたのコレクション 

今日は少し否定的なことを書く。と、前もって書いておこうと思う。 度々『X』(元Twitter)でアップされる、さる人物の『本棚?』を見かけるたびに心が曇る。 うず高く天井ま…

nana
7か月前
62

君のいた夏

どこまでも続く青い空に、眩しいほどの白い積雲が広がる。78年前、この地から多くの若い命が空へ向かって飛び立った。 17歳から最年長でも32歳。平均21歳の彼らに会うため…

nana
8か月前
137

昨日のままの自分だと、少しつまらないよ

タイトルは最近読んだ林真理子さんの『成熟スイッチ』からの言葉。 林真理子という人は私にとっていつも新しい視点を与えてくれる作家さんだ。 考えればどうしようもない…

nana
11か月前
86

言葉はなくとも

ぼんやり考え事をしている時に温かく体に触れるもの。気づくと2匹の猫がいつのまにか両側に寄り添っていた。 「どうしたの?」と私に尋ねることもなく無言のままで。 でも…

nana
1年前
78

ラジオデイズ

先週の金曜日は憂鬱な日だった。なぜなら遠く離れた2つの銀行、郵便局に行き、面倒な手続きの数々を済ませなくてはならなかったから。 どこから先に行けば効率的なんだろう…

nana
1年前
165

お忙しい中、いつも読んでくださり、ありがとうございます🙏

ホームに伺うのですが、記事のない方や、全部♡を押してしまっている方はいいねを押す所がなく心の中でいつも感謝しています。

そしてあなたのこれまでの記事とお写真を辿っています。

あなたがお元気でお幸せでありますように🍀

nana
1年前
70

病室の風景

このたび2度目の入院、手術を受けて週末退院した。昨年末1ヶ月余りの入院生活に比べれば短い1週間。 出血があるので頭痛や体の怠さはあるけれど、まあまあ本も読めるし昨…

nana
1年前
210

人として残念に思うのはエロ垢でも金ばら撒き垢でもない

相互になったとたんに相手を空気のごとく透明化して、数字の一部にしてしまうアカウントだ

それは結婚をゴールと思う人か、始まりと思う人かの違いによく似ている

その関係がかならずしも永遠とは限らないところも

猫を待つ書斎の窓

猫を待つ書斎の窓

いつも少しだけその窓はあいている。晴れの日も雨の日も、冷たい風の通り抜ける冬の日も日差しのふり注ぐ夏の日も。

毎日の散歩道にある家の一階窓。ひっそりとあいた窓の向こうには飴色の書棚に几帳面に並べられた本が見える。

どんな方が住んでいるのだろう。網戸ごと開けられた窓を横目に何となく違和感を覚えながら通り過ぎる。数ヶ月後にその住人と本の話をすることになるとは夢にも思わずに.....

少し肌寒くな

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#私が一番恐ろしかった本

#私が一番恐ろしかった本

Xで『 #あなたが一番恐ろしかった本 』がトレンド入りをした。
恐ろしかった本と言われて真っ先に思い浮かぶのは小野不由美さんの『残穢』というドキュメンタリーホラー小説だ。

『残穢』は造語のため辞書には載っていない。しかし漢字から推測できるよう、『残った穢れ(けがれ)』を表す。

家、または部屋に残された穢れ。簡単に言うと事故物件ということなのだろうか。小説のあらすじをかいつまむと...

あるミ

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ひとを好きになるのには時間がかかるけれど、そうでなくなるのには...

とぼんやり思う真夜中

変わらないものなんてないのだけれど
少し寂しいね


〜時間は流れていくし、人も流れていく。
 変わらずにはいられないんだよ

    江國香織『きらきらひかる』

永遠解く力をください

永遠解く力をください

26年間の命から溢れ出る言葉はキラキラと涙の雫となって心の深い部分へ染み透っていく。

  切れやすい糸でむすんでおきましょう
  いつかくるさようならのために

作者の笹井宏之さんは26歳という若さで2009年に夭折した歌人。身体表現性障害という病で療養されていた。

身体表現性障害とは、自分以外のすべてのもの、例えば本や音楽、街の風景、誰かとの談話、木々のそよぎ...どんなに心地よさや楽しさを

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猫を追いかけて(2)

猫を追いかけて(2)

2024年、元日早朝に家のインターフォンのベルが鳴った。静かな朝の住宅街、もしかしてという胸騒ぎに階段を駆け降りる。
玄関を開けると知らないご婦人が車を停めて立っていた。
「あの、探されていた猫は見つかりましたか?」
あの子の情報⁉︎ひょっとして保護して連れてきてくださったのだろうか。
「いいえ、まだ...」車の方に思わず視線が走る。ご婦人の方も興奮気味にスマホをなぞり、画像を探っている。
「今朝

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猫を追いかけて(1)

猫を追いかけて(1)

あの日から私の生活は一変した。我が家の大切な家族だった猫が突然姿を消したのだ。何の手掛かりもないまま、昼夜の区別なくひたすら捜索する日々。あの子を再びこの胸に抱きしめることを信じて、そして今、またこれから同じ思いをするかもしれない猫飼いさんへの共有として捜索の日々を記録しようと思う。

あの日の午後、私は買い物に出かけた。いつものように玄関で見送ってくれた2匹の猫達に「すぐ帰ってくるからね。美味し

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ある昼下がり

ある昼下がり

「美味いチキン南蛮といえば◯◯なんだよね」
話好きの先輩の声がする。パソコンから顔を上げるとどうやら私に話しかけているらしい。

「◯◯ってどこにあるんですか?」
聞けば毎日通っている通勤路、そんなお店あったっけ...?と思い巡らしつつも店名をメモる。
「いや、汚い店なんだけどさ、美味いんだよ。ラーメンもあってさ。ただ量が多すぎるんだよね」

帰り道、教えられた場所には看板が剥げて店名もよくわから

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コトバ以上のもの

コトバ以上のもの

いつも見てくれてありがとう
本の感想も
小さなタグさえも肯定してくれるあなたへ

心が痛む日があっても
私の小さな呟きに 気づいてくれるあなたがいるから 私はまた前へ進める

あなたは今 幸せでしょうか
私の知らないあなたの日常のなかで

あなたの見ている風景を
いつの日か また一緒に眺められたら

コトバは大切だと思って生きてきたけれど
コトバ以上に人の心を温かく包み込み
または傷つけるものが

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あなたのコレクション 

あなたのコレクション 

今日は少し否定的なことを書く。と、前もって書いておこうと思う。

度々『X』(元Twitter)でアップされる、さる人物の『本棚?』を見かけるたびに心が曇る。
うず高く天井まで届きそうなくらいに積み上げられた本たち。一部屋はそのような本のかたまりで占領されている写真を定期的に出すのは自慢のコレクションなのだろう。

賞賛やいいねが多い中、私は1番下の本はどうなっているのだろうと考えてしまう。長らく

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君のいた夏

君のいた夏

どこまでも続く青い空に、眩しいほどの白い積雲が広がる。78年前、この地から多くの若い命が空へ向かって飛び立った。

17歳から最年長でも32歳。平均21歳の彼らに会うために4度目の鹿児島知覧特攻平和会館を訪れた。初めて入館した時は、おびただしい遺影と朽ちかけた零式艦上戦闘機に足がすくんだことを覚えている。館内をじっくりと回って改めて思うのは敗戦を迎えるまでの半年間にいったい何が起きていたのかという

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昨日のままの自分だと、少しつまらないよ

昨日のままの自分だと、少しつまらないよ

タイトルは最近読んだ林真理子さんの『成熟スイッチ』からの言葉。
林真理子という人は私にとっていつも新しい視点を与えてくれる作家さんだ。

考えればどうしようもない深みに心が沈んでいきそうな時がある。そんな時に彼女の文章は私の手を掴み、深みから引っ張り出す。

「世の中には耐えなければならないこと、自分の思い通りにはならないことがあることを知りなさい」
自分で選んだ人生は、自分で落とし前をつけなけれ

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言葉はなくとも

言葉はなくとも

ぼんやり考え事をしている時に温かく体に触れるもの。気づくと2匹の猫がいつのまにか両側に寄り添っていた。
「どうしたの?」と私に尋ねることもなく無言のままで。

でも彼らの体から「よかったら撫でてもいいんだよ?」のオーラが出ているので、その湿った鼻先に頬を寄せる。ふわふわとした柔らかな胸にたっぷりと顔をうずめる。
ひなたのいい匂い。ぷにぷにした癒しの肉球をそっと握り、その体を抱きしめる。
されるがま

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ラジオデイズ

ラジオデイズ

先週の金曜日は憂鬱な日だった。なぜなら遠く離れた2つの銀行、郵便局に行き、面倒な手続きの数々を済ませなくてはならなかったから。
どこから先に行けば効率的なんだろう。慣れない街中の混んでいる道を思うと気が重い。

車に乗りこんでとりあえず出発。憂鬱な時は関係のない面倒なことまでさらに思い出すもので、車窓の風景が流れる中、小さくため息を漏らす。

運転中は考え事をしてはいけない。気分転換にいつもは聴か

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お忙しい中、いつも読んでくださり、ありがとうございます🙏

ホームに伺うのですが、記事のない方や、全部♡を押してしまっている方はいいねを押す所がなく心の中でいつも感謝しています。

そしてあなたのこれまでの記事とお写真を辿っています。

あなたがお元気でお幸せでありますように🍀

病室の風景

病室の風景

このたび2度目の入院、手術を受けて週末退院した。昨年末1ヶ月余りの入院生活に比べれば短い1週間。

出血があるので頭痛や体の怠さはあるけれど、まあまあ本も読めるし昨年よりはまし。と、あの精神的にも辛かった1ヶ月とつい比較してしまう。

「熱が38.5を上回ったら退院は見送りましょう」との主治医の説明に焦る。看護師さんが体温を測りに来るたびにドキドキする。

今回は2人部屋、90近い高齢の女性と同じ

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