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ポール・オースター「鍵のかかった部屋」
美しい妻と小説の原稿を残して失踪したかつての友人ファンショー
残された小説を託された「僕」はそれを出版し さらにファンショーの伝記を書くことになった
友人の過去をたどり 今の居場所を探しまわるうちに 僕の中に確かにあった何かが少しずつ壊れはじめる
ファンショーは今どこにいるのか はたして生きているのか
いや 今までも本当に存在していたのか
ひょっとして 僕の心が創り出した ただの幻なのか
今
上橋菜穂子「精霊の守り人」
東洋系異世界ファンタジー
子ども向けと侮るなかれ 大人が読んでも充分楽しめる
上橋さんらしくしっかりと世界が構築されているので 映像が頭の中に浮かぶようで 時間を忘れて物語の中に入り込んでしまう
まず主人公のバルサが30代の女性という設定が素晴らしい
ファンタジーの主役には勇敢な美少女か気の弱い少年しかなれないものと思っていたが 大きな誤解だ
自分が背負わされた惨い運命と心の傷と戦いながら
命