渡辺ミッチェル

昼間は地方議員・渡辺みちたかをやっています。日が暮れて議員閉店後に渡辺ミッチェルが書い…

渡辺ミッチェル

昼間は地方議員・渡辺みちたかをやっています。日が暮れて議員閉店後に渡辺ミッチェルが書いています/noteは書くのも好きだけど読むのも好きです/まじめな政治のことはブログで書いています→https://watanabemichitaka.hatenablog.com/

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  • 三世議員のゆる政治エッセイ

    昼間は渡辺みちたか、夜は渡辺ミッチェル。祖父、伯父、兄、義姉、身内は政治家だらけの三世議員による政治エッセイ (1000-2500字、週1更新)

記事一覧

固定された記事

夜の街、昼の顔(歌舞伎町ルポタージュ)

 私が新宿区議会議員になりたての頃、繁華街の通りを歩いているとふと気配を感じて振り向くと、路地裏で男同士が行為に及んでいた。私はすごい場所の議員になってしまった…

陳情(お願い事)と見返り【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.5】

 江東区の議員が入札情報を漏らして捕まった時、のちに逮捕される千代田区の嶋崎区議が「えっ、そんなことで捕まっちゃうの?」と漏らしたという。このコンプラ感覚には驚…

なぜ野党は内ゲバするのか【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.4】

 「自民党って国会議員を休ませない政党だよな」と参議院議員だった兄が自民党に入ったとき、ボヤいていた。  自民党はパーティー政党だ。5月に派閥のパーティー(当時…

地平線まで広がるnoteで輝く文章をみつける楽しさ

 私は文を書くのも好きだけど、読むのも好きだ。noteを初めて1か月、いろんな人のnoteを読んだ。「この人、プロでしょ!?」ってくらい上手い文章や、ビジネスや行政に真…

ここでは愛情と友情は有料です(キャバクラ文学)

 私にはたくさん彼氏がいる。 キヨさんと、やっちゃんと、ミッチーと…… 仕事の前に一緒に食事をすることはあるけど、みんなお店の中で会っている。 キヨさんはまだ付き…

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「わたなべ」さんの悲劇

出席番号で鍛えられること  私は生まれてから38年ほど渡辺を名乗っている。6歳で学校に入るとあいうえお順で決められる出席番号が割り振られ、ワタナベはかなりの確率で…

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那須の道(①那須塩原駅~千本松牧場・那須野が原公園)

5月の那須  那須は避暑と紅葉で有名だが、新緑の季節も美しい。木々の鮮やかな緑が目に痛いくらいで、その若々しさは枝を伸ばして広げてゆこうとする力強さがある。  …

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泡沫候補による選挙妨害 雑感(衆議院東京15区補選)【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.3】

 今回の東京15区の補選は無茶苦茶だった。たった一人、それも泡まつ候補(根本)陣営が他候補の選挙活動に度を越えた妨害を行い、文字通りの「選挙にならない」状態となっ…

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無遅刻無欠席という美徳

 Dという同級生がいる。彼は小学校から高校卒業までの12年間、無遅刻無欠席で皆勤賞を達成した頑強な体の持ち主だ。高校卒業の時にその話を聞いて、すげーなと言ったら、…

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アルコールとの闘い

 昨年の2月ごろ、2期目の選挙が近くなって当選の願掛けのため禁酒を始めた。普通にやっても続かないと思ったので、Twitterで宣言した。 アルコールの離脱症状  このこ…

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人は見た目も重要だ

半恒久的ダイエッター  ずーっと昔、はあちゅうが自らを「半恒久的ダイエッター」と自虐(?)して以来、その表現が気に入って勝手に使っている。  現代社会は一日三食…

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生贄の羊は肥えていたほうが神々は喜ぶ【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.2】

 派閥の裏金事件の処分がいちおう、完了した。SNSでは「軽すぎる」、「甘い」と言われている。だけど、本気で総理を目指してきた野心ある男たちにとっては、痛い痛い処分…

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選挙の神様が選挙で負けた日【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.1】

 矢板の市長選挙で現職の齋藤淳一郎が落選したニュースで衝撃を受けている。接戦という噂は聞いていたので、結果が意外で驚いているのではない。私の中で齋藤淳一郎は選挙…

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夜の街、昼の顔(歌舞伎町ルポタージュ)

夜の街、昼の顔(歌舞伎町ルポタージュ)

 私が新宿区議会議員になりたての頃、繁華街の通りを歩いているとふと気配を感じて振り向くと、路地裏で男同士が行為に及んでいた。私はすごい場所の議員になってしまったんだなと実感したが、その後5年の月日が経ち、以来、男同士はおろか屋外でそういうシーンを見たこともなく、極めて珍しい事例だったとわかったが、つくづく新宿歌舞伎町は唯一無二の特殊な繁華街だなと思う。

 JR新宿駅で降りると東口から新宿三丁目駅

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陳情(お願い事)と見返り【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.5】

陳情(お願い事)と見返り【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.5】

 江東区の議員が入札情報を漏らして捕まった時、のちに逮捕される千代田区の嶋崎区議が「えっ、そんなことで捕まっちゃうの?」と漏らしたという。このコンプラ感覚には驚くが、かつては議員の仕事として当然に行われていたことが、いまでは許されないという話は多い。だから、今日おこなわれている「陳情の処理」が、あとになって「行政への口利き」として受けとめられることがあるかもしれない。

 一番わかりやすいのは「交

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なぜ野党は内ゲバするのか【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.4】

なぜ野党は内ゲバするのか【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.4】

 「自民党って国会議員を休ませない政党だよな」と参議院議員だった兄が自民党に入ったとき、ボヤいていた。

 自民党はパーティー政党だ。5月に派閥のパーティー(当時)、夏に県連のパーティー、秋に自分のパーティー、これらにはそれぞれノルマがある。ほかにノルマは自民党員の獲得もあって、時期になると支援者をまわって、「パー券、10枚お願いします」、「党員になってください。できればご家族の分も」とお願いをし

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地平線まで広がるnoteで輝く文章をみつける楽しさ

地平線まで広がるnoteで輝く文章をみつける楽しさ

 私は文を書くのも好きだけど、読むのも好きだ。noteを初めて1か月、いろんな人のnoteを読んだ。「この人、プロでしょ!?」ってくらい上手い文章や、ビジネスや行政に真剣に携わっている、文字通りのプロフェッショナルが書いた記事がゴロゴロ転がっている。

 でも、そういう記事は必ずしもフォロワーやスキ!が多いとは限らなくて、スキ!は少ないけど、良い文章に出会うと、独占した気分になるのと同時に、この書

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ここでは愛情と友情は有料です(キャバクラ文学)

ここでは愛情と友情は有料です(キャバクラ文学)

 私にはたくさん彼氏がいる。 キヨさんと、やっちゃんと、ミッチーと…… 仕事の前に一緒に食事をすることはあるけど、みんなお店の中で会っている。 キヨさんはまだ付き合って数日。やっちゃんは私が客と寝ないことを知っていて、それを何とか落とそうとしている。我ながらあと一押しで落ちるかもしれない感はうまく出せている。

 ミッチーはガチ恋客で、私を「人生で初めて好きになった人だ」という。 こういうヘビー級

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「わたなべ」さんの悲劇

「わたなべ」さんの悲劇

出席番号で鍛えられること

 私は生まれてから38年ほど渡辺を名乗っている。6歳で学校に入るとあいうえお順で決められる出席番号が割り振られ、ワタナベはかなりの確率で出席番号がクラスで一番最後になる。中学校でも高校でもそれは続く。ワタナベより強い苗字は和田(わだ)、綿貫(わたぬき)くらいだろうか。

 学校生活では、なにかにつけこの出席番号順が使われ、当然ワタナベは最後に出番がくる。授業で発表する時

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那須の道(①那須塩原駅~千本松牧場・那須野が原公園)

那須の道(①那須塩原駅~千本松牧場・那須野が原公園)

5月の那須

 那須は避暑と紅葉で有名だが、新緑の季節も美しい。木々の鮮やかな緑が目に痛いくらいで、その若々しさは枝を伸ばして広げてゆこうとする力強さがある。

 東北新幹線、那須塩原駅で下車をすると、東京と違う空気の冷たと清々しさがあって、ほんのり牧場(まきば)のにおいがする。

 駅前で車を借りて、千本松牧場へ向かう。途中、水が張られたばかりの田んぼが目の前に広がり、水面が日の光を反射して鏡の

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泡沫候補による選挙妨害 雑感(衆議院東京15区補選)【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.3】

泡沫候補による選挙妨害 雑感(衆議院東京15区補選)【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.3】

 今回の東京15区の補選は無茶苦茶だった。たった一人、それも泡まつ候補(根本)陣営が他候補の選挙活動に度を越えた妨害を行い、文字通りの「選挙にならない」状態となった。公選法は候補者の政策や思いを広く一般に伝えるため様々な権利や制限が規定されているが、逆に妨害する側が公選法を盾にして、有権者に政策が伝わらない事態にしてしまった。

 今回の選挙妨害は法の間隙をつくやり方で、一般人がやればただの犯罪で

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無遅刻無欠席という美徳

無遅刻無欠席という美徳

 Dという同級生がいる。彼は小学校から高校卒業までの12年間、無遅刻無欠席で皆勤賞を達成した頑強な体の持ち主だ。高校卒業の時にその話を聞いて、すげーなと言ったら、「毎朝、早く家を出ろって怒鳴ってくれた母親と二人でとったようなもんだ」と高校生らしくないコメントをしていた。人間もできていて素晴らしい。

 学校や職場を休まないことは、ある時期まで評価の対象だった。職場では「風邪くらいで休むな」、「仕事

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アルコールとの闘い

アルコールとの闘い

 昨年の2月ごろ、2期目の選挙が近くなって当選の願掛けのため禁酒を始めた。普通にやっても続かないと思ったので、Twitterで宣言した。

アルコールの離脱症状

 このころアルコール依存の入り口(プレアルコホリック)にいたようで、禁酒開始から2,3日経つと後頭部がズキズキ痛んだ。なんだろうと思って調べたらアルコールの離脱症状だった。つまり、常に血中にアルコールが入っていて、これが抜けると頭の血管

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人は見た目も重要だ

人は見た目も重要だ

半恒久的ダイエッター

 ずーっと昔、はあちゅうが自らを「半恒久的ダイエッター」と自虐(?)して以来、その表現が気に入って勝手に使っている。

 現代社会は一日三食を心置きなく食べると必ず太るというバグがある。もちろん食べても太らないよ、っていう人もいるんだろうけど、そういう人は普段から体を動かしているか、あるいは代謝がすごくよくて、昔のアメ車のようにガソリンをめちゃくちゃ食う体のつくりなんだと信

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生贄の羊は肥えていたほうが神々は喜ぶ【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.2】

生贄の羊は肥えていたほうが神々は喜ぶ【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.2】

 派閥の裏金事件の処分がいちおう、完了した。SNSでは「軽すぎる」、「甘い」と言われている。だけど、本気で総理を目指してきた野心ある男たちにとっては、痛い痛い処分になった。これで総理レース、安倍派の大物はみんな「一回休み」。次の選挙は相当厳しいだろうから、結果次第で一回休みどころか致命傷になるかもしれない。

リクルート事件後の政局

 むかしリクルート事件なるものがあった。リクルートの上場直前の

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選挙の神様が選挙で負けた日【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.1】

選挙の神様が選挙で負けた日【三世議員のゆる政治エッセイ Vol.1】

 矢板の市長選挙で現職の齋藤淳一郎が落選したニュースで衝撃を受けている。接戦という噂は聞いていたので、結果が意外で驚いているのではない。私の中で齋藤淳一郎は選挙好きの選挙オタクで、そして選挙の神様だったからだ。その選挙の神様が選挙で負けたことがショックなのだ。

選挙の神様・齋藤淳一郎

 齋藤淳一郎は2011年の統一地方選で彗星のごとく現れた。当時、波に乗る勢いがあった第三極の政党の候補として栃

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