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予感っぽい冬の終わり
春の気配に耐えられなくなって空気清浄機を買った。目と喉がいがいがするし、起き抜けに鼻血が出る。花粉症って本当に意味がない。その分、体がつらいことがそのほかの病気を上回ってみじめ。小さいけど12畳くらい清めてくれるらしい。なんだか空気の張りが違う。それで楽になるなら別にプラシーボ効果でもいい。親が絶対に必要なのに買おうとも思っていないもの第一位の空気清浄機を買ったので、次は食洗機、その次はドラム式洗
もっとみる雪に見惚れるようにあなたは
誰に頼まれてもいない日記を書こうと思って、冷たいノートパソコンを撫でる夜が本当に大切だと思う。この夜を守るためなら私は狭いバスルームの1Kにいつ戻ってもいい。すぐに他人の部屋の匂いがする安っぽい薄い壁の部屋。それを思い出しながらも、実家の大きなバスタブで両足を伸ばしきって温まった私の体は本当に贅沢だ。
正月に引いたしつこい風邪がほとんど治って、雪の積もった森の中を歩いてみた。私の散歩道には一応コ
追いかけちゃいけないたましい
人に会うと会った時間×2倍 寝ないと頭の疲れが解消されない。頭が疲れていると好きな趣味が何もできないので体を持て余す。でもしばらくはこうだろう。思い切り眠ると起きた世界が明るい。
今月から思いもよらない部署に異動になって、「なんで?」と思いながら出社したんだけど、意外となんとかなるかもしれない。なんとかなるならいいや。今までの勤務先とは何か問題が起こる度に気が済むまで揉めたらすぐに辞めていたけど
子どもがいなくても幸せになれてしまうかもしれないということについて
近所に弟の家が建った。厳密に言うと弟夫婦の家だけど、私にとって、より身近なのが弟なのでそういう書き出しにしておく。私には弟が二人いる。家を建てたのは真ん中の弟だ。彼は小さい頃から赤ちゃんが好きで、5つ歳の離れた末の弟が生まれた時は、彼のことを溺愛していた。それはもう頬いっぱいにキスマークができて赤ちゃんとは思えない肌荒れを常時引き起こすレベルだった。私は引いていた。義理の妹も子どもが好きなようで、
もっとみるどのトキメキを守りたい?
長期的な努力をつづけていると、初期衝動を忘れてしまう。「できるようになりたい」「やってける自分になりたい」という柔らかい気分を、そのままの形で手垢をつけずとっておく方法は少ない。たとえばいい感じの音楽を聴くことくらいしかない。それすら、他者の言語であることには変わりないので、気分の丸い輪郭はすこしずつすこしずつ損なわれてしまう。だから何というわけでもないのだけれど、この気分くらいは言葉で書き残して
もっとみる宇宙人とは友達になれない
宇宙人の話をしたときに
まあ自分達だって
他の星から見れば宇宙人だからと
すっとぼける
そういうお愛想
いけ好かない
けど
嫌いになれずに笑ってしまう
これは何回目?
使わずにとっておいた
ひとりの人間を壊せるだけの正義
パワー
無駄だね
こんなに明るいのに冷たい夜がある
五年前からここにあるベンチに
座っている しずかに
ここが星だとなぜわかったの?