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鳥居れな
2024年4月18日 12:05
私は今どこにいるのかな。°°東京の片隅、一人暮らしの小さなアパート1080×1920ピクセルの画面の中を泳ぐシーラカンスディズニーランドに吹き荒れる台風の目の中国分寺クウフクで旧友と舐めるラフロイグ18:56 SL広場の木の下と折り畳み傘北参道で白いコンバースの靴紐をちょうど結ぶところ満開の桜の花びらに触れる霧雨は夢現明け方4時のピアノと揺れるトルコランプ慣れ
2024年3月15日 19:42
ふたつ年上の兄は小学校4年生まで、ふっくらとしていた。ところが5年生になった途端、母と私に決意表明かのように「おれは今日から、お母さんとも、れなとも、もう風呂には入らない。」と断言し、みるみるうちにイケメンへと転身したのだ。その頃のことは下記の記事をぜひ。イケメンになってしまった兄は、妹とは違って運動神経がよかった。幼馴染のたつやくんのお父さんが、空手の先生をしていたこともあり兄
2024年3月9日 00:13
静寂には静寂の音がある。静寂の音がうるさい日は心がひとりぼっちな時。人間朝起きてから眠りにつくまで、ずっと考え事をしている何をそんなに考えているのか思い返してみると、そんなに大した事ではないのか、大半覚えていない。ただ選択をしていることも多いのだろう。外側が静寂を貫いている間も、内側の私は喋り続ける。テーブルを拭きながら私が何を考えているか知らないでしょう?階段を登りながら私が
2024年2月29日 22:10
子どもの時、毎週末 母方の祖父母の家に泊まりに行っていた頃がある。母方の祖父母はガラス屋さんで、母の弟の哲也も後を継いで一緒に暮らしていた。わたしは自分の叔父である哲也が、子供の頃から大好きだった。ぽっちゃり……と言うよりは、ぶってん!と言った感じ。 怒らないでね。大きなトラックの運転が上手だったり、ぶてっと黒い手でありながらガラスに綺麗な線をピーと引いたり、あんなに大きな体なのに声
2024年2月18日 13:04
私は脱皮したかった。あらゆる夜が怖くて。孤独から逃げようとしていることに気付いた時寄りかかっていたものからきっぱり離れることができる大人になりたい。もう1人でも怖くなくなるように。1度も振り返ったりせずに。今年は梅雨に入ってからも晴れ間が多く、例年のガックリ落ち込む遅延五月病も発症していない。わたしは夏がすごく好き。空が高くて、雲が真っ白で、野菜がきれいで葉っぱが青くて、ノ
2024年2月16日 13:25
ステージ上に身を乗せた自分は夢うつつ自分に向けられたまなざしを食べる。どこにだって行けるような気持ちにさせてくれる色とりどりの照明を全身に浴びながら大きく息を吸い込み背伸びをする。音は海。とめどなく寄せては返す波と、どこまでも深く潜っていける未知の場所冷静ではいられない閑かな熱がそこに存在している。音の輪郭を撫でながら、かなしみの淵を歩いたり、おとぎの国の中でワルツを踊ったり
2024年2月9日 15:10
私にはふたつ年の離れた兄がいる。これまでの記事で何度か兄が出演した回もあるがお分かりの通り兄には阿呆な一面がある。兄にはよく口喧嘩でボロボロにやられて泣いていたが、意外と遊んでくれた。だが時々その遊びが、男の子の男の子による男の子のための遊びすぎて私にはついていくのが精一杯なことがあった。だけど兄が遊びいく時、「レナもついてくる?」と聞いてくると、年上の遊びに参加できることがとても
2024年2月2日 15:55
小学生のころ、通学路に交通安全のおじいさんがいた。みどり色のキャップをかぶって時々、登校時間だけでなく学年によって下校時間もばらばらなのに帰り道にも子どもたちを見守っている時があった。幾人か見守り隊はいたけれど、ランドセル時代のれなちゃんには1人だけ仲良しのおじいさんがいた。何度も聞いたし、呼んでいたあのおじいさんの名前を、いま思い出せないのが悲しい。思い返してみても本当
2024年1月30日 22:25
去年の冬、職場の方からクナイプのハンドクリームをいただいた。オレンジ色の小さなチューブパッケージに青空とくまちゃんがにっこり。「明日も笑って」の文字につい心がほんわかした、なんだかもったいなくて、開けるまで時間がかかったいよいよ乾燥で手が痛くなって、シルバーのキャップを取る時が来た。豆粒ほどをぷくっと左の手の甲に乗せて温めながら伸ばすとふんわりと香る優しい香りに驚いた。これはなん
2024年1月18日 10:26
2015年4月1日鳥居れなのターニングポイント放送日はエイプリルフールだった。私はこの目でテレビに映っている自分を確かめるまでもしかしたら神様による大掛かりな嘘か、たいへん長い夢かと疑っていたようだった。例えばあの時、これはいい経験になったなあ。と、人生の記念品で終わらせていたら。もしもあの時、現実的じゃない。と、半分大人の脳で尊い希望を見て見ぬふりしていたら。例えばあの
2024年1月17日 09:13
繰り返される朝に、あなたは昨日と同じコーヒーを飲み同じ服を着て同じ靴で出かける。繰り返される朝に、わたしは昨日と違う朝食を摂り違う服と靴を身にまとって違う化粧で出かける。ながい一日をこなしたあなたと短い今日を寝かしつけるわたし交わらないはずの2人がどうして手を繋いでどうして笑い合ってどうして。好きなものをみんな守りたい。みんな何もかもが違う。私達はみんな孤独の
2023年9月25日 10:34
あれからずっと切れたままだった、キッチンの蛍光灯を私はようやく昨日新しく取り付けた。切れた蛍光灯の形を、捨てる時に写真に取っておいたが本当にこれで大丈夫か不安で店員さんに声をかけた。これのはずだけど、もし違かったらレシート持ってきてくださいね。と優しく微笑む女性が神様のように見えた。帰り際にお互いペコリとお辞儀をして、店を出たやっと買えた蛍光灯を四苦八苦しながら取り付け、紐を引
2023年6月26日 10:28
新宿でよく会う。待ち合わせはしていないから、本当に、寄り道してみたら今日もいた。というくらいの関係。最初はそうだった、彼はいつも無表情でほとんど話さない。というか声も聞いたことがないのだ。ただ瞳の色が青白くとても綺麗で吸い込まれそうになる。人は不思議な存在に惹かれたりするもので、わたしはだんだん、今日はいるのかな…と気にするようになった。ボルボはこれまで何人の人の気になる存
2023年5月30日 14:43
子供の頃、母の背中に耳をくっつけて大人のよくわからない会話を聞くのが好きだった。話を聞いていたというよりは、音。母の体の中で鳴っている声を聞くのが好きだったのだと思ういつも聞いている声よりも、深く共鳴して聞こえる音と体温、かすかな鼓動とがセットになって、心地よいのであった。私が5歳の時に両親は離婚した。それから母は美容関係の店を開いた。私にはふたつ年上の兄がいるので、当時2人の子