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【小説】同じ空の保田(やすだ)さん~regret~ 47
気力のスイッチ、記憶を喚起するスイッチ。
ほんの些細なことで、気にもとめない一瞬で、それはいとも簡単に押される。
あんなに頑なで動かなかったのに。
スイッチがあることすら、時には忘れてしまうのに。
誰にでも必ずあるのだ。
切り替われるスイッチが。
動き出せるスイッチが。
外苑の球場に来たのは何年ぶりだろう?
グッズのショップは昔より明るく、なんだかキラキラ度合いが増し
旅の荷造《たびのにづくり》
旅に出るのは楽しい。特に、泊りがけの時は。
泊まるところを決めて、新幹線の指定席を購入するところから、もう楽しい。
ここ10年ほど、ごく稀に行けるひとり旅では東海道新幹線ばかり乗っている。
くだりは、富士山が見やすい右側座席の窓際。
のぼりも、富士山が見やすい左側座席の窓際。ただし、帰りが夜だとよく見えないから通路側もアリ。
幼いころから、遠出の旅行といえば、母の実家へ向かう東海道新幹線だっ
【ドラマで見る女性と時代】その4の拾伍『光る君へ』まひろは石山寺詣で偶然に藤原兼家の妾・寧子(やすこ)と出会う。寧子は、兼家との日々を『蜻蛉日記』に綴ることで、妾としての己の悲しみを救ったとまひろに語る。「書くことで悲しみを救う」、寧子の台詞が文字書きにはよりいっそう深く響いた。
【ドラマで見る女性と時代】その4の拾四『光る君へ』藤原により大宰府へ追いやられた源高明の娘・明子は道長の妻。立場を利用し道長の父・兼家の扇子を手に入れ父の無念を晴らすべく呪詛。その念が届いたのか兼家は死に至り明子の腹の子は流れる。能面のような明子の無表情に決意の固さが表れていた。
【ドラマで見る女性と時代】その4の拾参『光る君へ』藤原道兼の孫・一条天皇が元服、同じく道兼の孫にあたる藤原定子(さだこ)が入内。定子は『変顔』でお上を和ませ、さらにお上の好きなものを自分も好きになりたい告げ、まだ幼いお上の心をしっかり掴む。その後も深い愛情を育み続ける二人となる。