岩崎輝央/編集者

81年生/出版社キノブックス勤務/ビジネス書編集者から小説編集者に脱皮中/過去の担当作…

岩崎輝央/編集者

81年生/出版社キノブックス勤務/ビジネス書編集者から小説編集者に脱皮中/過去の担当作や編集についてなどを書きます/好きな言葉は「差別化」/ オンラインサロン「t.i 小説編集ラボ」主催 https://camp-fire.jp/projects/view/80826

記事一覧

ひとつの本の書評をよみくらべてみる。

発売からひと月がたちまして、 ありがたいことにいくつかの媒体で取り上げられた 『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』(古内一絵 キノブックス刊) の書評をいくつか、一…

本は家のインテリアになるのか?

飲みかけのコーラのペットボトルを冷蔵庫に戻すときに、 いかに炭酸を抜かないようにするのか悩んでいます。 いまはフタを逆さにして保管していますが、 結局一度で飲み切…

編集者にしか書けない「アネリコ」裏話

小説『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』担当編集者が、製作裏話をしちゃいます。 さてさて。 この小説はもともと、キノブックスのwebマガジン「キノノキ」に2018年5月~2…

まだ夏なのに「2019年最大の収穫!」と言わせた小説とは?

こんにちは! キノブックスという出版社で編集者をやっている岩崎といいます。 「素晴らしい! 2019年最大の収穫といって良い作品!」 「あー、こういうのが読みたかっ…

この小説家を知らないのはマズイ!

★古内一絵さんという作家を知っていますか?★古内さんの作品「マカン・マラン」四部作が最近、数多くの書店でフェアが組まれ、いま、書店員の間で非常に注目されているの…

小説のプロモでプラモを作った話

6月9日にキノブックス文庫から出た『ゴールデンラッキービートルの伝説』という小説の編集を担当しました。 この小説は2012年に新潮社から出版されていて、通常の流れで…

えっ、文庫も売れていないの?

●周囲と違う結果を出したいなら……。周りと同じ行動をとっていたら、同じ結果にしかならない。 周りと違う結果を出したいなら、違う行動をとるしかない。 大好きな言葉…

オンラインサロンに投稿した相談

今日は、僕がオーナーをしているオンラインサロン 「t.i小説編集ラボ」に投稿した記事の一部を掲載します。 ラボ内では一体どんなことをやっているのか。 興味のある方は…

もしも本を手に入れるまでに苦労したなら?

手に入れるまでに苦労すればするほど、やっとの想いで手にした物は、何年経っても色褪せない。 そんなことありませんか? 今回は、もう20年以上前、僕の中学時代の話です…

赤福から考える、本の新しい楽しみ方

赤福って知ってますか? 美味しいですよね! 程よい甘みのあんこで包まれた柔らかいお餅! 伊勢名物! 先日、新大阪駅でこの赤福を購入しました。 調べてみたら、赤福っ…

これからの小説の話をしよう。

少し前まで、小説の楽しみ方は、読むことにありました。 娯楽が少なかった時代は、それだけでも十分だったはずです。 だから、小説は売れていました。 けれど、インター…

タイトル案をオンラインサロンにあげてみた

こんにちは。 出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。 本が売れないといわれる出版業界で「何とかして小説を売ってやる!」と思い、「t.i小説編集ラボ」というオ…

たった一言で人間は変われる

こんにちは。 出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。 本が売れないといわれる出版業界で「何とかして小説を売ってやる!」と思い、「t.i小説編集ラボ」というオ…

8月15日のオンラインサロン日記

こんにちは。 出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。 本が売れないといわれる出版業界で何かできないかと思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立…

ドキュメンタリーとオンラインサロン

こんにちは。 出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。 本が売れないといわれる出版業界で何かできないかと思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立…

本と一緒に○○○を送ったときの話

今回は「差別化」を狙った献本について、半年前に出して現在6刷までいっている担当作を元に、その方法を書きます。 ○どうやったら本を取り上げてもらえる? ○短いタイ…

ひとつの本の書評をよみくらべてみる。

ひとつの本の書評をよみくらべてみる。

発売からひと月がたちまして、
ありがたいことにいくつかの媒体で取り上げられた
『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』(古内一絵 キノブックス刊)
の書評をいくつか、一部分だけピックアップさせていただきます。

そういえば、ひとつの本の書評を見比べてみるというのも、
なかなかないことですね。

【きょうだいなんて、持つもんじゃない?】:山陽新聞デジタル|さんデジ
本書の帯には、こうある。
「兄弟姉妹に

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本は家のインテリアになるのか?

本は家のインテリアになるのか?

飲みかけのコーラのペットボトルを冷蔵庫に戻すときに、
いかに炭酸を抜かないようにするのか悩んでいます。
いまはフタを逆さにして保管していますが、
結局一度で飲み切るのが一番だと気づいた、編集者の岩崎です。

さて。
発売から1週間がたった『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』。
発売前からカバーを見せた人やツイッターで、
「装丁がかわいい!」
「オシャレ!」
「部屋に飾りたい!」
と絶賛されておりまし

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編集者にしか書けない「アネリコ」裏話

編集者にしか書けない「アネリコ」裏話

小説『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』担当編集者が、製作裏話をしちゃいます。

さてさて。
この小説はもともと、キノブックスのwebマガジン「キノノキ」に2018年5月~2019年4月まで、月に一回のペースで連載していたものをまとめて単行本化したものです。

ただし、「加筆修正」をしてあります。
ようするに、キノノキに連載されていたものと実際に本になったものは、似て非なるものだったりするのです。

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まだ夏なのに「2019年最大の収穫!」と言わせた小説とは?

まだ夏なのに「2019年最大の収穫!」と言わせた小説とは?

こんにちは! キノブックスという出版社で編集者をやっている岩崎といいます。

「素晴らしい! 2019年最大の収穫といって良い作品!」
「あー、こういうのが読みたかった!」
「いつの間にか自分で自分を縛っている、本当の自由へと踏み出す力がもらえるかもしれません」
「花言葉診断ミステリーのようで、新しくて、それでいて古風で、奥が深い」
「最終章のキャロラインの強烈な一発で、それまでのもやもやが一気に

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この小説家を知らないのはマズイ!

この小説家を知らないのはマズイ!

★古内一絵さんという作家を知っていますか?★古内さんの作品「マカン・マラン」四部作が最近、数多くの書店でフェアが組まれ、いま、書店員の間で非常に注目されているのです。

①『マカン・マラン~二十三時の夜食カフェ~』

②『女王さまの夜食カフェ~マカン・マラン ふたたび~』

③『きまぐれな夜食カフェ~マカン・マラン みたび~』

④『さよならの夜食カフェ~マカン・マラン おしまい~』

この小説が

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小説のプロモでプラモを作った話

小説のプロモでプラモを作った話

6月9日にキノブックス文庫から出た『ゴールデンラッキービートルの伝説』という小説の編集を担当しました。

この小説は2012年に新潮社から出版されていて、通常の流れであれば新潮文庫から出版されるわけですが、なんやかんやと著者である水沢さんの男気によって、キノブックス文庫から出版されたのです。
(なんやかんやの詳しくは、こちらの記事に著者が書いています)

さて。
『ゴールデンラッキービートルの伝説

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えっ、文庫も売れていないの?

えっ、文庫も売れていないの?

●周囲と違う結果を出したいなら……。周りと同じ行動をとっていたら、同じ結果にしかならない。
周りと違う結果を出したいなら、違う行動をとるしかない。

大好きな言葉です。

100人が受けて90人が受かる試験で合格するには、周りと同じ勉強をすればいい。
でも、100人中1人しか合格しない試験なら、周りと違うことをしなければならない――。

言うのは簡単なんですが、周りと違うことをやっても必ず受かるわ

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オンラインサロンに投稿した相談

オンラインサロンに投稿した相談

今日は、僕がオーナーをしているオンラインサロン
「t.i小説編集ラボ」に投稿した記事の一部を掲載します。

ラボ内では一体どんなことをやっているのか。
興味のある方はぜひ、読んでみてください。

********
こんにちは。
またもご相談です!

11月下旬発売予定で、
水沢秋生さんという小説家の書き下ろし恋愛小説を出します。
水沢さんの『プラットホームの彼女』という文庫がムチャクチャ切ないんで

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もしも本を手に入れるまでに苦労したなら?

もしも本を手に入れるまでに苦労したなら?

手に入れるまでに苦労すればするほど、やっとの想いで手にした物は、何年経っても色褪せない。
そんなことありませんか?

今回は、もう20年以上前、僕の中学時代の話です。
PAMELAHという女性ボーカルと男性ギターの二人組がいまして、僕は完全にハマッてました。

PAMELAH

まだまだインターネットが普及していなかった時代です。
新曲の発売を知るには、音楽雑誌を調べるか、当時はたくさんあったCD

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赤福から考える、本の新しい楽しみ方

赤福から考える、本の新しい楽しみ方

赤福って知ってますか?
美味しいですよね!
程よい甘みのあんこで包まれた柔らかいお餅!
伊勢名物!

先日、新大阪駅でこの赤福を購入しました。

調べてみたら、赤福って三重や大阪、京都などの近畿地方でしか買えないんですよね。
全国のお土産が集まる東京駅でも買えない。

「ここでしか買えない」
「ここでだけ食べられる」

なわけです。

全国では買えない。
だからこそ良いんですね。
まさに差別化!

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これからの小説の話をしよう。

これからの小説の話をしよう。

少し前まで、小説の楽しみ方は、読むことにありました。
娯楽が少なかった時代は、それだけでも十分だったはずです。

だから、小説は売れていました。

けれど、インターネットやスマホの登場によって、娯楽は溢れかえり、これまで読書にあてていた時間は、他の娯楽にとられるようになりました。

結果、本、とくに小説はどんどん売れなくなりました(ちなみに、ここでいう娯楽とは、スマホゲームや、ラインでの恋人とのや

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タイトル案をオンラインサロンにあげてみた

タイトル案をオンラインサロンにあげてみた

こんにちは。
出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。

本が売れないといわれる出版業界で「何とかして小説を売ってやる!」と思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立ち上げ、新しい小説の売り方について模索している真っ最中です。

○タイトル案を相談オンラインサロン「t.i小説編集ラボ」で、ある本のタイトル案をいくつかアップして相談すると、それについていろいろと意見などをいただきま

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たった一言で人間は変われる

たった一言で人間は変われる

こんにちは。
出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。

本が売れないといわれる出版業界で「何とかして小説を売ってやる!」と思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立ち上げ、新しい小説の売り方について模索している真っ最中です。

●頑丈なバッファローの群れを砕く先日、少し時間をつくって、なんでオンラインサロン、t.i小説編集ラボを立ちあげたのか、改めて考えてみました。

元々は、

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8月15日のオンラインサロン日記

8月15日のオンラインサロン日記

こんにちは。
出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。

本が売れないといわれる出版業界で何かできないかと思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立ち上げ、新しい販促について模索しています。

さて、前回の投稿で「t.i小説編集ラボをガラス張りにします」と書きました。
なので、先日僕のサロンへの投稿を、途中までですが、公開してみます。

――――――

【無名の新人の小説プロロー

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ドキュメンタリーとオンラインサロン

ドキュメンタリーとオンラインサロン

こんにちは。
出版社で本の編集者をやっている岩崎といいます。
本が売れないといわれる出版業界で何かできないかと思い、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを立ち上げ、新しい販促について模索しています。

さて、最近、noteを何回か書いていて思ったのです。僕はズルいことをしていたな、と。
著者が書いてきた原稿に対して、しばしば僕が言ってきたことが、

「こんなの誰でも書けますよ。もっと内面を

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本と一緒に○○○を送ったときの話

本と一緒に○○○を送ったときの話

今回は「差別化」を狙った献本について、半年前に出して現在6刷までいっている担当作を元に、その方法を書きます。

○どうやったら本を取り上げてもらえる?
○短いタイトルがつけたい
○「ターゲット」と「喜び」
○本と一緒にめぐりズム
○その結果は……

○どうやったら本を取り上げてもらえる?編集者の仕事の一つに「献本作業」があります。
完成した本を、記事に取り上げてくれそうなテレビ、ラジオ、雑誌、ネッ

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