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本のある暮らし

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おすすめ本の紹介や感想、本がきっかけで考えたことや思い出した昔の記憶を綴ります
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記事一覧

ママと子どもの読書時間 ~①よるのお話~

ママと子どもの読書時間 ~①よるのお話~


読書の効果とは

読書の効果として文章能力が向上したり語彙力が向上したりと、お子さんの学力向上に期待できるということはよく知られていることだと思います。
図書室で働いていると、若いママさんがお子さんのためにたくさんの絵本を借りられる姿をよく見かけます。また、絵本コーナーでお子さんにせがまれて読み聞かせをする全てのママたちが、とてもお上手なのには驚かされます。私自身は娘の子育ての中で、あそこまで努

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小さな仕事のもつチカラ「お探し物は図書室まで」(青山美智子)

小さな仕事のもつチカラ「お探し物は図書室まで」(青山美智子)

「お探し物は図書室まで」を読み始めて、ある記憶がよみがえってきた。30年くらい前だろうか、「登場人物が全てハッピーエンドになるようなストーリーを作りたいと思ってこの作品を書いた」というような記事を見た。あの作家はいったい誰だったのだろうか…

私は学生の頃「文学とはどこか暗くて重みがあって、作品の登場人物はとても悩みが深いもの」という印象をもっていた。そんな作品こそが文学的な価値が高いのだと、あり

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「Day to Day 」~失われた日々を取り戻す~

「Day to Day 」~失われた日々を取り戻す~

2021年11月20日現在、新型コロナウィルス感染症の新規感染者数は減少している。
この1年半あまり、落ち着かない日々が続いた。

最初は私も在宅勤務となり、「おうち時間」が新鮮だった。リモートワークの主人とオンライン授業の娘のために、ちょっとテンションが上がりそうなランチを用意したり、3人でベランダでお茶を飲んだり…、なんとか楽しくやろうとしていた。
そのうち緊急事態宣言が発令されたり解除された

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「サンタクロースっているんでしょうか?」~クリスマスの思い出②🎄~

「サンタクロースっているんでしょうか?」~クリスマスの思い出②🎄~

「サンタクロースっているんでしょうか?」

こ存じの方も多いと思いますが、「サンタクロースっているんでしょうか?」は昔アメリカのニューヨーク・サン新聞の社説として掲載されたものです。
幼い少女からの「サンタクロースっているんでしょうか?」という手紙に、記者が返事として書いたものなのです。
なんと難しい問いかけでしょう。
それでも、記者はこう答えます。

「サンタクロースってどこから入ってくるの?」

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「理想的本箱」とそのつづき~『ラテ・ファクター』~

「理想的本箱」とそのつづき~『ラテ・ファクター』~

「理想的本箱」という番組

このところ「理想的本箱」という番組を楽しみに観ている。
少し前NHKプラスでこの番組を見つけ、去年放送された3作品と今年になって新しく放送された4作品を観たところだ。
この「理想的本箱」は、「悩み多き10代の漠然とした不安や悩み、好奇心に答える一冊を見つけてくれるプライベート・ライブラリー」というコンセプト。
私はこのコンセプトにとても共感した。
私自身が10代の頃、特

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ひとりで楽しむ読書から、誰かとつながる読書へ ~家族で「オンライン読書会」をやってみた~

ひとりで楽しむ読書から、誰かとつながる読書へ ~家族で「オンライン読書会」をやってみた~

家族で「オンライン読書会」に挑戦

先日、久しぶりに実家に一泊で帰ることができました。この数年コロナ禍のため、実家で一人暮しをしている母とはなかなか思うように会えず、淋しい思いをさせていたのではないかと思います。また母が以前から「読書会がしたいけれど、コロナ禍ではじめられない」と言っていたことも気になっていました。
そこで今回の帰省の機会に、実験的にLINEを使っての「オンライン読書会」を家族でや

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いつか… ~「サード・キッチン」白尾 悠~

いつか… ~「サード・キッチン」白尾 悠~

コロナ渦に消えた留学

「○○ちゃんは、○○に留学したいみたいだけど、私は○○がいいな…」
カフェでとなりのテーブルに座った家族が楽しそうに話している。話しているのは大学生になったばかりに見える女の子だ。娘の大学受験が無事に終わりホッとしている頃だろうか…、ご両親はにこやかにアドバイスをおくっている。
私はとなりのテーブルでぼんやりと話を聞きながら、「去年までは考えられなかった会話だな…」と心の中

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