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トイストーリー4 生き方の多様性とフェミニズム

トイストーリー4 生き方の多様性とフェミニズム



  トイストーリーはちょうど子どもに第一作目が公開され、高校生の頃に3だったからなんとなくアンディとは同い年のような感覚がある。それにしても3公開から10年経っていたのが一番の驚きである。

いままでと違うトイストーリー 今までのトイストーリーはみんなで一緒にいること大切にするということや持ち主への忠義を尽くすことが大きなテーマとして描かれていた。3は持ち主が大人になってしまうという避けられな

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LEONが結婚できない男に見える ジャンレノと阿部寛

LEONが結婚できない男に見える ジャンレノと阿部寛

 LEONという90年代のとても有名な映画がある。実はまだ見たことがなく、Unextにも入っていたから見てみることにした。前日には「ピエロがお前を嘲笑う」というドイツのB級な映画を見てがっかりしていたところだった。映画は2時間あるから見るのには中々の気構えが必要なのだ。

 ちなみにピエロのドイツ映画は最後の「どんでん返しが面白い」という話だったが、逆に最後以外がとてもつまらなかった。最後をみるた

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ロシアにいても漫画が無料で読める時代 ドロヘドロ

ロシアにいても漫画が無料で読める時代 ドロヘドロ

ドロヘドロ最近Netflixで久しぶりにアニメを見た。「ドロヘドロ」という作品でダークホラーで中々に残虐なのに登場するキャラクター達はなんだか陽気という今までに見たことのない雰囲気に引き込まれた。

荒廃している人間界の汚い風景に強烈な印象があるし、ストーリーも謎を追っていくもので展開も早い。この世界観と画風は海外でもすごくウケそうだ。アニメの音楽も作品の「カオスさ」と「シリアスなのになんか陽気」

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「平成たぬき合戦ぽんぽこ」で高畑勲が環境保護以外で伝えようとしていたこと

「平成たぬき合戦ぽんぽこ」で高畑勲が環境保護以外で伝えようとしていたこと

タイトルに「平成」とついていることで令和の今はより前時代感があり懐かしい感じのする「平成たぬき合戦ぽんぽこ」

子どもの頃に金曜ロードショーで見て以来初めて全編見たが当時とは受け取り方が大きく変わった。コミカルな中に自然を大切にしよう的なメッセージの作品か思っていたが、単なる環境保護を訴えるという話ではなくもっと一貫してとても現実的で悲しい話だった。同じジブリ作品でも宮崎駿と高畑勲は全く違う価値観

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音楽家が映画「蜜蜂と遠雷」を見て冷めたポイント

音楽家が映画「蜜蜂と遠雷」を見て冷めたポイント



Unextで「蜜蜂と遠雷」という映画がでていたから見た。原作は「六番目の小夜子」でも知っていた恩田陸で、若きピアニストたちを描いている作品。

職業柄音楽家を描く作品はイラっとしてしまうことが多いのだが、「のだめカンタービレ」だったり「4月は君の嘘」などおもしろい作品も知っているから少し期待して見始めた。

※ネタバレを含みます

文学を映像にするとストーリーをなぞるだけになる文学的な小説を実

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SNSを見る時間を全部本を読む時間に変えてみる

SNSを見る時間を全部本を読む時間に変えてみる

自己啓発本でも読んで意識が爆上げされてしまったと思う人がいるかもしれないがそういうわけではない。

自粛生活になり以前に増してSNSを見る時間が増えていた。特にTwitterは頻繁に開いてしまうのだが、このご時世だからみんな気が立っていて暴言が目立つ。

でたらめな政治批判も目に入ってきてしまい、まじめに受け取ってしまいストレスを感じたりネガティブな思考ばかり受け取ってしまい疲れてしまう。普段なら

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『最高の体調』 不安への対処法を進化論から知る

『最高の体調』 不安への対処法を進化論から知る



『最高の体調』は、よくある啓発本や健康本の類とは違う良書だ。進化論をベースとしたテクニックやアイデアを紹介している。

人間の様々な感情というものは全て進化の過程で生き残るためにできていった機能であるということ。しかし生活様式の急激な変化にすぐに対応できるほど、遺伝子はすぐには変化していかないため、豊かになったはずの現代でも様々な精神・健康的な問題が生じているという話だ。

この感情はこんな理

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