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【映画感想】悪は存在するか
唐突に突き放され、頭を整理するまでしばらく時間がかかる。問いが投げかけられ、どのように解釈するかは見た人に委ねられている。
2日経って、私としては「自然への畏怖」、「寓話」と解釈した。
前半で美しい自然の映像が続くが、どこか怖い自然も内包されている。自然の怖さへの伏線が繰り返される。後半では前半をなぞりつつ怖い自然が姿を見せる。
単なる都会対田舎、文明対自然の争いにとどまらない深さがある。
【映画感想】オッペンハイマー
公開初日のオッペンハイマーを鑑賞。
科学技術のジレンマ
原子爆弾というかつてない大量破壊兵器が産まれた過程が詳細に描かれる。理論に傾倒していたオッペンハイマーにとって、ピカソやマルクスのような革命的なアイデアを夢見ていたようにも思える。爆弾としての現実が近づくと、「物理学300年の集大成が大量破壊兵器なのか」という問いが重くのしかかる。
賞賛と転落、そして嫉妬
オッペンハイマーの人間的な物
東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ」
東京都美術館の「印象派 モネからアメリカへ」を訪問。作品の写真撮影は不可のため、感想のメモだけ。
モネとも交流し、印象派をアメリカに伝えることに貢献したジョン・シンガー・サージェント。肖像画を得意としたそうだが、「キャサリン・チェイス・プラット(1890年 ウスター美術館)」は、ドレスの白が美しくて印象に残った。
アメリカの印象派として代表的なフレデリック・チャイルド・ハッサム。「コロンバス大
PERFECT DAYSのような日常のひとコマの記録20240130
2024年1月30日、井の頭公園の片隅でフクジュソウが咲いているのを見つけました。
この時期になると、春の訪れを感じます。子どもが幼稚園の頃「二月の庭には福寿草🎵」という唄を歌っていたのを思い出します。
今日、フクジュソウの写真を撮ろうとしたら、ご老人が先にカメラを向けていました。つい私から「今年も咲き始めましたね」と声をかけたところ、ご老人は「そうなんです、一昨日は咲いていなくて、昨日は来
あえて無計画のススメ
「パラサイト 半地下の家族」で、ソン・ガンホ演じる父親役のキム・ギテクは言う。
「絶対に失敗しない計画はなんだと思う?無計画だよ、無計画。ノープランだ」
これは一理あると思った。
世に中の自己啓発本なんかでは、一日のスケジュールを紙に書き出せとか、30年プランを立てろとか、コスパとかタイパとか、やたらと計画や目標を立てることを推奨してくるけれど、実は実際の人生においては上手くいかない事の方が
西荻窪の湯気というメニューがいらない定食屋さん
2022年4月、西荻窪にオープンした小さな定食屋「湯気」さんには、メニューがない。
いや厳密には、壁の黒板とテーブルの上の紙ペラにメニューはあるのだが、選択肢は「今週の定食」だけで、あとは「白ご飯」か「炊き込みご飯」を選ぶことしかできない。
メニューを一つに絞ると、顧客の好き嫌いに対応できないし、週に複数回来店する顧客は捨ててしまうことになる。勇気がいるマーケティングだと思う。それだけ「今週の
あまちゃんのロケ地を巡ると物語をさらに楽しめる
あまちゃん133回は震災の回だった
小袖海岸の神秘的な風景とは?
海女さんの実演場所を見れば、ウニ漁の大変さがわかる!
現地であまちゃんを体感しすてみよう!
テレビドラマ「あまちゃん」の133回目は、震災をテーマにした回でした。私自身も先週、現地を訪れたばかりで、その光景に心を揺さぶられました。
物語の舞台となる小袖海岸は、久慈から細い道を数キロ進んだ先にある集落です。しかし、久慈へのア
建礼門院に学ぶ落ちぶれ方
思ひきや 深山の奥に 住まひして 雲井の月を よそに見んとは (建礼門院)
平清盛の娘、平徳子は、高倉天皇に入内し安徳天皇を産む。しかし、壇ノ浦の戦いで母、安徳天皇とともに入水、徳子だけが生き残る。徳子は京都の大原に送られて出家し、建礼門院の院号を受ける。
2022年6月25日のブラタモリでは、建礼門院が過ごした京都、大原の寂光院が紹介された。大原の地の中でも、山が迫った谷の奥の奥に、ひっそり