記事一覧
全身小説家 ~作家・永沢光雄はいかに生き、死へ向かったか~
プロローグ「ライターをするのならさ」
30代後半の週刊誌記者は、酔いでややとろんとした目を僕に向けて言った。深夜2時、新宿ゴールデン街。2010年のことだった。フリーライターになったばかりで、当時30歳の僕に、この本は絶対に読んだ方がいいよ、と彼は著者名とタイトルを挙げていった。沢木耕太郎『深夜特急』、山際淳司『江夏の27球』、本田靖春『誘拐』など、知っていたり知らなかったりするノンフィクシ
あなたの短歌が皇室で披露される?新年に開催される「歌会始」とは
見覚えのある方も多いのではないでしょうか。歌人の岡本真帆さんがSNSで発信すると、人々の関心を集め、瞬く間に「いいね!」が集まりました。SNSが普及した今、自分の思いを31字で気軽に発信できる表現方法として、改めて短歌に注目が集まっています。
短歌を披露する場として歌会が開催されることがありますが、その中でも伝統的なイベント「歌会始(うたかいはじめ)」が毎年1月、新年に行われています。歌会始
芥川龍之介『煙草と悪魔』から考える、耳への種の収納方法
朝の通勤電車、運よく座席に腰を下ろすことができた。昨日の睡眠不足を解消しようかと思ったが、次の駅でおばあさんが乗ってきたので、勇気を出して席を譲る。物珍しそうに筆者を観察しながら、「ありがとうねえ。優しい子だねえ」と目を細め、「お礼にこれをどうぞ」と筆者の手のひらに「何かの植物の種」を乗せた。
突如として見知らぬおばあさんから「何かの植物の種」をもらった筆者。その場で振り払うわけにもいかず、
【歌会やります】短歌初級者の方も大歓迎!ゲスト:歌人・三田三郎さん
歌会とは? 歌会とは、参加者たちが自作の短歌を持ち寄り、感想を言い合う会のことです。ひらづみの歌会は、気軽に短歌に親しんでもらうことが目的なので、ゆるくて楽しい雰囲気を大事にしています。ゴリゴリと厳しく合評をし合いたい方にはあまり向かないかも……。その代わり、初級者の方や、歌会にハードルの高さを感じていた方にピッタリです。
今回はゲストに歌人の三田三郎さんがお越しくださいます!
どなたも歓迎
カルチャー好きの方歓迎の麻雀交流会やります!
ブックバーひらづみ は本がコンセプトですが、「本という枠組みを超えた交流をしたい!」ということで、麻雀での交流イベントを行います。
当たり前ですが、賭けはナシの健康麻雀。おひとり様&初参加の方も歓迎。ゆるく気楽な雰囲気でゲームを楽しみましょう。
最低限のルールを知っていればOK。点数計算が怪しくても、麻雀ゲームの経験しかなくても全く問題ないので、気軽にご参加ください!
イベント詳細日時
【読書会】おススメの本を紹介し合いましょう(お題:エッセイ)
「読書会」とは、本について参加者同士で意見・感想を交わす会です。今回は「ノンフィクション」の本を持ち寄り、一人ずつ紹介していく形式です。自分のおススメしたい本の魅力に「共感」してもらったり、ほかの方のオススメ本から「発見」「気づき」を得られたりする楽しさがあります。
大事にしているのは、ゆるくて楽しい雰囲気。激しい議論や知識マウントの取り合いは一切ありません。共通の趣味の人たちと交流しながら
現代の絶滅危惧種?ある文芸評論家の”書生”をしていた青年の数奇な半生
「書生」をしていたという人に会った。この平成の世においてである。
浪漫派の作家・泉鏡花は尾崎紅葉の書生をやっていた。私小説作家・藤澤淸造も斎藤隆夫という弁護士の書生であった。しかしそれらは明治の話である。
そんな21世紀において絶滅危惧種である職業の経験者は、世希哲(せきさとる・筆名)さん、47歳。彼は某文芸評論家の書生を10年間やっていた。
君の住むところを確保しといたから 世希さん
世界チャンピオンから作家へ転身したボクサー、ホセ・トーレス プエルトリコの英雄と呼ばれた男の半生
プロボクサーの”モンスター”こと井上尚弥による2階級・主要4団体での王座統一や、”神童”と呼ばれたキックボクサー・那須川天心の転向など、ボクシング界に注目が集まっている。
ボクシングに関する本と言えば、沢木耕太郎が悲運のボクサー・カシアス内藤の半生を描いた名著『一瞬の夏』や、百田尚樹がファイティング原田とライバルたちの激闘を描いた『黄金のバンタムを破った男』、マイク・タイソンによる自伝『真相