卒業式2024

先日、私の勤める日本語学校で2023年度【令和五年度】の卒業式が行われた。
中国、ネパール、ミャンマー、ベトナムの学生たちがそれぞれ1年、1年半、2年の学習期間を終え、新たな進学先(大学院、大学、短大、専門学校)へと旅立った。
総勢71名の留学生達は、日本でのこれまでの留学生活を満喫し、笑顔でこの日を迎えられただろうか。
その場の様子を傍で見る限りでは、みんなが誇らしげな表情で、まだ見ぬ世界へと自信を抱いて挑もうとする、逞しい姿に見て取れた。
少なくとも、私が担任をしていたクラスの学生たちは、チャレンジ精神に満ちた面持ちだった。
どの国の学生たちも、教職員に感謝の気持ちを伝え、また数年間共に過ごした仲間達と抱擁しながら、次にお互いが成長した姿で再会する日を約束し、暫しの別れを惜しんだ。
私達教職員も、彼らに対して、感謝の気持ちに溢れていた。
この仕事を通して、彼ら留学生に教わったことは計り知れない。
国籍に関係なく、国境を越えて、人と人との繋がりをダイレクトに肌で感じることのできる、この日本語教師という職業は本当に言葉では言い尽くせない程のやり甲斐を感じる。
だからこそ、これから日本語教師を志す人達、そして現在活躍されている日本語教師の方達は、私も含めて、更なる日本語教育の質の向上と国際感覚、異文化教養と万国に通じる倫理観を持って、ますます「美しい日本」を世界に発信していかなければならない。
留学生達の日本に対する憧れや日本人に対する信頼を裏切らないように、我々は日頃からセンスを研ぎ澄ますべく、あらゆる分野においても研鑽に励む努力が必要だと思う。
日本語教師だから日本語さえ教えられればいいと思っている人(そのような人は一様にして日本語指導も不味い…)、店でお客さんに商品を売るように、ろくなアフターサービスもなしに、自分の売上だけを気にするビジネスマンの如く学生と接するような人は、根本的に不向きだと思うが、何よりもそれに留学生達が気づかないわけがない。
実際に、この卒業式においても、そのような教員のもとへ挨拶に向かう学生の姿は、あまりなかった。
私は、日々挫けそうになることは多々あるが、やはり教務主任として、更に素晴らしい日本語学校にしていきたいという気持ちが強まった。
今後も引き続き、会社からも部下からも学生からも信頼の得られる人間になるべく精進していきたい。

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