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客観的でいることの功罪などについて/『善き人』
ただでさえ上映回数が少ない(映画館で公開してくれるだけ本当にありがたい話だが)なか、どうにか見れないものかとスケジュールと睨めっこし、かなりの強行突破で見てきましたナショナルシアターライブの『善き人』。
タイトルの時点で私の琴線に触れまくりだったのだけれど、あらすじを読んでこれは軽い気持ちで見れる作品じゃないなと気を引き締めつつ、鑑賞後はやはりそれを上回るしんどさがあった。
ハルダーの書いた
三世代に渡る興隆と衰退、その最期について/『リーマン・トリロジー』
初のNTLive作品でした。良すぎて泣きそう。
心の底から惚れ惚れしてしまう、という感覚を得たのは人生で本作が初めてかもしれない。
『リーマン・トリロジー』は、タイトルの通り、リーマン・ブラザーズの興隆と衰退を描いた話である。
アメリカン・ドリームを夢見て海を渡ってきたヘンリーたちの、たとえ自らの名前は変えることがあっても守り続けてきた祖国のルーツ、価値観や慣習が深く根付いた店は、けれ
私が映画沼に転がり落ちるまで
三年ほど前から映画をよく観るようになった。元々映画を観るタイプではなく、有名なものもスルー(もったいなすぎる!)し続けてきたのだけれど、ちょうどその頃舞台観劇にハマっていたこともあり、ライブビューイングやらなんやらで映画館に足を運ぶようになったのだ。
自然と予告やフライヤー、壁に貼られたポスター等が目につくようになり、映画情報を集めるためのアンテナが私の中で新設され、気が付けばどんどんと映画館
「羽衣なんか灰にして、愛してるって言ってほしいの」1話完結
-----------あらすじ-----------
新社会人になったばかりの榎本有紗が嵐の夜に拾ったのは、光り輝く赤子ーー翼のない天使だった。
赤子なんて拾うわけない、しかるべきところに届けよう。そう意気込んだのも束の間のこと、書き換わった世界ではなんと、天使が正真正銘の家族になっていた。
天使を人の子として育てる有紗だが、本当のことは何一つ打ち明けられないまま、月日だけが流れていく。