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やまとの会 仲津充容
2024年4月23日 11:40
私見であるが、権威と権力は分離されているのが究極である。一般に政府権力と権威の関係を考えれば、権力の強さが権威をもたらし、権威を維持するために権力が振るわれるという状況はさして珍しくなく、歴史上の封建国家は当然として、近代以降も独裁国家に限らずアメリカなどの現代民主制国家でも見られる現象である。しかし、この関係性では権威と権力が両輪となって際限なき強権化を生じる可能性があり、結果として政府
2024年3月7日 23:46
政治学講座(たぶん全十回くらい)参考文献 中村菊男 著,政治学 改訂第3版,2010第四回 「憲法」についてはじめに今回は近代国家のほぼ全てが持つ【憲法】についての話。現代の日本で護憲や改憲の議論が起こるのも、これが国家および政治にとって極めて重要であるからである。今回は憲法とは何であるのか、どのような働きをしているのか、その特徴について見ていこう。近代憲法と立憲主義日本には聖
2024年1月20日 18:51
政治学講座(たぶん全十回くらい)参考文献 中村菊男 著,政治学 改訂第3版,2010↓動画(簡略)版↓第三回 「国家」とははじめに第一回で政治学における政治は「国家に関わるor政府による政治的営みに限る」と結論したが、政治学にとっては中心ともいえる「国家」あるいは「政府」とは一体、なんなのであろうか?今回は人々が暮らし、政治の舞台となる「国家」についての回になる。国家の特質政治
2023年12月24日 04:24
政治学講座(たぶん全十回くらい)参考文献 中村菊男 著,政治学 改訂第3版,2010第二回 政治学とは↓動画(簡略)版↓政治学は国家と称する無形観念の性質および作用を考定する一種の形而上学にして、その範囲最も広漠なるものなり。故に、学海広しといえども、その進歩の緩慢迂回なる此の学の右に出るもの有らず。学派多しと言えどもその支離滅裂する、またこの学の如きものあらざるなり(カール・ラート
2023年12月11日 21:01
政治学講座(後で装飾を追加)参考文献 中村菊男著「政治学」改訂第3版,2010第一回 政治とは何かはじめにアリストテレスは著書の『政治学(Τα Πολιτικά)』で「都市国家は自然の所産であり、人間は本質的に政治的動物である」と述べた。人間の存在は国家乃至それに類する社会集団の存在と、そこで振るわれる政治的権力の存在をも意味しているのである。何を「政治」とするか「政治」とは何
2023年9月27日 22:12
今回の内容は大体、これに書いたやつ。・・・公平と公正と平等、これらは似たようなものと解釈される事があるが、根本的に全く異質の概念であり、特に公正と後者二つの違いは大きい。まず後者の説明から入る。公正は機会均等、平等は結果均衡であり、これらは競争とその成果の配分に対する立場のちがいである。「公正」はルール上競争の有利不利が運と自力以外で極力生じないよう機会を均等にする一方、その競
2023年8月16日 00:19
結局のところ、1945年の敗戦はもとをたどれば明治以来の立憲主義と政党政治の敗北に帰する。扇動に惑わされ衆愚政治に堕し、外交的失敗を重ねながら勝ち目の薄い戦いに突き進んでしまった。そして、この末に、もし本土決戦が行われれば日本人の8割は殺害され国土は回復不可能なまでに破壊される手筈であった。昭和天皇はこの危機から国民を救ってくださった事になる。しかもこの時、連合軍は昭和天皇の待遇を
2023年3月19日 00:39
noteでの「やまとの会」『やまとの会』は仲津充祐の個人サークルであり、文章・イラスト・漫画・動画・ゲーム等、私に可能な限りのあらゆる表現手段を用いて、私がこれまで獲得した知識・考えや面白いと思った事などを発信する事を目的としています。昔は政治運動に参加したり、議員の手伝いをしたり、地域政党の立ち上げに参加したり、国連NGOに参加したりしていましたが、最近は隠遁して好き勝手やってます。尊敬
2023年4月3日 13:11
これまで描いたものをまとめました。ウクライナ戦争、ソ連のアグネドートを元にした風刺漫画です。
2020年6月21日 15:47
最近、何かと差別が耳目を集めている。しかし、従来の差別観そのものが差別を深める構造を有していることは未だ一般的に認知されていない。そこで、かつて国際学会のためにアメリカまで行ったのに手続き上の不備で学会誌に掲載してもらえなかった論文を元に書いた差別についての論考を公開してみる。0.差別とは合理的理由のない区別のことである。 辞書的な字義1.異なる属性を持つ者同士は常に互いに互いを
2020年7月27日 16:51
保守主義の見地において、無知のヴェールには欠陥を認めることが出来る。無知のヴェールとはジョン・ロールズが「正義論」にて唱えた”誰もが自分を含めた個々人の背景を全く無視した場合に、どのような選択が最良と考えられるか”という思考実験である。この実験の結論として、自分のステータス、社会的地位や財産・人種・年齢・性別・職業他を知らない人間が自らの幸福を願う場合には、結果的に社会を構成する全成員に対し
2020年9月5日 11:15
姫(日本書紀では媛)という漢字があるのに古事記では比売というようにわざわざ当て字にしているのは何故? という疑問をSNS上で見かけたので答えてみた。この話は漢字という現代では日本語に組み込まれている要素が絡んでいるために分かりにくくなっているが英語で考えると分かりやすい。つまり、「おとたちばなひめ(弟橘媛)」という語を「Ototachibana-hime」と表記するか「princess o
2020年10月6日 21:51
もともと正しい事を擁護したり正当化するのにエネルギーはほとんど必要ない。擁護や正当化に骨を折らなければならないのはそれが正しいものではないという証である。
2020年10月14日 22:05
たしかに「夫婦の姓一致」は制度的には実施が明治以降と新しいものであるものの、それ以前は夫婦の姓を一致させたりさせなかったりしていたのを一致する側に統一したのであって、中世以前の貴族や高級武士等はともかく、「近世以前には別姓がスタンダード」というわけではない。制度実施後、夫婦別姓が議論された際も統一姓が支持されて今日に一至っており、夫婦の姓一致は日本人の習俗に沿うものであろうと考えられる。中