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「完全なるオリジナリティ」は存在するのか?
昔、バンドを一緒にやっていたメンバーと飲みながら「完全なるオリジナリティは世の中に存在するのか?」という話で夜中まで討論になったことがあった。
その時、僕以外の2人は「存在しない」というスタンスで、僕が唱えたのは「人は唯一無二なんだから、誰かから影響を受けたとしても『自分』というフィルターを通している以上、結果的にそれは唯一無二のオリジナルである」という説だった。
まぁ双方どちらにせよ同じことを
「スタンバイ」の質がクリエイティブの良し悪しを決める
何度でも言うが、「物を作る」なんて字の通り“造作もない”ことだ。創作においては、作るフェーズよりも圧倒的にスタンバイの方が大事なのである。
そしてそのスタンバイの質はダイレクトにクリエイティブの質に繋がるのだが、その理由とスタンバイの質を上げる方法を書いてみた。
「顔に見える場所」を撮る写真課題の意図
多摩美の学生の頃、写真家の十文字美信先生の課題で「顔に見える場所を撮る」というものがあった。
人間はそんなに優秀ではない
物の数が少ないのが美しいのではなくて、あるべきものがあるべきところにある状態が美しいのだ。デザインやレイアウトも然り。
ミニマリストとは単に物を持たない人ではなく、「でもそうやって人間が完璧に管理できるものの数って、実はそんなに多くないよね」という主義者のことを指すのだろう。
シンプルな思考は礼賛されるべきだが、実はそれは「多くのものを管理できるほど人間は優秀ではない」というひとつのシニカルな答
クリエイターの真の使い道
また芸人さんの例えになって申し訳ないが、以前。
古いテレビ番組の『松紳』を作業中に流してたら、松本人志さんが、「相方の休む日に番組を一人でやってくれないか?」とスタッフに問われたことに対して、「できるか!」とキレたという話をしていた。
その説明として、「僕の仕事は作られたものを壊す仕事なんですよ。作られてもいないものを壊せと言われてもね」とさらっと言ったが、それはクリエイターとしては、すこぶる腑に
「当たり前」は誰かにデザインされている
誰かがやってのけたことは簡単に見える、という話。
「モノマネは最初に見つけた奴が偉い。モノマネのモノマネは誰でもできる」と、以前モノマネ芸人の誰かが言ってたけど、万事そうなんだろうと思う。
誰かが作ったフォーマットのコピーは簡単で、当たり前に見える。その当たり前である「オリジナル」のフォーマットを作った人は、実は膨大な量の情報の取捨選択を行なっている。
例えば、モノマネ芸人のホリさんが木村
グラフィックデザインにおける「次元」への課題とその解決策
前回、受注脳に陥りがちなデザイナーが、自分発信で個展をする意味をどこに見出すのかという葛藤と、どのような思考でそれを打破したかの記録を書いた↓
グラフィックデザイナーが個展をする意味をずっと考えていた
簡潔にいえば、受注脳であるデザイナーの思考を逆説的に利用し、グラフィックデザインというジャンルそのものをクライアントに見立てることで、それを突破するという方法をとった。そして、『GRAPHIC
グラフィックデザイナーが個展をする意味をずっと考えていた
昨年の3月に中目黒のGALLERY 7°Cで。今年の1月にヒカリエで。2度に渡って個展を開催した。
しかし、僕はアーティストでもイラストレーターでもない。グラフィックデザイナーだ。「グラフィックデザイナー」がわざわざ個展をするということの意味とは、一体なんであるべきか。そのコンセプトメイキングに、随分と苦心していた。
「グラフィックデザイン」への恩返し
それまでもずっと個展はやりたかったものの