マガジンのカバー画像

或る若者の思索

77
私が日常生活の中で感じた何気ないことを、日記よりちょっとだけ推敲して書いてます。
運営しているクリエイター

#振り返りnote

「待てど暮らせど」の「ドゥクラッセ」の部分

「待てど暮らせど」の「ドゥクラッセ」の部分

 真空ジェシカのラジオを聴いていたら、「待てど暮らせど」の"暮らせど"の部分について言及しているシーンがあった。
 待つのはわかるとして、暮らすまでいってしまうとこれは完全に変質者である。そういえばこち亀で、月面に置いていかれた両さんが迎えを待ちながら月を開拓していって、しまいには普通に月で暮らしを始める話があったが、これは完全に変質者である。月面調査隊が残した食料をもとにそれを培養するだけでは飽

もっとみる
死を想え、取り急ぎ

死を想え、取り急ぎ

 今生きている人間、みんな死んだことないので、死のニワカでしかない。でも、死というものを少しでも理解するためには自分が実際に死ぬしか方法がないので、生きてる人間だけでこれ以上議論をするのは全くもって不毛である。閉廷。死後裁かれよう。

-

 今、私がこうやって生きていることはこれ以上ないくらいに幸運なことである。というのも、日常のあらゆるシーンに漫然と"死"は潜んでいて、私たちは緩慢とそれらと付

もっとみる
ドレッシング全然かかってへんで

ドレッシング全然かかってへんで

 バターがしみ込んで真ん中がしっとりへこんでいる薄切りの食パンを、私はさも愛おしそうに食べている。休日の喫茶店のモーニング、ひとりでコーヒーをすする私をさしおいて、常連客たちや店員さんは目まぐるしく動き回る。漫才を日常に落とし込んだような会話をBGMに、湯気の立つコーヒーに砂糖をひとつ落とす。
 そして目の前にはこんがり焼き色のついたトーストがある。こんなことを言ってはなんだが、トーストなんて味は

もっとみる
スマブラは持ってないやつのほうが上手い

スマブラは持ってないやつのほうが上手い

 そいつは運動から勉強までひととおり何でも器用にこなす、たまに鼻にかかる奴だった。私はというと運動はてんでダメで、特に球技は壊滅的、しかし走るのと泳ぐのだけは問題なかった。勉強は苦手ではなかったけど、中の上あたりをずっと徘徊していたと思う。
 そいつは明朗快活な奴で、いわゆるヤンキーとも仲が良く、対照的にオタク連中とも親和性の高い、水と油の両方を性質を持ったような奴だった。私はというと、ヤンキーに

もっとみる
レモンチューハイ500円は高いだろ普通に

レモンチューハイ500円は高いだろ普通に

 友人に今夜飲む店の手配を任せておいたら連れてこられた「創作居酒屋Dining -蒼(あお)-」みたいなノリの店。嫌な予感とともにメニューを開くと、オレンジ色のウネウネ手書きフォントでびっしり埋められている時点でもう既にしんどいのだが、極め付きに一番安いお酒がレモン酎ハイが500円(税別)だったりしたら、しょっぱいお通し(こちらも当然有料)に出てこられる前に、私はすぐにでも帰り支度を始めるだろう。

もっとみる
知らないクロノスタシス

知らないクロノスタシス

Q.クロノスタシスって知ってる?

☑️ 知ってる
◻️やや知ってる
◻️どちらでもない
◻️あまり知らない
◻️知らない

 実際には短い瞬間の映像が、長く続いているように感じられる錯覚現象のこと。日本人の80%がこのワードをきのこ帝国から教えてもらったと言っても過言ではない(残り20%はBUMP OF CHICKEN)。それほど誰もが知っているメジャーな"現象"TOP3のひとつだ。ちなみに残

もっとみる
望郷初期症状

望郷初期症状

 一人暮らしの住居から実家に帰る電車の終電の時間を調べてみると、意外と遅い時間までセーフであることがわかった。その気になればすぐにでも帰れる。この安心感こそが、この望郷初期症状なのかもしれない。

 灯台もと暗しと言うように、親元を離れて暮らしていても、実家までの距離が近すぎると逆にあまり帰省しなくなる。これはある種のイタズラ心のようなもので、大人になっても抜けきらない反抗期の残り香でもある。
 

もっとみる