オレンジカンパニー

勝手気ままに小説を執筆してます。ゆるく生きてます。

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マガジン

  • 監視

    粘着男の気持ち悪さが際立つ作品です。あなたももしかしたら誰かに監視されているかもしれませんよ。フッフッフッ・・・

  • 【短編集】 脳内サイケデリック革命 ~ゲシュタルト崩壊~

    短編集です。

  • 美しき愛の掟

    画家志望の青年と家出少女の愛憎劇

  • BORN TO BE 野良猫ブルース

    大阪生まれ大阪育ちの野良猫ボンの恋と笑いと人情に溢れたエキサイティングな生涯を描く問題作。全10話収録。

  • 恥知らず

    欲望の赴くままに暴走する恥知らずな青年の墜落劇。圧巻の全11話収録。

記事一覧

監視   ~その3~

※前回までのあらすじ  美しい隣人・アヤに一方的に想いを寄せる青年・僕は、アヤの日常を監視する事に生きがいを見出していた。僕はアヤの交際相手のマーくんに対して激…

監視   ~その2~

※前回までのあらすじ  美しい隣人・アヤに一方的に想いを寄せる青年・僕は、アヤの日常を監視する事に生きがいを見出していた。僕はアヤの交際相手の男に対して激しい嫉…

監視   ~その1~

お隣のあなたはいつも遅くに帰ってきますね。たいてい夜の9時前後になりますね。 いつもお仕事ご苦労様です。本当にあなたは働き者なんですね。頑張り過ぎて体を壊さない…

狂い死に

突き刺すような視線にうちは犯される。いつものように。 ああ、このままうちの体をズタズタに引き裂いて・・・お願いやから・・・ 今日もうちは狂ったように安酒を煽り、…

【連載小説】 美しき愛の掟  第4章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。       高森アミ   謎の家出少女。 天神橋筋六丁目にある8階建の雑居ビルの5階になにわエンターテインメントの事…

【連載小説】 美しき愛の掟  第3章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。       高森アミ   謎の家出少女。 「トシって呼んでいい?」 アミは唐突に訊ねてきた。あの日以来アミとの関係は深…

【連載小説】 美しき愛の掟  第2章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。       高森アミ   謎の家出少女。 アミに絵のモデルになってもらう約束を取り付けてからの僕は、脳内がお花畑な妄…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第10話 最終回 『三途の川へようこそ』

おばちゃんに連れられてわては隣家の老夫婦の元を訪ねました。 「おはよー、今えーかなー?」 おばちゃんは遠慮なく隣家のばーさんに声を掛けた。 「おはよー、どうしたん…

【連載小説】 美しき愛の掟  第1章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。       高森アミ   謎の家出少女。 彼女との出会いは突然やってきた。 その日僕は同僚に誘われて梅田のキャバクラを…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第9話 『倉敷は今日も晴れやった』

ジローはわてに隣家の老夫婦に飼われてはどうやと云うてます。 「そうじゃ、この子お隣さんとこで飼うてもろうたらえかろーになー。」 ジローの飼い主のおばちゃんもなぜか…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第8話 『たどりついたらなぜか倉敷』

討ち入りは無事終わり、当初の予定どおり黒猫会の関係者は一匹残らず退治したので事実上黒猫会は消滅しました。 しかしなんとも後味の悪い結末だす。このような場面でまさ…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第7話 『セーラー服と気管支炎』

わてら自警団の有志は『黒猫会撲滅キャンペーン!ダメ。ゼッタイ。』をスローガンに掲げ、12月14日寅の刻に神戸市兵庫区の黒猫会本部に討ち入りを決行すると大阪府野良…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第6話 『シクラメンのカオリ』

わては新たに天満橋界隈を活動拠点とする事になりました。 専務理事の計らいで天六の裏通りにある現在では廃墟となった5階建てビルの屋上のペントハウスが、わてとおケイ…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第5話 『傷だらけの野良』

淡い初恋消えた日は雨がしとしと降っていた。傘もささずに淀川で一匹見つめて泣いていた。 雨に濡れながらたたずむ猫がいる。傘の花が咲く土曜の昼下がり。 小ぬか雨降る…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第4話 『淀川ストーリー』

とあるお金持ちのご婦人宅にて、豪華なディナーを堪能し満腹になったわてとミーさんは、ごちそうして下さったご婦人に感謝の意を込めて深々と頭を下げてお礼をしました。…

BORN TO BE 野良猫ブルース   第3話 『危険な二匹』

わてはまだ対面した事がないメス猫に並々ならぬ興味と好奇心を抱いたので、とりあえずそこら辺を徘徊する事とした。 わては出生後まだそれ程成長していない子猫なので、成…

監視   ~その3~

監視   ~その3~

※前回までのあらすじ
 美しい隣人・アヤに一方的に想いを寄せる青年・僕は、アヤの日常を監視する事に生きがいを見出していた。僕はアヤの交際相手のマーくんに対して激しい嫉妬と憎悪を募らせていた。アヤとマーくんが梅田の居酒屋で密会するとの情報を知り得た僕は、先回りして居酒屋に潜入し二人の動向を監視するのだが・・・

僕はアヤさんから気持ち悪がられていたのだ。ショックだった。こんなにアヤさんを想っているの

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監視   ~その2~

監視   ~その2~

※前回までのあらすじ
 美しい隣人・アヤに一方的に想いを寄せる青年・僕は、アヤの日常を監視する事に生きがいを見出していた。僕はアヤの交際相手の男に対して激しい嫉妬と憎悪を募らせていた。そんなある日、偶然駅のホームで電車待ちしている男を見つけた僕は、男を背後から線路内に突き落とす衝動に駆られたのだが・・・

「マーくん、おはよー!」
どこからともなく聞き覚えのある女性の声が聞こえた。アヤさんだった。

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監視   ~その1~

監視   ~その1~

お隣のあなたはいつも遅くに帰ってきますね。たいてい夜の9時前後になりますね。
いつもお仕事ご苦労様です。本当にあなたは働き者なんですね。頑張り過ぎて体を壊さないようにくれぐれも気を付けて下さいね。僕はそればかりが心配なんです。
あなたの健康が損なわれないかといつも心配してるんですよ。
お隣に住む溝口アヤさん、僕はアヤさんが心配でなりません。

アヤさんが僕のお隣に越して来てかれこれ3年になりますね

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狂い死に

狂い死に

突き刺すような視線にうちは犯される。いつものように。
ああ、このままうちの体をズタズタに引き裂いて・・・お願いやから・・・

今日もうちは狂ったように安酒を煽り、腐りかけてる臓器にトドメを刺す。
この世に未練はない。
面白くも何ともないくだらない世界とはおさらばすんねん。
酒と薬はうちを極楽浄土に導いてくれるわ。
そやねん、うちは天使になんねん。堕天使に・・・

9才で実の父親に強姦されて、うちは

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【連載小説】 美しき愛の掟  第4章

【連載小説】 美しき愛の掟  第4章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。
      高森アミ   謎の家出少女。

天神橋筋六丁目にある8階建の雑居ビルの5階になにわエンターテインメントの事務所があった。
僕とアミが事務所に赴くと、奥から長身でがっちりした体格の40代ぐらいの中年男が現れた。派手な薄紫色のスーツに赤いネクタイ姿と『じゃりン子チエ』に出てくるテツをややマイルドにした厳つい風貌はどことなく如何わしさが漂ってまとも

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【連載小説】 美しき愛の掟  第3章

【連載小説】 美しき愛の掟  第3章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。
      高森アミ   謎の家出少女。

「トシって呼んでいい?」
アミは唐突に訊ねてきた。あの日以来アミとの関係は深まるばかりであった。お互い複雑な家庭環境で育ってきた似た者同士故に、人一倍温もりや愛情に飢えている。足りない物を欠けている物を二人して手探りで補いあって埋め合わせて満たされたいのだろう。
アミはいつも捨てられた子犬のような目をしていた。

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【連載小説】 美しき愛の掟  第2章

【連載小説】 美しき愛の掟  第2章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。
      高森アミ   謎の家出少女。

アミに絵のモデルになってもらう約束を取り付けてからの僕は、脳内がお花畑な妄想で膨れ上がり夢うつつな日々が過ぎていった。
当然の事ながらそんなお花畑な状態は傍目にも明らかだった。
「なあ、最近なんか変やぞ。アリサとええことあったか?」
同僚の菊池はニヤニヤしながら執拗に絡んでくる。お前は前後不覚になるまで泥酔いし

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第10話 最終回 『三途の川へようこそ』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第10話 最終回 『三途の川へようこそ』

おばちゃんに連れられてわては隣家の老夫婦の元を訪ねました。
「おはよー、今えーかなー?」
おばちゃんは遠慮なく隣家のばーさんに声を掛けた。
「おはよー、どうしたん?あれ、その猫どこの子?」
ばーさんはおばちゃんに抱きかかえられてスカしているわての顔をしげしげと覗き込んでしわくちゃの手でわての頭をなでなでしています。
「ジローが連れて来たんよ。何か大阪からのトラックに乗って来とったらしいけどなあー。

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【連載小説】 美しき愛の掟  第1章

【連載小説】 美しき愛の掟  第1章

登場人物  佐川トシオ  画家志望の青年。
      高森アミ   謎の家出少女。

彼女との出会いは突然やってきた。
その日僕は同僚に誘われて梅田のキャバクラを訪れた。
キャバクラに行くのは初めてなので不安と期待が入り混じった何とも言えない心持ちだ。
「自分、キャバクラは初めてか?」
僕がそうやと答えると同僚の菊池は含み笑いを浮かべて僕の背中を押した。
「可愛い子がようけおるから女の子と適当に

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第9話 『倉敷は今日も晴れやった』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第9話 『倉敷は今日も晴れやった』

ジローはわてに隣家の老夫婦に飼われてはどうやと云うてます。
「そうじゃ、この子お隣さんとこで飼うてもろうたらえかろーになー。」
ジローの飼い主のおばちゃんもなぜか勧めています。
わては返答できずに戸惑っていましたがジローはそんな事はお構いなしに、わてをあちこち連れて行こうとしています。
「ボン、メシ終わったらわしが色々見しちゃるけーな。」
ジローはそう云うとそそくさと柴犬のタローの方へと向かったの

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第8話 『たどりついたらなぜか倉敷』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第8話 『たどりついたらなぜか倉敷』

討ち入りは無事終わり、当初の予定どおり黒猫会の関係者は一匹残らず退治したので事実上黒猫会は消滅しました。
しかしなんとも後味の悪い結末だす。このような場面でまさかのミーさんと再会を果たした物の、何の因果か毒親カオリを庇って命を落とすなんて誰がこんな結末を想像したでしょうか。
わては正直複雑な思いだす。任務を遂行できた充実感がなぜか感じられないだす。ただひたすらに猛烈な疲労感に襲われてます。

疲れ

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第7話 『セーラー服と気管支炎』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第7話 『セーラー服と気管支炎』

わてら自警団の有志は『黒猫会撲滅キャンペーン!ダメ。ゼッタイ。』をスローガンに掲げ、12月14日寅の刻に神戸市兵庫区の黒猫会本部に討ち入りを決行すると大阪府野良猫協会緊急首脳会議の檀上にて満場一致で閣議決定された。
本件討ち入り実行委員会の作戦会議にて、現場での指揮をカルボナ隊長が執る事となり、総監督はわてが行う事となった。
加えてナポリ隊長より討ち入り当日のメンバー増員の要望が上がったので、急遽

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第6話 『シクラメンのカオリ』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第6話 『シクラメンのカオリ』

わては新たに天満橋界隈を活動拠点とする事になりました。
専務理事の計らいで天六の裏通りにある現在では廃墟となった5階建てビルの屋上のペントハウスが、わてとおケイはんの住居兼自警団指令室になってます。非常時には下階に30匹の部下が全員集合します。
ガチで独身のメス猫と同居するのは生まれて初めての経験故に、わては終始そわそわと落ち着けまへんでした。
おケイはんも親元から離れて独身のオス猫と同居するのは

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第5話 『傷だらけの野良』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第5話 『傷だらけの野良』

淡い初恋消えた日は雨がしとしと降っていた。傘もささずに淀川で一匹見つめて泣いていた。

雨に濡れながらたたずむ猫がいる。傘の花が咲く土曜の昼下がり。

小ぬか雨降る御堂筋。心変わりな夜の雨。ミーさん、ミーさんはどこや?
ミーさんをたずねてわては歩く。

悲しけりゃここでお泣きよ。涙ふくハンカチもあるで。
ねーマスター、作ったってよ。涙忘れるチュールを。

飲ませてください。もう少し。今夜は帰らへん

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第4話 『淀川ストーリー』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第4話 『淀川ストーリー』


とあるお金持ちのご婦人宅にて、豪華なディナーを堪能し満腹になったわてとミーさんは、ごちそうして下さったご婦人に感謝の意を込めて深々と頭を下げてお礼をしました。
そしてご婦人宅で飼われているヘタレのお犬様・アンドレ君ともお別れの挨拶をしました。
「ほなわてらぼちぼち行くさかい、奥様によろしゅう云うといてや。」
「もちろんだす。兄さんも姉さんもお元気で。また遊びに来て下さい。」
そうしてわてらは再

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BORN TO BE 野良猫ブルース   第3話 『危険な二匹』

BORN TO BE 野良猫ブルース   第3話 『危険な二匹』

わてはまだ対面した事がないメス猫に並々ならぬ興味と好奇心を抱いたので、とりあえずそこら辺を徘徊する事とした。
わては出生後まだそれ程成長していない子猫なので、成猫のようにギラギラした欲望は未だ湧き上がってくる事はない。その欲望とやらがどの様な感情なのかすら理解できないでいるのが現状である。云うなれば大人の階段を上るちょっと手前の思春期の少年と表現するのが正しいであろう。

師匠や白猫先輩から学んだ

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