川﨑ありさ

保育士・芸術家・ラジオパーソナリティ ★第20回全国高校生創作コンテスト受賞 ★ユリ…

川﨑ありさ

保育士・芸術家・ラジオパーソナリティ ★第20回全国高校生創作コンテスト受賞 ★ユリイカ2020年8月号現代詩記載 ☆2019年12月佐賀県立美術館個展開催 ☆2020年12月 福岡市美術館 個展開催 FMからつ『天才・ありぼんの元気が出るラジオ』 毎週木曜19〜20時

マガジン

  • 現代詩【社会人】

    2021年 大学を卒業し、4月から新社会人!!!! ついに社会に解き放たれた!!!!!! 学生から大人になっていく様をご覧下さいな☆

  • 現代詩【大学生】

    4年間で色々と感じたものを言葉にし尽くしたぜーい!!!!!!フゥー!!!

  • 現代詩【高校生】

    だいたい高3くらいから現代詩を書き始めました。中高はまさしく暗黒時代ですね。だけど内輪ではかなりのお調子者だったり…。 もし中学時代から現代詩を書いていたらまた違ったものが見えてたかもですね(笑) 学生時代コンプレックスが凄まじうございます。 いろんな経験をして乗り越え方を学んだので、今が最高に楽しいです。

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ヒト身知り(高校生創作コンテスト受賞作品)

私の仕事。 それは街にある信号機を建てること。 私と同業者の人達は通行人、そして自動車とが事故を起こさずに済むよう、等間隔にうまいこと計算しながら建設していって…

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間奏 約11秒

向こう岸に行ってもやめないんだ 君のために用意しておいた時空はどこへ行ったのやら この空間に吸い込まれても 怒らないで 泣かないで 儚くて水のように透き通る美しい …

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思う壷

「その壺に入ったスープは苦いんです」 子どもが飲むと死んでしまうんだってさ まだずるずると引っ張り倒しているんだろうな どうせ そんなつもりないのに そんなことに…

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購買部

見たことあるようで ちゃんと認識出来ていない 喉の奥でちゃんと丸焦げになるまで揚げたい まだまだ遅くないでしょ ゆっくりゆっくり歩もうよ そんな焦ることじゃないん…

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誹謗中傷

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ジャム

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所詮……

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温度鏡

大好きだよ わたしも大好きだよっ 君のその体温と匂いは期間限定 それでも決まってわたしの身の回りに 定期的にやってきてくれるんだ こんなに温まる瞬間って ほかの日常…

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ヒト身知り(高校生創作コンテスト受賞作品)

私の仕事。
それは街にある信号機を建てること。

私と同業者の人達は通行人、そして自動車とが事故を起こさずに済むよう、等間隔にうまいこと計算しながら建設していっている。
しかし、私にはそれがどうしても出来ないのだ。

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間奏 約11秒

向こう岸に行ってもやめないんだ
君のために用意しておいた時空はどこへ行ったのやら

この空間に吸い込まれても
怒らないで
泣かないで

儚くて水のように透き通る美しい
その瞳に映る
情報はなるべく遮断しておきたいのだった

苦手な嘘もついてみたけど
やっぱ誰のためにもなんないしやめた

その存在に包み込まれて眠るのは
これといって不快ではないものだ

狭いところをすり抜けて
ご機嫌取りはやってくる

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思う壷

「その壺に入ったスープは苦いんです」

子どもが飲むと死んでしまうんだってさ

まだずるずると引っ張り倒しているんだろうな
どうせ

そんなつもりないのに
そんなことになんてしたくなかったのに
明日、あの橋を渡る頃には
もう好きじゃない

そう誓っても
思う壷なんだ

試してみたこともないくせに
試してみたくもないからさ

とっくに波をすぎたと思っていても
海はそこにあるのだから
結局は同じ場所を

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購買部

見たことあるようで
ちゃんと認識出来ていない

喉の奥でちゃんと丸焦げになるまで揚げたい

まだまだ遅くないでしょ
ゆっくりゆっくり歩もうよ

そんな焦ることじゃないんだし
そんな急いで決めるものじゃないんだし

今、ここに置いてあるパンだけに拘らず
炭水化物抜きダイエットしてたいの

そしたら
今はできる限り踊ろうよ
ソロパートの振り付けでも考えて

その方がいつだって可愛いくもいられるんだろう

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基本的にぐにゃる

最近は基本的にぐにゃってます

人間関係がぐにゃってる
見えなさすぎて
入り込みすぎて
人脈は何もしなくても勝手に広がるし
何かしたらよく分からないところで無限に広がっていくし

勝手に増えていくし
勝手に消えていくし

わたしの意志の9割は通用しない

消えてほしいと思ったことは1回もないけど
消えていくものや
悪い意味でぐにゃってるものや
儚いものを
繋ぎ止めておくだけの気力がなかったからね

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パーフェクト駄目人間

一日の半分こ
寝ちゃってるんだってさ
デジタル時計がそのカクカクした文字で知らせてくれる

知らせる時間さえなければ
今の現実は一旦置いておいて
23時に寝て7時起きたってことにも出来ちゃうのに
そういう設定で起きとけるのに

学校もないんだし
あったとしてもリモートだから始まる寸前に起きればいいんだし

明日も明後日もパーフェクトに駄目人間
わたしは午後を生きている
それだけで十分でしょ

大雪

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両手に華

ただの繰り返すだけ
やりたかった夢を手に入れたら
それを繰り返すだけになっていた

あれがしたい

それもしたい
これがほしい
どれもほしい

いくら手にしたところで当たり前の一部が増えていくだけで
だんだんマンネリ化してつまらなくなっていく

やりたくないことはその場しのぎで終わるのに
自分から始めてしまったことは
意味もなく続けられてしまうし

やりかったことがやりたくないことに
変化していく

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通勤路1年目

ホームの端と端を繋ぐようにして
横の道路の人らを見下ろしながら
並走してさ
それだけで
かっこいい社会人ですかね
ですかね
そんなかっこわるい語尾じゃ
だめなんですかね

バスの時間までをこうやって
かっこつけたように勘違いして
かっこよさが約束されたような垢の他人が作ったありきたりな曲を
ただただ耳に

当てるだけ

歩くだけ

大人になっていた
なんにもない大人になっていた
なんでもない日々に

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筋肉痛、上書き保存の法則

4月のせいだと誤魔化してしまった
違う重荷の部分をまるでその日に受けた痛みかのようにして、毎日を上書きしていく

互い違いになっても
こんなに肩が重いのも
4月のせいにしちゃえば楽なんだ

普段使わない筋肉を使ってしまって痛めた
水曜日も心もこの部屋も
いまのせいにしてしまえば楽なのに

4月が悪者なのかもしれない
前向きと楽しさと充実感の中に混ざり込む空虚は
新生活のせいです
新生活のせいです

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早すぎた到着

そういえばこんなに
まじまじと
自動販売機を見たこともなかったんだな

買いたいときもだいたい2、3択で
悩んでるもんだから
いっつも全体には目をやらなかったな
それしか視界にはなかったよ
興味もなかったよ

ブラックコーヒーと
甘ったるいりんごやぶどうのジュース

上の段にあるエナジードリンクはこれからお世話になるのかもしれないなとか考えてる
都会で配られてるそれすらも家で放置して、意味もなく賞

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誹謗中傷

周りに目を向けすぎると
汚い情報ばかり頭に入ってくるだろ

ぼんやりとしてるのにそのことばかりを思考してしまう
頭に入ってくる事柄すべてを
自分好みにカスタマイズ出来たらどんなにいいのだろうか
入れたいものはうちへ
入れたくないものは外へ

それしかないのだと思ってしまう
執着して執着して
それがわかっているのに
自分自身に追い詰められてどんどん堕ちていく

「もっと視野を広く生きなさい」

政治

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手袋を捨てて不自由になれりゃいいのに

からだを一気に小さくさせたから
気が付くと
ポケットサイズにされてしまう

一生そこに住めたら
どんな人生を送れるのだろうか
そう少しだけ大袈裟に捉えてしまった。

そのあったかさが右手からみるみる芯まで伝わってきて
気が付いたら体ごと
手袋の中に入っていたのかな。

そうだったらいいのに…

結局はそのとき、ちゃんと密閉されてるのが右手だけだから
ちょっとだけ嫉妬してしまう

こんなに防寒してき

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ジャム

1人じゃ甘ったるすぎるんだよ

「誰の顔色も伺わずに自由に生きていったほうが楽だよ」

でもそれだと目から孤独感や不安感が止まらなく溢れていって
その水分が顔中を過ぎ去るから
味が濃すぎて舌がパンクしそうだ

1人じゃ成立しないんだよ

1人じゃ音楽は出来ない
1人じゃ社会は動かない
1人じゃ自分を愛せない

自己主張を磨いたところで
結局誰にも見て貰えなくなるのなら
自己を見失ってさまようだけだ

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所詮……

自分のなかだけで留めておくことが少しずつ減っていって
友達に言ってしまいたくなることが少しずつ増えていく
後ろめたいことも恥ずかしいことも
秘めた暗めカラーな精神状態も

所詮、ビジネスパートナーだと割り切れたら
所詮、数年限りの友人と割り切れたら
所詮、セフレだと割り切れたら
所詮、生活を共存している群れだと割り切れたら

いつまで続くかも分からない環境にすがっておくのはきっとダサいんでしょ

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結末

外的なものに影響を受けるもんだから
突発的に負の感情が押し寄せてくる

今このシーズンの予告編は
すでに数ヶ月前にちゃんと真に受けさせられたところだから
わかってんだよ
いずれ自分の傍には今あるものの何も無くなってしまうことくらい
無くならないでと願っても
新しい状況に立ち向かっていることくらい

どんくらい続くかの耐久戦になるはずで
今はとりあえずの時間なんでしょう
きっと

結局何もかもが入れ

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温度鏡

大好きだよ
わたしも大好きだよっ

君のその体温と匂いは期間限定
それでも決まってわたしの身の回りに
定期的にやってきてくれるんだ

こんなに温まる瞬間って
ほかの日常には転げ落ちてないからさ
困ったもんだよね
せっかく見送ってくれたのに
そうやって離れがたくさせちゃってさ

ついつい
外がこんなに冷え込んでいても
追っかけちゃうじゃない

でもあなたも
実はこんなわたしが好きなんでしょ
嬉しいん

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