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使っているスマホが生活を左右する時代がやってくる

「フェイスブックがネットショップ開設、日本で新サービス開始 」2020年6月17日 朝日新聞

「フェイスブックジャパンは16日、ネットショップを無料で開設できる新サービスを国内で始めたと発表した。利用者はFBやインスタグラムを通じて商品を閲覧。気に入った商品を保存したり購入が出来るようになる」

経済評論家ではなくただの素人ですが、近い将来に起こりそうな生活の変化について書いてみたいと思います。

Facebookがいよいよネットショッピングに参入する。インスタグラムも同社が運営しているのでかなりのビッグニュースだ。

今はバラバラだけどSNS、ネットショッピング、ゲーム、ネットニュース、電子マネー、等をIT、通信大手はこれから全部繋げるつもりだろう。ドコモ、au、ソフトバンク、楽天とアメリカのGAFAでコンビニ決済、銀行取引、音楽・映像サービスをどんどん取り込む競争になっていくと思う。

フェイスブックはどのスマホでも使えるので関係ないが、一番の問題は「電子マネー」だ。これまで買い物の支払いは、現金とクレジットカードの二択しかなかったが、「電子マネー」が登場したことで業界の競争が一気に激化してると思う。カギになるのは携帯会社とリンクしている電子マネーだ。ドコモはd払い、auはauペイ、ソフトバンクはpaypay、楽天は楽天ペイ、で利用者を囲い込もうとしている。

どのスマホを使っていても、もちろん好きなレストラン、お店に行くことが出来る。しかし問題は「電子マネー」で、「うちの店はpaypayだけ使える」「うちはauペイだと特典がある」といった具合に、電子マネーは各レストランや小売店、習い事、エステ店、オンラインサービスと数多く提携している。

各携帯会社は「自社のスマホ利用者」に毎月、電子マネーのポイントや特典をプレゼントしているので、普段の生活で結構差が出るようになってきている。例えばソフトバンクはpaypayを運営しているので、ソフトバンクのスマホ利用者は毎月paypayポイントがもらえたり「Yahooショッピング」や「ロハコ」等のオンラインショッピングが安くなったりする。またドラッグストア等で割引があったりする。これはd払いやauペイも同じで、提携しているお店でいろいろなサービスを受ける事が出来る。

楽天ペイはもちろん楽天のホテルや旅行サイトと繋がっているのでポイントや割引サービスがあるだろう。ソフトバンクはYahooのサービスがいろいろあるしZOZOも吸収済み。ドコモとauはショッピングサイト、旅行サイト、オークションを持っていないので、これから旅行会社や「エアトリ」「ホテルズ.com」など予約サービス会社を吸収する可能性も高いだろう。また「出前館」や「Uberイーツ」といった宅配サービスを吸収することも考えられる。

携帯会社は電子マネーの利用者を増やす為にいろいろな業界と提携や吸収合併を加速している。例えば、ドコモのスマホ利用者はカラオケのビッグエコーをお得に利用できたり、auは英会話スクールのイーオンを吸収し様々な特典が受けられる、ソフトバンクはサーティーワンアイスクリームで特典が受けられたりする。またpaypayでオンラインショッピングをすれば毎回10%のポイントが付いてくる。これは楽天などもやっているだろう。オンラインで雑誌を無料で読めるサービスもある。今や生活のあらゆることがスマホとつながっている。

電子マネーの登場以外にも、各銀行がデビッドカードを開始したので、既存のクレジットカード会社は売上が厳しくなっているだろう。JRのスイカやpasmoといった交通系電子マネーも強力なライバルだ。

ITビジネスはこれまでの製造業やサービス業と違い、海を越えてやって来る。だからアメリカのgoogleもamazonもNetflixもコンピューターさえあればどの国にも簡単に侵入してくるし、ネットショッピング、ゲーム、音楽、映像、電子マネーもコンピューター上だから簡単にどんどん吸収合併が可能。ビジネスを容易に拡大する事が出来る。

インターネットは通信だから当然通信会社が巨大な力を持つ事になる。これからはアメリカのGAFAと日本の携帯会社4社のいろいろな業界の囲い込み競争が激化していくだろう。JRや鉄道会社のスイカやpasmoは強力だが今のところ携帯会社と独占契約を結んでいない、もしどこか1社と電子マネーで独占提携をしたら一気にその会社が有利になるが、独占禁止法の観点からもその可能性は低いのではないか。

銀行は長年の低金利とコロナショックで経営がかなり苦しい。現在はほとんどの作業がオンラインで出来るので駅前の一等地にある店舗も足を引っ張っている。その証拠に最近はどの銀行も手数料の値上げが目立つ。今後は全ての業務でオンライン化を加速し通信会社と連携する事も十分考えられる。

さすがに数年以内にネットショッピング、ゲーム、電子マネー、映像、音楽サービスが一気にGAFAや通信会社の5、6社に全て統一されるということは考えずらいし、ある程度の独立性は保たれるだろう。しかしながらどの会社もスケールメリットで利用者が多くなればなる程、利益が増えるので、吸収・合併や提携の交渉は活発に行っているし、これからもその動きは徐々に進んでいくだろう。

その中で私たち消費者はどうすれば良いのか?

一番重要なのは携帯電話だろう。どの携帯電話会社のスマホを利用するかで受けられるサービスと特典が変わってくる、自分が使っているスマホ会社がどの会社と提携しているか?レストランや洋服や靴等の小売店、コンビニ、ドラッグストア、カラオケ、映画館、塾や習い事、映像・音楽サービス、ネットショッピング、エステ、ジム、美容院、ネット雑誌・マンガ、そういったサービスを調べて契約する事で損得が分かれてくるだろう。各電子マネーのサイトや自分のお気に入りのお店やサービスに「電子マネー」とgoogleで調べればどこと提携しているかはすぐ分かると思う。

また、自分のお気に入りのお店やオンラインサービスが例えば「ドコモと提携を結んだ」というニュースがあったら、非ドコモユーザーはドコモに乗り換えるといった方法もあるかもしれない。小規模な携帯会社やガラケーだと、電子マネーや店舗の提携サービスが受けられずに不便だったり、ポイントがたまらなかったり、アプリが利用出来なかったりと、自分が知らないうちに損をしている可能性も考えられる。また、調べれば沢山あるお得なサービスを使っていない可能性もある。

さらに最近テレビでCMしているように各社は「dカード」や「auペイカード」のようにクレジットカードにも進出してきている。楽天カードと同じようにポイントが付くし、特典もある。

つまり自分が使っているスマホ→電子マネー→クレジットカードが自動的に指定されるわけだ。別の電子マネーやクレジットカードを使うとポイントや特典がもらえず損をするので、ほとんどの利用者はこのセットに縛られることになる。そうなると他社の電子マネーやクレジットカードは入り込みずらくなるので、携帯会社が巨大な力を持つわけだ。

今はSIMカードなしスマホの販売も広がっているし、通話料金や電波状況などの問題もあるので最終的には個人の判断になるが、大手携帯会社はいろいろなサービスが利用できるし、これからさらに拡大していく可能性が高い。

今の時代、毎日の買い物も外食もエンターテイメントも仕事も、趣味も教育も公共手続き、家族や友人との連絡等、ほとんど全てスマホやパソコンを経由している。

とにかくこれからのIT時代は「スマホ」を中心にあらゆる事が進んでいくのでスマホ選びは一番重要だ。自分が使っている携帯会社や他社の動きに注目する事で、大きく得をしたり損をしたりするような時代になると思う。

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