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【ひよわな校長の処方箋67】次へつなげる学校
校長は退職か転勤でいつか変わってしまう。何か新しいことを始めても、次の校長が受け継がなければ元に戻ってしまう。何かを改革しようと思ったら時間をかけて学校の文化になるように浸透させなくてはならない。
しかし校長の任期は短い。だからこそ、着任したらすぐに自分が信じる教育に取り掛からなくてはならない。「1年目は様子を見て」などとは言っていられない。
まず、経営の柱となる学校教育目標が古くて時代に合
【ひよわな校長の処方箋66】いろんな教師がいるからいい
この教師はダメだという決めつけは悪循環しか生まない。それはその教師をいっそう荒んだ気持ちにさせ、周囲との関係をいっそう困難にしてゆく。
ある教師Aさんに対して、同僚の教師Bさんがそんな思いを持っていたとしよう。「Aさんは、生徒との関係が普通に作れないし、授業もいつも騒がしくて、ほとんど崩壊している。もうAさんは教師として不適格ではないのか」そんなことを他の同僚と話していたりする。話された同僚も
【ひよわな校長の処方箋65】ごっこ遊びの真剣さ
教育委員会の指導主事だったときの経験で気づいたことだが、こども園から学ぶことは多い。教育に携わる者は皆、幼児教育の現場を知る必要があるとさえ思う。そこでは日々、真剣なごっこ遊びが展開されている。
例えば、園舎に入ると、廊下にはベッドも備えた小さな「病院」がある。大きな白いビニール袋を使った手作り白衣を着た小さな「院長先生」が仲間の小さな「医師」たちに指示を出している。
「大変だ、すぐにギブス持
【ひよわな校長の処方箋64】楽しい仕事
学校は職場として楽しいところである。子供の成長を通して、生きるということの本質を学べる。日々、命の躍動を感じることができる。
ところが近年、教員は職として人気がない。採用試験の競争倍率が2倍を切ってしまった自治体もある。
その原因の一つは、マスコミなどによって強調されたブラックなイメージではないかと思う。実際、時間外労働は残業手当もなく時間も無制限だし、生徒や保護者などとの話し合いがうまくい
【ひよわな校長の処方箋63】もったいない教育
そもそも学ぶということは贅沢なことなのかもしれない。世の中には生きるのだけで精いっぱいという人もいる。実際、ヤングケアラーのような境遇にいる若者の中には進学をあきらめざるを得ない者もいる。
日本は教育よりも防衛に多くお金を使っているようだ。学ぶことよりも、生きるのが精いっぱいということなのだろうか。しかし教育は未来を創るが兵器は未来を破壊しているだけのような気がするが。
そんなわけで、日本で
【ひよわな校長の処方箋58】一枚岩は玉砕する
「職員一同、一枚岩となって全力で取り組んでもらいたい」というような言葉をよく聞く。しかし「一枚岩」は割れやすい。一か所亀裂が入ると全体が割れてしまう。
木目の方向がバラバラな板を張り合わせたべニア板のように、多様な人間が集まってそれぞれの考えを出し合いながら取り組んだほうが割れにくいし、いいアイデアも出る。
同じように、「一致団結」もよくない。かつての日本軍のように、誰かが間違えたらみんなで玉