嶋浩一郎

博報堂 執行役員/博報堂ケトル クリエイティブディレクター・編集者/本屋B&B 経営者…

嶋浩一郎

博報堂 執行役員/博報堂ケトル クリエイティブディレクター・編集者/本屋B&B 経営者 ブルゴーニュワイン・文庫本・ウエス-アンダーソン・時刻表・twitter・檜風呂・永楽食堂・ WEB3・サラリーマン・le cabaret・小肌の握り・サインペン・松本・サンドウィッチ

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記事一覧

演劇とPRとエンパシー

鴻上尚史が高校生に演劇を教えてたテレビのスイッチを入れたらNHKの番組で劇作家で演出家の鴻上尚史さんが高校生に演劇を教えているシーンが流れてきました。自分が高校生…

嶋浩一郎
11日前
18

神保町ってどんな街?

神保町の書泉グランデが日経MJに取り上げられていました。皆さん、書泉グランデをご存知ですか? 御茶ノ水から駿河台下の交差点まで坂道をおりてくると前方のビルの上に見…

嶋浩一郎
3か月前
62

2024年はフワフワと生きていこうと思った話

みなさん。今年もそろそろ終わりですね。いろんな人が謝りっぱなしの一年だった印象ですが、今日は世田谷美術館で開催されていた「倉又史朗のデザイン展」の話をしたいと思…

嶋浩一郎
4か月前
24

違いを見つけるより、同じを見つける方がモテる時代

広告とPRはどう違うの?広告とPRの違いをよく聞かれます。 ともに、新しいアイデア(新商品や新サービス)や新しい考え方(サステナブルな世の中をつくろうとか、ジェンダ…

嶋浩一郎
5か月前
217

まずは遊ぶため

10月25日、東京ビッグサイトで「モビリティショー」が開幕しました。25日は自動車メーカー各社のトップが最新のEVなどを発表し、報道でも取り上げられていましたね。…

嶋浩一郎
6か月前
37

サンドイッチに恋して

今月は食のエッセイを。 こちらの日経新聞の記事によると、コンビニで意外なものが外国人観光客に人気だといいます。ファミマのカラフルソックスと並んで紹介されているの…

嶋浩一郎
7か月前
78

なぜ鉛筆は六角形で、鉛筆はこれからどんな形になるのか

文房具好きです。日経新聞にも日々進化する文房具が記事になっていますね。 今月は日用品の機能やデザインがどう進化しているのかについてちょっと考えてみたいと思います…

嶋浩一郎
8か月前
116

哲学を学ぶ意味がなんとなくわかった話

最近、哲学がマイブームなんです。ソニーで宇宙開発をやってる友人に「この人面白いよ」と、哲学者の谷川嘉浩の著作「スマホ時代の哲学」を紹介してもらったのがきっかけ。…

嶋浩一郎
9か月前
77

マヨネーズは俺に任せろ!

なにしろたまらなく好きなものでスティーブ・ジョブスは毎日イッセイミヤケの黒のニットを着ていたわけだけど、世の中には特定のアイテムが好きで好きでたまらない○○ラバ…

嶋浩一郎
10か月前
22

「これも古典なんですよ」、「マジすか?」

今、町田康さんの「口訳 古事記」を読んでいる。これが、めっぽう面白いのです。弟のスサノウが凶暴化し狼藉を働いているという部下からの報告をうけて、姉のアマテラスの…

嶋浩一郎
11か月前
18

君はカリフォルニアロールを許せるか?

今日はブランド論の話をしようかとおもいます。とかいいつつ、どんどん脱線するんですけどね。かつてのブランドは「経典」でした。ブランドを作った人が私のブランドの世界…

嶋浩一郎
1年前
30

本屋は無駄を売っている

なぜ、人は余計な本を買っちゃったって嬉そうに話すのか?日経新聞の記事によると、アメリカでリアル書店復活の兆しがあるんだとか。ちょっと、嬉しいニュースです。リアル…

嶋浩一郎
1年前
222

小倉トーストを抽象概念に昇華する

「読書」面を読むのが好き! 新聞の書評を読むのが好きです。本屋を運営しているということもあるのでしょうが、全国紙の書評欄を土日には必ずチェックしています。かつて…

嶋浩一郎
1年前
146

鶏が卵を産みはじめる日にクリエイティブな人になる方法を考えてみた

どうする? クリエイティブな人になるためにクリエイティブな人材が求められているなんてことがよく言われます。変化の激しい時代に、新しいビジネスを生み出すにはクリエ…

嶋浩一郎
1年前
32

今年最後にPRパーソンの思ったこと

ええ、ことしもあと少しでおわりですね。 いきなり吉幾三的なはじまりですが、来年に向けてPR業界で考えたいことを年の最後に書いておきたいと思います。一年後の答え合わ…

嶋浩一郎
1年前
28

新しい「あたりまえ」がたくさん必要

エスカレーターの合意形成 タイトル画像がエスカレーターなのですが、なんで?と思われたかたも多いかと。転倒事故防止のために、エスカレーターでは歩かず止まって利用す…

嶋浩一郎
1年前
40
演劇とPRとエンパシー

演劇とPRとエンパシー

鴻上尚史が高校生に演劇を教えてたテレビのスイッチを入れたらNHKの番組で劇作家で演出家の鴻上尚史さんが高校生に演劇を教えているシーンが流れてきました。自分が高校生だった1980年代、鴻上さんはニッポン放送の「オールナイトニッポン」木曜2部のパーソナリティをやっていました。午前3時にロキシー・ミュージックの「MORE THAN THIS」というテーマ曲で始まる番組は、ラジオ好きだった僕のお気に入りの

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神保町ってどんな街?

神保町ってどんな街?

神保町の書泉グランデが日経MJに取り上げられていました。皆さん、書泉グランデをご存知ですか?

御茶ノ水から駿河台下の交差点まで坂道をおりてくると前方のビルの上に見えてくるのが「鉄道 アイドル プロレス」と書かれた看板。そうです、それが書泉グランデです。
「鉄道 アイドル プロレス」。かなりどストレートなコピーですね。書泉グランデはこの3つのジャンルだけでなく、バスや数学などマニアックなテーマの選

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2024年はフワフワと生きていこうと思った話

2024年はフワフワと生きていこうと思った話

みなさん。今年もそろそろ終わりですね。いろんな人が謝りっぱなしの一年だった印象ですが、今日は世田谷美術館で開催されていた「倉又史朗のデザイン展」の話をしたいと思います。

日経新聞も取材していますね。この椅子、座り心地が見た目のヘビーな感じと違ってすごく優しいんですよ。

倉俣史朗さん。みなさんご存知ですか?日本を代表するインテリアデザイナーで60年代に三愛に入社されて、什器や店舗のデザインから仕

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違いを見つけるより、同じを見つける方がモテる時代

違いを見つけるより、同じを見つける方がモテる時代

広告とPRはどう違うの?広告とPRの違いをよく聞かれます。

ともに、新しいアイデア(新商品や新サービス)や新しい考え方(サステナブルな世の中をつくろうとか、ジェンダーの平等を目指そうとか)を、より広く世の中に知らしめ、普及させる活動ということは共通していますね。

一般的には広告は有料のメディア枠を購入して、そこに発信者が制作した広告を掲出する仕事。PRはメディアなどの影響力のある第三者に対して

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まずは遊ぶため

まずは遊ぶため

10月25日、東京ビッグサイトで「モビリティショー」が開幕しました。25日は自動車メーカー各社のトップが最新のEVなどを発表し、報道でも取り上げられていましたね。自分も開幕日にお邪魔させてもらいました。

今回、「モーターショー」から「モビリティショー」に名前を変更したわけですが、新車のスペックを競い合うクルマ産業のコンベンションから、移動技術の展示会へのシフトを感じることができました。日経新聞で

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サンドイッチに恋して

サンドイッチに恋して

今月は食のエッセイを。

こちらの日経新聞の記事によると、コンビニで意外なものが外国人観光客に人気だといいます。ファミマのカラフルソックスと並んで紹介されているのが、サンドイッチです。柔らかいパンをつかったサンドイッチは海外ではレアらしく、そのテクスチャーが受けているのではという分析をしています。

サンドイッチはワーカホリックのための食べ物だった?

巷でよく言われるのが、イギリスでサンドイッチ

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なぜ鉛筆は六角形で、鉛筆はこれからどんな形になるのか

なぜ鉛筆は六角形で、鉛筆はこれからどんな形になるのか

文房具好きです。日経新聞にも日々進化する文房具が記事になっていますね。

今月は日用品の機能やデザインがどう進化しているのかについてちょっと考えてみたいと思います。

「あたりまえ」は「あたりまえ」じゃなかったヘンリ・ペトロスキーというアメリカの土木工学専門の学者がいます。
僕は彼の書いた本を何冊か読んでいるのですが、彼は鉛筆、ゼムクリップ、フォークなど我々が毎日のように使うものが、なぜ今の形にた

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哲学を学ぶ意味がなんとなくわかった話

哲学を学ぶ意味がなんとなくわかった話

最近、哲学がマイブームなんです。ソニーで宇宙開発をやってる友人に「この人面白いよ」と、哲学者の谷川嘉浩の著作「スマホ時代の哲学」を紹介してもらったのがきっかけ。この本を読んでの感想は、この人はすごく漫画とアニメに詳しいなぁというもの。
おい、それ哲学とカンケーねーじゃん(怒)って声が聞こえそうだけど、谷川さんは哲学を説明するのに、この概念はこの漫画におけるこのシーンだ、なんてリファレンスをしてくれ

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マヨネーズは俺に任せろ!

マヨネーズは俺に任せろ!

なにしろたまらなく好きなものでスティーブ・ジョブスは毎日イッセイミヤケの黒のニットを着ていたわけだけど、世の中には特定のアイテムが好きで好きでたまらない○○ラバーがいますよね。インスタグラムでも毎日のように二郎系ラーメンの写真をアップするジロリアンの皆さんや、ビールグラスをアップするビーラーがいますもんね。
自分も○○ラバーの気があるんじゃないかと思います。さすがに毎日とはいきませんが、喫茶店では

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「これも古典なんですよ」、「マジすか?」

「これも古典なんですよ」、「マジすか?」

今、町田康さんの「口訳 古事記」を読んでいる。これが、めっぽう面白いのです。弟のスサノウが凶暴化し狼藉を働いているという部下からの報告をうけて、姉のアマテラスのリアクションが「マジですか」。部下の答えが「マジです」。オオクニヌシの兄弟は「むかつくから弟を殺しちゃお」。全国統一を目指す大王は「言うこと聞かないやつがいるから、ちょっといってどつきまわしてこい」。万事こんな調子の超絶現代語訳で物語が展開

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君はカリフォルニアロールを許せるか?

君はカリフォルニアロールを許せるか?

今日はブランド論の話をしようかとおもいます。とかいいつつ、どんどん脱線するんですけどね。かつてのブランドは「経典」でした。ブランドを作った人が私のブランドの世界観はこういう感じだから「この服はこう着て」みたいな。

でも、今は共創の時代なんていわれております。

僕は、よくマーケティングや広告をやっている人たちに「これからはカリフォルニアロールを認められる人の時代だよ」という話をしています。江戸前

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本屋は無駄を売っている

本屋は無駄を売っている

なぜ、人は余計な本を買っちゃったって嬉そうに話すのか?日経新聞の記事によると、アメリカでリアル書店復活の兆しがあるんだとか。ちょっと、嬉しいニュースです。リアル書店の価値は「買うつもりのなかった本を買ってしまうこと」。本屋に入った時は買うつもりのなかった本を、レジに並んでいるときに手にしているって経験、みなさんにもありますよね。

人はいろんな欲望を持つけれども、不器用だからその欲望を自分で言語化

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小倉トーストを抽象概念に昇華する

小倉トーストを抽象概念に昇華する

「読書」面を読むのが好き!

新聞の書評を読むのが好きです。本屋を運営しているということもあるのでしょうが、全国紙の書評欄を土日には必ずチェックしています。かつては書評は日曜の定番でしたが、日経をはじめ、毎日、朝日が土曜掲載。読売が日曜掲載ですね。土曜日に掲載がシフトしたのは、書評を参考に本屋に行くのに土日の二日間を使えるようにするっていう配慮なんでしょうね。

ここ最近、日経の「読書」面でフムフ

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鶏が卵を産みはじめる日にクリエイティブな人になる方法を考えてみた

鶏が卵を産みはじめる日にクリエイティブな人になる方法を考えてみた

どうする? クリエイティブな人になるためにクリエイティブな人材が求められているなんてことがよく言われます。変化の激しい時代に、新しいビジネスを生み出すにはクリエイティビティが必要なのは間違いありません。

でも、いきなりクリエイティブな人になれって言われても困りませんか?何をすればいいのかわかりませんよね。デザインの良し悪しが判断できるようになればいいのか?人の心を動かす文章を書けるようになればい

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今年最後にPRパーソンの思ったこと

今年最後にPRパーソンの思ったこと

ええ、ことしもあと少しでおわりですね。
いきなり吉幾三的なはじまりですが、来年に向けてPR業界で考えたいことを年の最後に書いておきたいと思います。一年後の答え合わせ用です。

写真は今日のB&Bの本棚です。毎年恒例12月31日の大晦日は運営する本屋B&Bで共同経営者のブックコーディネータの内沼晋太郎さんと過ごしています。ここ2年コロナの影響もあり書店の経営はなかなか大変でした。やっとお店に人がもど

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新しい「あたりまえ」がたくさん必要

新しい「あたりまえ」がたくさん必要

エスカレーターの合意形成

タイトル画像がエスカレーターなのですが、なんで?と思われたかたも多いかと。転倒事故防止のために、エスカレーターでは歩かず止まって利用すべきという条例を来年10月めどに制定しようという名古屋市の動きがニュースになったことを覚えているみなさんも多いかもしれません。現実にはエスカレーターで歩いてもいいと思う人と、やはり事故防止が大事だと思う人は、それぞれいるんじゃないかと思い

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