黒リス

ニューヨーク生息中の人間の皮を被った黒リスと名乗る生き物。好きなことは、食べること、寝…

黒リス

ニューヨーク生息中の人間の皮を被った黒リスと名乗る生き物。好きなことは、食べること、寝ること、たまに走ること。動物大好き。2021年2月末にシニアの保護犬コーディが旅立ち、現在、犬のフォスター(里親)ボランティアを経て出会った、おてんば娘のくるみと暮らしています。

マガジン

  • エッセイ:ぜんぶ

    愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。

  • 乳がんサバイバーのつぶやき

    2014年大晦日に乳がん告知を受け、2015年元旦から、がんと向き合う人生に。 全摘・再建・抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン治療とフルコース治療を経験し、生き延びている自分の気づきをご紹介。

  • 本の話

    子供の頃から活字中毒。基本雑食。数年前にkindleで読み始めたけど、やっぱり、紙の本が好きと実感した最近。折角なので、本の感想とご紹介を始めました。

  • ショートストーリー

    3分で読めるショートストーリー。でも、何か心に残るかな?

  • (小説)スカイとマルコ

    イタズラが過ぎた天使たちが下界に犬として落とされた。そこで、色んな人間たちに出会い、人間たちと一緒に生きる意味を考えていくお話し。

記事一覧

その曲に救われる

背筋が冷んやりとした。 一昨日は、年に1度受けるマモグラムとウルトラサウンドの日。2015年に乳がんのフルコース治療後は、それこそ、結果が出るまで不安な時間を過ごす…

黒リス
2週間前
15

時代の曲

最近、令和時代の曲ばかり聴いている。 え?それって当たり前のことじゃない? って、思うかもしれない。でも、私にとってはそうじゃない。 平成になってすぐにカナダ・ア…

黒リス
3週間前
7

後悔が自分を作る

最近、”後悔”も悪くないな、と思うようになった。 昔は、この↓心理カウンセラーさんが言うように、「後悔する暇があれば、反省して、前に進め」と思っていた。 https:…

黒リス
1か月前
9

必要な時にある出会い:2冊の本のご紹介

本が、今、自分に必要だった答えのようなものを与えてくれることがある。 今、感じているモヤモヤとした何かが心に燻いていた時など、”ああ、そうか、そうなんだ。”と思…

黒リス
2か月前
5

誰にも奪われないもの

これはうちの教育方針だったのか分からないけど、中学生ぐらいから、お小遣いは、新しい学年に進級するタイミングで親と交渉する慣わしであった。例えば、週に何回購買部で…

黒リス
3か月前
6

月子とケイタ・それでいいのだ。

「彼女とは終わりにしました。彼女は、普通に結婚して、子供を産む人生を生きるべきだと思ったし、いや、これは詭弁ですね。自分が逃げた、怖くて逃げたんです。酷い奴でし…

黒リス
3か月前
6

月子とケイタ・親という存在

月子さんのアパート近くの商店街の一本裏に入った小道にあるカジュアルなイタリアンのお店。混んでもなく、ガラガラでもなく、いつも1、2テーブルが空いているお店は居心…

黒リス
4か月前
7

月子とケイタ・そんな始まりもある

ケイタ君と電話で話してひと月後、月子さんは犬に触りたくて、触りたくて、たまらない禁断症状に襲われ始めた。 ああ、あの温もりが恋しい。 いてもたってもいられなくな…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコからの”月子とケイタ”

ソラがお空の星になってしまってから、気がつけば3週間が経っていた。 添い寝をしていたら、その時が来たら絶対、気づくはずだと思っていたのに、月子さんは、自分がぐー…

黒リス
4か月前
5

スカイとマルコ(33)・いっしょに

あたしはすぐに分かった。 あの車に乗っているのはケイタ君。空気に漂う一瞬の気配で気づく。 あ、車のドアが開いた。ほらね、やっぱり、ケイタ君。あのホカホカの太陽みた…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(32)・すぐに分かるよ

月子さんは、意味が分からなかった。 なぜ、ソラが私をここの連れてきたのか。ソラがなぜ、ここに来たがったのか。 「ソラ、私はソラを歳を取ったからって、ここに捨てた…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(31)・そして、そこに戻る

朝起きが苦手だった月子さんが、今では、早朝の散歩が日課であり、そして、その時間の空気が1日で一番好きになっていた。 子宮の病気が発覚するまで、タバコも吸っていた…

黒リス
4か月前
5

スカイとマルコ(30)・その日が来る前に

久しぶりにマルコの夢を見た。 月子さんと生きていくと決めたぐらいから、不思議と天界のことを思い出さなくなっていた。マルコのことは偶に、どうしているかな、って思う…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(29)・別れと出会い

ソラの毛、すっかり胡麻塩状態になったなぁ、と月子さんはブラッシングしながら思う。あんなにツヤツヤの真っ黒だった毛に白い色が混じり始めたのはいつ頃だっただろう?多…

黒リス
4か月前
10

スカイとマルコ(28)・マルコのカケラ

あたしは、人間が”遺灰”と呼ぶ、白い粉がなんなのかすぐに分かった。 マルコのカケラだ。 魂はもう神様と天界へ戻ってしまったけど、でも、あたしと一緒に犬として生きた…

黒リス
4か月前
9

スカイとマルコ(27)・温もり

「神様、僕、お願いがあるんです。僕がまだ犬の姿のうちに時枝さんに会わせてもらえませんか?」 天界に戻る道のり、マルコは神様に懇願した。 「時枝さん、ピーターとサ…

黒リス
4か月前
8
その曲に救われる

その曲に救われる

背筋が冷んやりとした。

一昨日は、年に1度受けるマモグラムとウルトラサウンドの日。2015年に乳がんのフルコース治療後は、それこそ、結果が出るまで不安な時間を過ごす。だが、治療から5年が過ぎ、9年目となる今まで、特に問題なく過ぎてきたので、少し気を抜いていたかもしれない。

「去年11月に受けた両胸のMRIの結果から、インプラントを入れた右胸に何かが写っているので、ウルトラサウンドをするように指

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時代の曲

時代の曲

最近、令和時代の曲ばかり聴いている。
え?それって当たり前のことじゃない?
って、思うかもしれない。でも、私にとってはそうじゃない。
平成になってすぐにカナダ・アメリカに渡ってきた私は、平成の音楽をほぼ知らない。だって、当時はネット配信なんて存在しなかったし、日本のTVもNHKを契約しないと観れなかったし、そもそも、アメリカに興味が向いていて、日本の曲をわざわざ聴こうなんて気がなかった。

だけど

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後悔が自分を作る

後悔が自分を作る

最近、”後悔”も悪くないな、と思うようになった。

昔は、この↓心理カウンセラーさんが言うように、「後悔する暇があれば、反省して、前に進め」と思っていた。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/faa25ce9b425a171be401376cca59651d1339e41

(記事抜粋)
「反省」は、「改善点を探るため、過去の行いを振り返り、もう一度

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必要な時にある出会い:2冊の本のご紹介

必要な時にある出会い:2冊の本のご紹介

本が、今、自分に必要だった答えのようなものを与えてくれることがある。

今、感じているモヤモヤとした何かが心に燻いていた時など、”ああ、そうか、そうなんだ。”と思わせてくれる一文があったりする。

そんな時に思うのだ。

本とも出会いだな、と。

最近、2冊の出会いがあった。

多くの出会いがあったとしても、その多くは、読んでいるときは、ワクワク、ハラハラ、ドキドキしたりするが、さっと私の心を通り

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誰にも奪われないもの

誰にも奪われないもの

これはうちの教育方針だったのか分からないけど、中学生ぐらいから、お小遣いは、新しい学年に進級するタイミングで親と交渉する慣わしであった。例えば、週に何回購買部で100円のパンを2個買うから、月にはいくらになる。本代は年間どれぐらい(去年の実績を踏まえ)になるから、月割だといくら、洋服代は年間いくらぐらい等の予測を明記し、よって、今年から月額のお小遣いはこれぐらい必要なる、と予算を提出し、親からもあ

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月子とケイタ・それでいいのだ。

月子とケイタ・それでいいのだ。

「彼女とは終わりにしました。彼女は、普通に結婚して、子供を産む人生を生きるべきだと思ったし、いや、これは詭弁ですね。自分が逃げた、怖くて逃げたんです。酷い奴でしょう?だから、ずっと独身。誰とも深い付き合いが出来ずにいる。自分は親がいなくて自由に生きられると言いながら、ずっと、親が分からないことに縛られているんです。」

そう言って、ケイタ君は、顔を伏せた。涙を堪えているのかもしれない。

子供を産

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月子とケイタ・親という存在

月子とケイタ・親という存在

月子さんのアパート近くの商店街の一本裏に入った小道にあるカジュアルなイタリアンのお店。混んでもなく、ガラガラでもなく、いつも1、2テーブルが空いているお店は居心地が良い。

「もっとちゃんとしたお店にお連れしたかったんですけど、すみません、ソラと暮らしてから、食べ歩きとかめっきりしなくなって・・・。」

「分かります、分かります。犬を飼うと、生活がガラッと変わりますよね。」

そう、価値観も。

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月子とケイタ・そんな始まりもある

ケイタ君と電話で話してひと月後、月子さんは犬に触りたくて、触りたくて、たまらない禁断症状に襲われ始めた。

ああ、あの温もりが恋しい。

いてもたってもいられなくなり、ケイタ君に電話して、週末ボランティアに登録した。最初は、犬舎の掃除、そして、餌やり。慣れてきたら、散歩も任されるようになった。暴れん坊女将軍のソラを手懐けただけあっって、月子さんは、どの犬にも冷静に、そして、辛抱強く、温かく接し、気

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スカイとマルコからの”月子とケイタ”

スカイとマルコからの”月子とケイタ”

ソラがお空の星になってしまってから、気がつけば3週間が経っていた。

添い寝をしていたら、その時が来たら絶対、気づくはずだと思っていたのに、月子さんは、自分がぐーぐー寝ている間に、ソラが旅立ったことに、ショックを受け、最初、自分を責めまくった。
遺灰となって、部屋に戻ってきたソラを、自分もソラを真似て食べようとしたが、なんとなく、ソラに止められている気がして止めた。その代り、遺灰をソラの目の色と同

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スカイとマルコ(33)・いっしょに

スカイとマルコ(33)・いっしょに

あたしはすぐに分かった。
あの車に乗っているのはケイタ君。空気に漂う一瞬の気配で気づく。
あ、車のドアが開いた。ほらね、やっぱり、ケイタ君。あのホカホカの太陽みたいな膜、ずっと、変わりない。

人間はルックスが変わることに一喜一憂するけど、もっと大事なことがあることに気づいていないみたい。
ケイタ君の陽だまりの膜があたしは大好き。

月子さんの透明な膜は、あたしと出会った頃は、ひんやり寂しそうだっ

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スカイとマルコ(32)・すぐに分かるよ

スカイとマルコ(32)・すぐに分かるよ

月子さんは、意味が分からなかった。
なぜ、ソラが私をここの連れてきたのか。ソラがなぜ、ここに来たがったのか。

「ソラ、私はソラを歳を取ったからって、ここに捨てたりしないよ。ソラがいくら望んだって、絶対しない。だから、帰ろう。ね?」

そう言ってみたけど、ソラは全く知らんぷりで、シェルターのゲートの前で寝転んで動かない。
シェルターのオープン時間は午前9時らしく、まだ、人の気配がしない。
どうしよ

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スカイとマルコ(31)・そして、そこに戻る

スカイとマルコ(31)・そして、そこに戻る

朝起きが苦手だった月子さんが、今では、早朝の散歩が日課であり、そして、その時間の空気が1日で一番好きになっていた。

子宮の病気が発覚するまで、タバコも吸っていたし、お酒も鈴木くんが仲間とワイワイやるのが好きだったのもあり、よく外に飲みに行っていた。
今、思い返すと、まるで前世の記憶のように感じる。
鈴木くんの下の名前も、”あきのり”なのか”のりあき”なのか、よくよく考えないとどっちが正しいのかさ

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スカイとマルコ(30)・その日が来る前に

スカイとマルコ(30)・その日が来る前に

久しぶりにマルコの夢を見た。
月子さんと生きていくと決めたぐらいから、不思議と天界のことを思い出さなくなっていた。マルコのことは偶に、どうしているかな、って思うけど、神様と一緒にいるから、心配する必要もないし、それよりも月子さんの一挙一動ばかりが気になる生活に変わっていった。

月子さんの声が心地良く、月子さんの匂いが大好きになった。
月子さんが側にいると幸せで、月子さんがいないと寂しい。
月子さ

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スカイとマルコ(29)・別れと出会い

スカイとマルコ(29)・別れと出会い

ソラの毛、すっかり胡麻塩状態になったなぁ、と月子さんはブラッシングしながら思う。あんなにツヤツヤの真っ黒だった毛に白い色が混じり始めたのはいつ頃だっただろう?多分、ソラが7歳を過ぎたぐらいからかな?

今、ソラは15歳。つまり、15年という年月が私とソラの上に流れたということだ。出会った頃は、ソラは1歳。人間の歳なら10歳ぐらいか。私は31歳になったばかりだったけど、私の方がずっと年上だった。だけ

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スカイとマルコ(28)・マルコのカケラ

スカイとマルコ(28)・マルコのカケラ

あたしは、人間が”遺灰”と呼ぶ、白い粉がなんなのかすぐに分かった。
マルコのカケラだ。
魂はもう神様と天界へ戻ってしまったけど、でも、あたしと一緒に犬として生きたカケラがここにある。
あたしは、月子さんの手からそれを奪い、ビニールを引きちぎり、一気に食べ切った。これでずっとマルコはあたしの中で一緒に生きる。そして、あたしはマルコの分まで生き続けてやる。

きっと、月子さんは呆れているだろう。
そう

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スカイとマルコ(27)・温もり

スカイとマルコ(27)・温もり

「神様、僕、お願いがあるんです。僕がまだ犬の姿のうちに時枝さんに会わせてもらえませんか?」

天界に戻る道のり、マルコは神様に懇願した。

「時枝さん、ピーターとサスケと旦那さんと幸せな時間を過ごしいると思うけど、それでも、どうしているかなって心配なんです。」

腕の中のマルコに神様は、優しい声で答えた。

「時枝さんもずっとマルコのことを心配しているよ。」と。

マルコはそれを聞いて、ますます心

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