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#350 「ビジネス頭の体操」 6月30日、7月1日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


6月30日(水) 小惑星が地球にぶつかる!?

2016年(平成28年)12月の国連総会で制定された「国際小惑星デー」。英語表記は「International Asteroid Day」。

1908年(明治41年)6月30日、ロシア・シベリアのツングースカ上空で隕石が爆発したことに因みます。この爆発により強烈な空振が発生し、半径約30~50kmにわたって森林が炎上し、約2150平方キロメートルの範囲の樹木がなぎ倒された。近くに村落がなかったため、死者は報告されていないが、1000km離れた家の窓ガラスも割れた。爆発によって生じたキノコ雲は数百km離れた場所からも目撃され、イルクーツクでは衝撃による地震が観測されたそうです。

小惑星。
はやぶさ2が小惑星からサンプルを持ち帰ったことで話題となっていました。


小惑星、どれくらいあるものなのでしょうか?
昨年末、世界の天文学者らでつくる国際天文学連合が発表したところによると、世界の天文台の望遠鏡などで確認された小惑星や彗星の数は、昨年12月28日時点で約103万個となっています。


近年、観測技術の向上や小天体の衝突から地球を守る「プラネタリー・ディフェンス」の取り組み強化があり、把握される小惑星の数は増加しているそうです。

「プラネタリー・ディフェンス」というのは、その名の通り、地球に小惑星などの天体が衝突する危険から守ろう、というもので、2005年に米国議会はNASAに直径140mを超える全ての地球近傍天体をリストにまとめるよう命令をしました。これは、人類滅亡までには至らないものの壊滅的な影響を及ぼす可能性のある大きさの天体、ということです。

この取り組みにより、国際天文学連合の「小惑星センター」に集約された情報は、1995年には約3万個でしたが、2010年には50万個を超え、その後の10年で100万個に達した、ということです。

この約103万個のうち、地球に接近する可能性があるものは、約2.5万個だそうです。

現時点では、事前に発見、軌道を正確に計算し、避難など促すことを目指しています。

さらに、映画みたいな話ですが、もっと積極的に、そもそも地球にぶつからないように軌道を変えてしまえ、という計画も進んでおり、なんと来年7月には実際に小惑星にぶつけて軌道を変える実験を行うための探査機を打ち上げる計画があるそうです。

ちなみにこのミッションにかかる費用は2.5億ドル程度だそうです。

最後に、JAXAの資料から、日本の宇宙関連予算をご紹介して終わります。

まず、はやぶさ2ですが、ロケット代含む総開発費は約289億円。先ほどの小惑星の軌道を変える予算とほぼ一緒ですね。

そして、JAXAの宇宙科学・探査関連予算の推移がこちらです(出典:JAXA「宇宙科学・探査関連予算の状況について」)。

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ちょっと古いですが、米国や欧州と比べてGDP比でも少ないですね。

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→地球に大きな被害を及ぼす大きさの小惑星が地球に衝突するのは1億年に1度とのこと。「百年に1度」のことが頻発する昨今。もし衝突が予測されたら、どのような分野にどのような影響が考えられるだろうか?


7月1日(木) こころの病気になる人は、20年で1.6倍!?

1998年(平成10年)に日本精神科看護技術協会が制定した「こころの日」です。
1987年(昭和62年)のこの日、「精神衛生法」が「精神保健法」に改正され、施行された。2003年(平成15年)に更正され、現在は「精神保健福祉法」となっている。精神疾患や精神障害者に対して正しい理解を図り、こころの健康の大切さを再認識してもらうことが目的。

こころ。
いわゆるメンタルヘルスは増えているイメージがあります。実際のところはどうなのでしょうか?

その前にまず、厚生労働省のHPに「こころを専門に診る病院の種類は?」というものがありましたので、ご参考まで。内科などと違って馴染みがないですが、なるほど、でした。


2016年発行の世界精神保健調査によれば、日本における精神疾患の生涯有病率は22.9%と報告されており、精神疾患は約5人に1人が生涯に1度は罹患する、身近な疾患といえます。

厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、1日平均外来患者数は以下の通り。

2019年
☑️ 全体:132.4万人
☑️ 精神科病院:5.8万人

1999年
☑️ 全体:179.0万人
☑️ 精神科病院:4.0万人

1999年からの20年で、全体は26%減少している一方で、精神科病院の外来患者は45%増えていることがわかります。

これは外来、しかも1日平均ですから、どれくらいの患者数かがわかりません。

厚生労働省の患者調査は3年ごとに実施されていて、現時点で最新のデータは2017年のものとなりますがみてみましょう。

2017年
☑️ 精神疾患患者数:419.3万人
☑️ うち入院患者数:30.2万人

2002年
☑️ 精神疾患患者数:258.4万人
☑️ うち入院患者数:32.9万人

患者数では、2002年に比べ約1.6倍と大きく増加していますが、入院患者数はやや減少しており、外来患者数が大幅に増えていることがわかります。


入院して治療をするケースですが、平均在院日数のデータを見ると、精神病床は平均在院日数が長く、265日となっています。これは、介護療養病床の301日に次ぐ長さとなっています。

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厚生労働省「精神保険医療福祉の現状」によると、1年未満で退院される方の割合は近年上昇しているものの、1割以上の方が1年以上入院されていることになります。

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同資料には「退院後の行き先」というデータもあるのですが、3ヶ月未満で退院された方の7割以上が家庭に戻るのに対して、1年以上入院された方は、家庭に戻るのは2割、転院が3割、3割近くがお亡くなりになっています。

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こうした状況を地域で支えることを狙いとして厚生労働省では第7次医療計画の中で精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進める必要がある、としています(出典:同省「地域精神医療について」)。

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最後に、いつもお金の話ばかりで恐縮ですが、厚生労働省「精神保健医療福祉の現状」から医療費についてのデータをご紹介します。

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→禁煙についてはアプリが医療品として認可されたことが話題となった。精神疾患は入院まで至らない段階の通院の患者が急増しているが、予防も含めて技術でなんらかの解決が図れないだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。

どこか1つでも皆様の頭の体操になるネタがあれば嬉しいです。

昨年の7月からこのような投稿をしています。以下のマガジンにまとめています。だいぶ溜まりました。よろしければ覗いてみてください。


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