マガジンのカバー画像

読書のすすめ

15
創作の気づき。読書にまつわるあれこれ。
運営しているクリエイター

記事一覧

小説VSビジネス書

読書が好き!と一口にいっても、相手の読書が自分の親しんでいる読書と同じとは限らない。

読んでいる本にも色々ある。

中でも大きく違うと思うのは、
小説とビジネス書。

どちらか片方しか読まないよ、という人も多くいる気がする。
そして同じ読書なのに、どこかいがみ合ってるような感じすらするのは気のせいだろうか。

面接で読書が好き!といって、中身が小説だと答えたときの面接官の落胆。

きみ、そういう

もっとみる
「今の自分を書き残しておけ」

「今の自分を書き残しておけ」

11月は見に行くぞーと言っていた映画を、やっと見に行った。
海外文学で一番好きな作家さんの、未完小説の謎に迫るドキュメンタリー。

鑑賞してみていろいろ思うことあるのだけど
情報量が多くて、覚えきれない。
メモしながら見たいくらいの作品だった。
とはいえ、字幕を追いかけるのも必死だったけど。

これは、感想とか、紹介というより、個人的な備忘録になる。
引用も記憶頼りで、不確かだけど書いてみる。

もっとみる

批評とは「違う景色」をみせること。

前回、鬼滅の刃の批評について書きました。
あくまでも近況報告が目的だったので、あまり深く考えずに思っていることをさらっと書いてしまったのだけど。

果たしてそこに誠実さがきちんとあったのか。
ちょっとふと立ち止まって考えてみる。
好きな人が大多数だと思うのですが、気を悪くした人がいたらすみません。

私的にはアンチみたいな視点ではなくて、傷つけたい一心でああいうことを書いているのではないけれど、受

もっとみる
アウシュヴィッツの図書係

アウシュヴィッツの図書係

文学は、真夜中、荒野の真っ只中で擦るマッチと同じだ。マッチ1本ではとうてい明るくならないが、1本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを私たちに気づかせてくれる。 

ウィリアム・フォークナー

何か本が読みたいな。

気軽に本屋さんに行く。
膨大な本から、好奇心にあわせて好きな本を選ぶ。

通勤時間、休み時間、寝る前にも少し。
楽しみながら読み進める。

行ったことのなかった世界で遊ぶ。
ペー

もっとみる
カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟

昔の読書記録を読み漁っていたら、カラマーゾフの兄弟が出てきました。

一巻だけ読んで二巻目に進むタイミングを逃してしまい、もう絶対にトライする気力が起きなさそうな本。
せっかくあんなに時間をかけて、苦心して読んだというのに。
その内容もすっかり忘れている。

もう一回読もうとしたら、また一巻目から始めなくちゃ、と思うと気が遠くなるので、もう読まない気がする。

でも、当時の私はよほど感動したのか、

もっとみる
くりかえし読むことの楽しさについて。

くりかえし読むことの楽しさについて。

 これまで100記事ほど書いてみて、
何度となく繰り返し私が言っていることがある。

それは、「私は本も映画も繰り返し読むし、観る人ですよ」ということ。

単品の記事でこのことについて、ダイレクトに書いたことはない。
そもそも、あまり特別?変わったこと?だとは思っていなかったから。
作品鑑賞が好きな人からしたら、わりとあるあるなことだと思っていたし。
着目することすらしていなかった。

ただ、何か

もっとみる
「この作家さんが好き!」と公言する前に把握しておきたい作品の振り幅。

「この作家さんが好き!」と公言する前に把握しておきたい作品の振り幅。

最近ちっとも読書が進まなくて。

せっかく買った本もなかなか読み進まなくて。

「書くのがしんどい」という本を読んでたんだけど、なぜか「読むのもしんどい」と思うようになってしまった。

こういうふうに、読書がぱったりとまることが、3カ月周期くらいでで回ってくる。
多分今はそれ。

しかし、先日久々に書店をのぞいたら、平済みのスペースに

『夜の樹』『冷血』『叶えられた祈り』が置かれていた。

全部

もっとみる
忘れてしまっても、覚えていること。

忘れてしまっても、覚えていること。

通勤中、ぼーっとしたまま歩いていたら、頭の中に、

「乾坤一擲」

という四字熟語がやたらと浮かんだ。

のるかそるかの大勝負にでること、

みたいな意味だったと思うけど。

別にそんな切羽詰まったシチュエーションでもないというのに。
どうしてこの言葉が浮かぶのかな~。

それからしばらく時間が経って、読みかけの本を開くと、しおりを挟んだ読み終わったばかりのページに、「乾坤一擲」の文字を見つけた。

もっとみる
意外な共通点。

意外な共通点。

 随分前になるけれど、今年の春ごろだったか。
江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」という本を読みました。

江戸川乱歩の本はいろんな文庫から、組み合わせも様々に出版されているのだけれども、私がとったのは、角川ホラー文庫のものでした。
表紙が和柄で綺麗なやつね。

 乱歩の作品は子どもの時から大好きなのですが、大人向け?の本格ミステリーは最近になるまでちゃんと、読んだことがありませんでした。

初めて読ん

もっとみる
説明しきらないことの魅力。

説明しきらないことの魅力。

  昨日の寝坊の記事を書いていた時。

そういえば、北村薫は『寝坊』いう二字を使わずに、寝坊のシーンを適確に書いていたな…とふと思い出した。

北村薫さんは、私が特別に好きな日本の作家さん。
物によってはものすごく難解なことがあるので、その著書のすべては読めていないのだけども…お気に入りの何冊かを繰り返し読むくらい好きである。
もともとは北村さんを読むようになるきっかけになった作家さんの存在もある

もっとみる
優しい良い人だったんです…

優しい良い人だったんです…

テレビで

「優しいひとだったんです。」
「明るくて素敵なひとだったんです。」
「真面目な人だったんです。」

という言葉を聴くたびに、太宰治の『人間失格』の最後の一行を思い出す。

「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気が利いて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも…神様みたいな良い子でした。」

 

 私はこれを先月くらいに初めて読んだ。
衝撃を受けて、でも受けた衝撃が

もっとみる
読書会に参加してみたよ。

読書会に参加してみたよ。

 7月の頭に読書会に申し込んでみた。
本当は春ごろから参加してみたいな~と思っていて。もっと早く実現できたらよかったのだけども。思いの外時間がかかってしまった。

 何か新しいことをやりたいな〜と好奇心旺盛な割には、着手するのに時間がかかる。
いつも。

 本来は実際に都内に本を持ち寄ってやるものらしいけど。コロナの影響でZoom上での会合になった。

それも、なかなか参加ボタンを押せなかった理由

もっとみる
読書に思うあれこれ。

読書に思うあれこれ。

物心ついたときから、本を読むのが好きだった。

 お母さんに車で近くの図書館まで連れて行ってもらって、絵本だの児童書だの袋いっぱい20冊くらい借りてくる。
読んで、読んで、積み上げる。同じ本を何度も読む。
そんなことをよくやっていた。
 
 小中学生の頃のお小遣いの使い道はほとんど本だった。普通にテレビゲームも、友達と外で遊ぶのも好きだったけど。
本を読むことはずっと並行して私の生活の中に溶け込ん

もっとみる