屋久島の深い静かな森で考えたこと

屋久島の深い静かな森の中で、普段の何気ない日常のできごとをじっくり見つめて独自の視点で…

屋久島の深い静かな森で考えたこと

屋久島の深い静かな森の中で、普段の何気ない日常のできごとをじっくり見つめて独自の視点で考えたことを呟いていきます。

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  • 屋久島の深い静かな森で考えたこと

    屋久島の深い静かな森の中で、日常のできごとをじっくり見つめて独自の視点で考えたことを呟いていきます。

  • 屋久島の深い静かな森の宿で語られたこと

    一日一組しか受け入れない「森の黒ひげBar」と呼ばれる宿での、旅人と黒ひげ親父との語らいをお送りします。

記事一覧

ガザに思う

日々、ニュースでガザを巡る報道がされる。 廃墟になった街を見ながら、 そしてそこで辛うじて生き残っている人達を見ながら、 僕は目を背けて逃げ出したくなる。 1,000人…

挫折の幸福と後悔

毎度のことと思うかも知れないが、走ることについて書きたい。 昨日、4月27日の深夜零時にスタートとするMt.Fuji100というウルトラトレイルの短いKAI70に出ていた。 短い…

日日是好日 幸せの日記

春である。 暖かかったり、寒かったりと気温の変化が大きいけれど、桜が咲き、日差しが緩やかになり、心がウキウキする。 庭には、躑躅や姥桜など様々な木々の花が咲き始め…

卒業の季節、 ”屋久島の深い静かな森の塾”をあらためて思う

屋久島は春の日差しに満たされている。 一方で、ニュースでは東京は雨が降り寒く凍えているのだが、この寒波が過ぎると一気に桜も開花し春を迎えるのであろう。 先週は、大…

屋久島の深い静かなBar で語られたこと  10人目の旅人

出港の前夜 少年が、森の奥にあるBarを訪れるのはいつぶりだろうか? 数年前は、何度も足を運び、 闊達に意見を交わした記憶がある。 最後に訪れたときは、バーテンダーの…

第53話 本屋に行こう 続

屋久島の深い静かな森の塾を立ち上げから支えてくれた知人が京都に住み、蔦屋でアート担当として働いているというので河原町の高島屋を訪ねてみた。 蔦屋は、京都高島屋の…

不祥事に思う

新聞やテレビを見ていると不正や不祥事の記事を目にして心が痛む。 大体、この不正体質は、20世紀のもっと言えば昭和からの遺物なのであろう。 思えば、売上や利益の貸し…

第51話 手をふって

屋久島から鹿児島に向かう飛行機の窓から外を見ると、 JALの整備士さん達が並んで手を振ってくれている。 冬の冷たい雨の中にも関わらず、寒いだろうなと思いながらも、嬉…

第50話 それぞれの道

それぞれの道 年を明けると卒業論文である事業構想計画書の提出期限が迫り、個別指導に追われるのだが、院生個々人と直接じっくりと話ができて案外楽しいものだ。 そして2…

第48話「がんばれ、オレ」         第49話「ごきげんさん」

がんばれ俺一年を通して平穏無事ということはない。 嬉しい時、悲しい時、苦しくて辛い時も当然ある。 そして、街を歩いていても下を向きがちになる。 街には、冷たい風が…

第45話「街に出て、本屋に行こう!」

仕事の合間に1時間強の時間が空いたので、東京駅近くの丸善に行った。普段、2時間半以上時間が空くと映画を観に行くことにしているのだが、今日は街を歩く。基本、カフェで…

第47話「固くなってしまった心と笑顔」

人の笑う姿を見ていると幸せになる。 それも身近な人が、いつも楽しそうに笑っているとそれだけで幸せになる。 箸が転んでも笑うではないが、小さな出来事でも笑うことがで…

第46話「連戦連敗」

何故か相性が悪い大会がある。 日本山岳耐久レース、通称ハセツネカップと呼ばれている大会だ。日本を代表する登山家であった長谷川恒男が山で亡くなり、それを偲んで東京…

第44話「楽隠居」

時代劇を見ていて、 隠居した侍が活躍するシーンがあった。 昔は、隠居という、 歳を取れば、一線を引く覚悟を決めて、 老後を楽しむ心持ちがあった。 小さい頃、近所に…

第43話「クラウドファンディング」

とても良い時代になったものだと思う。 お金集めが、簡単にできる時代である。 昨夜、LINEを使った投資勧誘の詐欺事件が 続発しているとのニュースをやっていた。 知らぬ…

第42話「街おこし」

地域創生や街おこしの話が後を絶たない。 多くの人が、 「社会課題解決のために」 「社会のために」 「地域のために」 と声をあげて、何かを模索している。 僕は、天邪鬼…

ガザに思う

ガザに思う

日々、ニュースでガザを巡る報道がされる。
廃墟になった街を見ながら、
そしてそこで辛うじて生き残っている人達を見ながら、
僕は目を背けて逃げ出したくなる。
1,000人以上が殺された報復として、
街を廃墟にして何十倍もの、
その多くは罪もない無抵抗な人達を、
圧倒的な武力をもって殺していいものなのか?と疑問に思う。

僕がその立場だったら、親しい人や家族が殺されたことは憎い。
きっと、犯人を同じ目

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挫折の幸福と後悔

挫折の幸福と後悔

毎度のことと思うかも知れないが、走ることについて書きたい。

昨日、4月27日の深夜零時にスタートとするMt.Fuji100というウルトラトレイルの短いKAI70に出ていた。
短い方といっても、約70km、累積標高3,400メートルを登ることになるので、ふつうのウルトラマラソンだと110kmぐらいになるのだろうと思う。
一昨年、昨年と完走を果たしていたし、練習量も参加中1800人強のうち820位と

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日日是好日 幸せの日記

日日是好日 幸せの日記

春である。
暖かかったり、寒かったりと気温の変化が大きいけれど、桜が咲き、日差しが緩やかになり、心がウキウキする。
庭には、躑躅や姥桜など様々な木々の花が咲き始め、とても良い香りがする。

そんな日差しの中、新年度になり、心機一転新しい気持ちで何かをやろうと思いながらも、バタバタと忙しい日々を過ごす人も多いと思う。
気がつくと、GWも終わり、梅雨に突入するころには、新しい挑戦をするような気持ちも無

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卒業の季節、 ”屋久島の深い静かな森の塾”をあらためて思う

卒業の季節、 ”屋久島の深い静かな森の塾”をあらためて思う

屋久島は春の日差しに満たされている。
一方で、ニュースでは東京は雨が降り寒く凍えているのだが、この寒波が過ぎると一気に桜も開花し春を迎えるのであろう。
先週は、大学院のExecutive Programの修了式があり、院生の学位授与式があった。
一年で、一番ほっとすると共に嬉しくも寂しい季節である。

この季節、一体、僕は何をやっているのだろう
と思い悩むことがある。
一方で、十分幸せでこれ以上何

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屋久島の深い静かなBar で語られたこと   10人目の旅人

屋久島の深い静かなBar で語られたこと  10人目の旅人

出港の前夜 少年が、森の奥にあるBarを訪れるのはいつぶりだろうか?
数年前は、何度も足を運び、
闊達に意見を交わした記憶がある。
最後に訪れたときは、バーテンダーの優しい笑顔に見送られたように思う。
それも、遠い昔のように感じる。

しばらく森から離れ、
小さな村に住んでいた少年は、
三人の仲間を集め、
粛々と出港の計画を立てていた。
どうやら、海をわたって大都会に出向き、
新しく事業立ち上げる

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第53話 本屋に行こう 続

第53話 本屋に行こう 続

屋久島の深い静かな森の塾を立ち上げから支えてくれた知人が京都に住み、蔦屋でアート担当として働いているというので河原町の高島屋を訪ねてみた。

蔦屋は、京都高島屋の新館の5階、6階のツーフロアを占めている。
その知人に蔦屋を案内してもらったのだが、まず最初に目につくのが、ギャラリーである。
というか、蔦屋全体がギャラリーと言っても良いのかも知れない。
至る所に、絵や美術品、工芸品が展示されており、い

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不祥事に思う

不祥事に思う

新聞やテレビを見ていると不正や不祥事の記事を目にして心が痛む。
大体、この不正体質は、20世紀のもっと言えば昭和からの遺物なのであろう。

思えば、売上や利益の貸し借りは、普通に行われた時代があった。
期末になると、利益を出している会社から、利益や売上を借りて、翌期に返すとか、多少の擬装は目を瞑るということは、日本中どこにもあったように思える。

その文化が企業の中で、21世紀になった今でも深く生

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第51話 手をふって

第51話 手をふって

屋久島から鹿児島に向かう飛行機の窓から外を見ると、
JALの整備士さん達が並んで手を振ってくれている。
冬の冷たい雨の中にも関わらず、寒いだろうなと思いながらも、嬉しくなる。
手を振って見送られるのは、人を嬉しくウキウキした気持ちにさせる。
電車の車窓から外を眺めていると、遠くで手を振っている人がいる。
待合せの場所で、相手を探していて見つかるとお互い手を振ってしまう。
別れの時も手を振ってしまう

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第50話 それぞれの道

第50話 それぞれの道

それぞれの道

年を明けると卒業論文である事業構想計画書の提出期限が迫り、個別指導に追われるのだが、院生個々人と直接じっくりと話ができて案外楽しいものだ。
そして2月最初の土曜日に行われる最終審査会を通過すると後は修業式を迎えるばかりなる。

お正月を過ぎるとなんとなく春を感じる。迎春とは言ったものである。
年始を迎えて、僕の担当する院生や研究員や塾生の皆さんには、今年の抱負を漢字一文字で語っても

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第48話「がんばれ、オレ」         第49話「ごきげんさん」

第48話「がんばれ、オレ」         第49話「ごきげんさん」

がんばれ俺一年を通して平穏無事ということはない。
嬉しい時、悲しい時、苦しくて辛い時も当然ある。
そして、街を歩いていても下を向きがちになる。
街には、冷たい風が吹いている。
ビルの合間の目の前は、暗く沈んだ灰色の世界が広がる。
心が沈んで、心が折れ、涙が出そうになる。

そんな時に、顔を上げて空を見上げると雲一つない真っ青な空が広がっている。
胸を張り、背筋を伸ばし顔をあげ、冷たい風に立ち向かい

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第45話「街に出て、本屋に行こう!」

第45話「街に出て、本屋に行こう!」

仕事の合間に1時間強の時間が空いたので、東京駅近くの丸善に行った。普段、2時間半以上時間が空くと映画を観に行くことにしているのだが、今日は街を歩く。基本、カフェで時間を潰すことは少ない。

最近、本を買うのはAmazonか、決まった作家の作品を古本屋で探すことが多く、ゆっくりと本屋を探索する機会が減った。

今日、行ってみて改めて感じたことは、ワクワクするのだ。いろんな本があり、本の題名を見ながら

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第47話「固くなってしまった心と笑顔」

第47話「固くなってしまった心と笑顔」

人の笑う姿を見ていると幸せになる。
それも身近な人が、いつも楽しそうに笑っているとそれだけで幸せになる。
箸が転んでも笑うではないが、小さな出来事でも笑うことができるのは素敵だ。
一方で、些細なことでも、すぐに目くじらを立てる人もいる。

人は知らず知らずに、多くの知識を吸収することによって、知っているがために感動することを忘れてしまい、過去の何かと比較しがちになる。それでも、心が柔らかい人は、感

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第46話「連戦連敗」

第46話「連戦連敗」

何故か相性が悪い大会がある。
日本山岳耐久レース、通称ハセツネカップと呼ばれている大会だ。日本を代表する登山家であった長谷川恒男が山で亡くなり、それを偲んで東京あきる野市で毎年10月に開催され今年で31回目を迎えた。初めて出た時にメイさんと一緒に完走しているのだが、ここ3大会連続して、途中でリタイアしている。

この大会の特徴は、エイドステーションがないことで、70km強のコースに必要なすべての水

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第44話「楽隠居」

第44話「楽隠居」

時代劇を見ていて、
隠居した侍が活躍するシーンがあった。

昔は、隠居という、
歳を取れば、一線を引く覚悟を決めて、
老後を楽しむ心持ちがあった。

小さい頃、近所には爺さん達が集まり
将棋を指していたものだ。
銭湯に行くと、昼間から熱い風呂に
茹で蛸のように顔を真っ赤にして入っている
爺さんもいた。

西宮の苦楽園に住んでいたときは、
海に走りに行くと
必ず何人かの年寄りが日毎に集まって
四方山

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第43話「クラウドファンディング」

第43話「クラウドファンディング」

とても良い時代になったものだと思う。
お金集めが、簡単にできる時代である。

昨夜、LINEを使った投資勧誘の詐欺事件が
続発しているとのニュースをやっていた。

知らぬ間にLINEのグループに入れられていて、
周りの成功体験がアップされているのをみて、
「投資をしてしまった」と
被害者らしき人がインタビューで話をしていた。

どこかの大学教授が、
「これはネットを使った典型的な詐欺ですね」
と言

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第42話「街おこし」

第42話「街おこし」

地域創生や街おこしの話が後を絶たない。

多くの人が、
「社会課題解決のために」
「社会のために」
「地域のために」
と声をあげて、何かを模索している。

僕は、天邪鬼だから、安易な言葉に、
「先ず自分が何より本当にやりたいこと、
やりたい事業を考えてください。
それは、必ず、社会や地域のためになりますよ。」
と話をする。

何人かの人は、
「先ず自分がやりたいことを見つけることが大切だ」
と言う

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