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ナカさんの読書記録

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読んだ本の記録です。
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ナカさんの読書記録 「高濱虚子 並に周囲の作者達」水原秋櫻子

ナカさんの読書記録 「高濱虚子 並に周囲の作者達」水原秋櫻子

俳句の先生が紹介してくださった本です。先生は高野素十の俳句を手本にして写生俳句の基礎を教えてくださっています。この本には素十がどんな人だったかや虚子やその周辺にどんな俳人がいたかなど書いてあるのでぜひ読んでみてくださいとの事。さっそく図書館で借りて読みました。

大正2年に虚子が俳壇に復帰してから、当時は「俳壇=ホトトギス」というくらいに虚子の影響力は大きなものでした。雑誌ホトトギスの雑詠欄に自分

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ナカさんの読書記録 「父・高浜虚子 わが半生記」池内友次郎

ナカさんの読書記録 「父・高浜虚子 わが半生記」池内友次郎

家の近所に正岡子規の終の棲家「子規庵」があるのがきっかけで俳句に興味を持ちました。子規関係の本を読むと高浜虚子との「道灌山事件」というのが出てきます。それを読み「虚子って勉強嫌いで恩のある子規の言う事も聞かず、俗っぽくて嫌な奴かも?!」と勝手に思ってました(笑) ですのであまり虚子については興味がなかったのですが、最近習い始めた俳句講座の先生が「虚子は一生かけて勉強してもいいくらい価値があります」

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ナカさんの読書記録 「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」吉村昭 著

ナカさんの読書記録 「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」吉村昭 著

私としては珍しく大河ドラマ「青天を衝け」熱心に見ています。その中でも平田満さんが演じる川路聖謨に興味を持ちました。遭難したロシア船の救助活動の指揮をとる姿がカッコよかった!ドキュメンタリー小説を数多く書いている吉村昭さんの著書の中にこの川路聖謨の小説がありましたのでさっそく読んでみることにしました。吉村昭さんの格調高い文章が好きです。
文庫版で上下巻読みましたが、とにかく川路は歩く歩く!江戸から長

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ナカさんの読書記録 「日蓮」佐藤賢一 著

ナカさんの読書記録 「日蓮」佐藤賢一 著

先日、とある日蓮宗のお寺さんに浄瑠璃の公演を見に行った時、壁に貼ってあったこの小説のポスター見て、はたと思い出しました。私、日蓮宗の大学出身だった!しかも仏教学部仏教学科仏教学コース・・・。なのに日蓮上人についてほとんど知らない・・・これはマズイ💦。ということでこの本を手に取りました。 367ページもあったので「一気に読み進みました」とまではいきませんでしたが、ドラマチックな展開で物語に引き込ま

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ナカさんの読書記録 「うたかた
七代目鶴澤寛治が見た文楽」中野順哉

ナカさんの読書記録 「うたかた 七代目鶴澤寛治が見た文楽」中野順哉

文楽の三味線、人間国宝七代目鶴澤寛治さん。平成29年に寛治師匠から著者の中野さんへ「戦前から現在までの文楽の道のりを描き残したい」と言われ聞き書きした本です。寛治師匠は本の出版に間に合わず平成30年9月にお亡くなりになりました。薄手の本ですが内容も写真も素晴らしい本でした。

昭和三年生まれの寛治師匠。幼い頃の原風景から若い頃の修業の苦労などが綴られています。戦後の文楽が二つに分裂していた時、寛治

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ナカさんの読書記録 「お殿様、外交官になる / 明治政府のサプライズ人事」	熊田忠雄

ナカさんの読書記録 「お殿様、外交官になる / 明治政府のサプライズ人事」 熊田忠雄

いま、私の中でちょっとした幕末ブームが来ていて、この本もそんな流れから読んでみました。もちろん大河ドラマ「青天を衝け」も見てますよ~

著者の熊田さんが真壁庁舎前に立つ浅野長勲と綱子像を偶然見て、「これ誰?」と疑問に持った事からこの本は始まります。江戸時代までは一国の殿様だった藩主たちが突然外交官に命じられ、外国で華々しく活躍(?)したエピソードが掲載されています。

登場するのは
・鍋島直大 佐

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ナカさんの読書記録 「
俺の喉は一声千両―天才浪曲師・桃中軒雲右衛門―」 岡本和明

ナカさんの読書記録 「 俺の喉は一声千両―天才浪曲師・桃中軒雲右衛門―」 岡本和明

「浪曲」というとお爺さんが難しい顔をしてダミ声で唸っているような古めかしいイメージかもしれませんが、浪曲がいま大人気です。玉川奈々福さん、玉川太福さん、東家孝太郎さん、国本はる乃さんなど若い浪曲師の活躍が目覚ましいです。浅草木馬亭の定席は人気浪曲師が出演すると満席になるほどの盛況ぶりです。若くして亡くなった国本武春さんは浪曲のみならずロックやブルーズなどクロスオーバーに活躍をしていました。「浪曲」

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ナカさんの読書記録 「おもちゃ絵芳藤」 谷津矢車

ナカさんの読書記録 「おもちゃ絵芳藤」 谷津矢車

以前に読んだ正岡容の「小説圓朝」で、三遊亭圓朝が若い頃少しだけ歌川国芳の門下で絵を勉強していたと知りました。この本の主人公、芳藤も国芳門下の浮世絵師です。圓朝と芳藤、接点あったのかなぁ。なんていう興味の流れでこの本を手に取りました。浮世絵は見るのは好きですがあまり詳しくはないです。有名な絵師の名前は知っている程度です。史実の歌川芳藤についてはwikiをご覧ください。それにしても他の絵師に比べて記事

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ナカさんの読書記録 「ぴりりと可楽!」吉森大祐

ナカさんの読書記録 「ぴりりと可楽!」吉森大祐

去年2020年11月、聖徳大学オープン・アカデミーの雷門小助六師匠の講義を受けた時にご紹介いただいた本です。テーマが「職業としての噺家のはじまり」だったので三笑亭可楽(山生亭花楽)の話が出たんですね。受講後すぐに図書館で予約しましたが人気の本らしく、なかなか順番が回ってきませんでした。年を越してしまいましたがようやく読むことが出来ました。

あらすじは櫛職人だった又五郎、趣味として天狗連で落語の腕

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ナカさんの読書記録「浮世に言い忘れたこと (P+D BOOKS)」三遊亭 圓生

ナカさんの読書記録「浮世に言い忘れたこと (P+D BOOKS)」三遊亭 圓生

昨年2020年春から本を読みまくっています。こんなに読書が楽しいものかと驚いています。中学~高校生の頃が読書のピークでした。図書館の利用券は文京区・台東区・千代田区・荒川区と持っていて、ネットで検索し取り寄せて借りて読む、返してまた予約する、の繰り返しで結構忙しい毎日です。どこも素晴らしい蔵書で、各図書館にはとても感謝しています。

台東区立中央図書館谷中分室は落語や演芸の本の揃えが良いように思い

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ナカさんの読書記録 「四代竹本越路大夫」高木浩志

ナカさんの読書記録 「四代竹本越路大夫」高木浩志

2002年にお亡くなりになった四代竹本越路大夫、文楽歴の浅い私は生で聴いたことがありません。とある講座で「竹本住大夫師匠の稽古があまりにも厳しく、大学生にDVD見せたら震え上がって怖がっていた!」という話を聞き、どうしてもその”鬼稽古”が見たくてわざわざDVD買いました。お弟子さんに容赦なく怒声を浴びせる住大夫・・・恐ろしい稽古風景!そのDVDの中で住さんが自分の兄弟子・越路大夫に稽古つけてもらう

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ナカさんの読書記録 「新装版 海も暮れきる」吉村昭

ナカさんの読書記録 「新装版 海も暮れきる」吉村昭

この夏に俳句を始めてから、俳人関係の本を読むことも多くなりました。
尾崎放哉、名前は聞いたことあっても俳人ということは知りませんでした。「自由律俳句」というのも知らなかったし。有名な句「咳をしても一人」。なーにそれ?というレベルです(笑)お恥ずかしい・・。
今年の春先、近場の博物館や資料館などを散歩がてら訪れていた頃に荒川区に「吉村昭記念文学館」という施設があるのを知りました。行ってみたいなと思っ

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ナカさんの読書記録 「ものがたり日本音楽史」徳丸吉彦

ナカさんの読書記録 「ものがたり日本音楽史」徳丸吉彦

私は日本人なのにどうして自分の国の音楽について知らないことが多いのか?日本人なのに何故「音楽=西洋音楽」なんだろう。私たちの生活は圧倒的に西洋音楽にあふれています。いつからそうなったのか?どうしてそうなったのか?その疑問を解くためにこの本を手に取りました。

岩波ジュニア文庫という小中学生から大人世代までを対象にした幅広く読める入門新書シリーズから出ていて、とても読みやすく構成も良い本でした。この

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