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とある妊婦の脳みそ

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人の中で人が育つってすごい。妊婦になって初めて気づいた、いろんなことの脳内記録。
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記事一覧

出産体験を書きとめる(無痛分娩って、呼び方を変えたほうがいいんじゃないか?)

出産体験を書きとめる(無痛分娩って、呼び方を変えたほうがいいんじゃないか?)

先日、田中裕子さんのnoteで出産エピソードを拝読して、気づいた。そういやわたし、出産前日までnoteにいろいろと書いていたくせに、出産当日のことは何も書いていないなあと。産後、必死すぎたのである。

以下、田中さんのnoteから一部引用させていただく。

“それまでの人生で感じたことのない感情や遭遇したことのないピンチ、小さなよろこびや笑い、疲れが、毎日渋滞している。それを残しておきたいと思うひ

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とある妊婦の脳みそ【おまけ編】入院前夜のつぶやき

まさか1月も半ばになって、この完結させたはずの妊婦マガジンを更新することになろうとは。

健診に行くたびに「赤ちゃん頭大きいね! お母さん小柄だし難産になるよ」「体動かして、予定日前に産む気合いでね!」と言われ続けていた臨月。

言われたとおり積極的に運動するようにして、親の方は昨年中に産まれる気満々だったのだけれど、子の方はなかなかどうして、お腹のなかの居心地がよほど気持ちいいのか、出て来る気配

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とある妊婦の脳みそ【11】再び安静、でも今しかない! ―おわりに

とある妊婦の脳みそ【11】再び安静、でも今しかない! ―おわりに

そんなわけで甘いものの誘惑ともなんとかつきあいながら、体重管理のため意識的に外へ出て歩くようにしていた、妊娠中期から後期。

スーパーでの買い物もあえて小分けにして毎日出かけるようにしたり、家の掃除に力を入れてみたり。

クラウドソーシングで仕事をいくつか受けていたのもこの頃。歩いて撮影現場へ向かったり、家での作業も座りっぱなしにならないよう、時折はスタンディングデスクでやるようにしていたりした。

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とある妊婦の脳みそ【10】甘いものをめぐる終わりなき闘い―妊婦と寒天とおから

とある妊婦の脳みそ【10】甘いものをめぐる終わりなき闘い―妊婦と寒天とおから

前回は妊婦とクラウドソーシングというマジメな話に熱を入れてしまい、あぁ、なんだか疲れてしまった。

というわけでこの連載(?)ももうじき終わりなのだけれど、その前にちょっと、ひとやすみ。

えぇ、甘いものでもいかがですか。

今回は妊娠後期、体重制限と闘いながらも甘いものが食べたすぎて試行錯誤を繰り返していた私の、それはそれは些細な、とるにたらない脳内記録である。

あぁ〜、甘いもの、食べたい。

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とある妊婦の脳みそ【9】仕事がしたい、したすぎる―妊婦とクラウドソーシング

とある妊婦の脳みそ【9】仕事がしたい、したすぎる―妊婦とクラウドソーシング

賛否両論ある、クラウドソーシングサービス。

もともと私はリアルのつながりでフリーランスとして仕事を受けていたのだが、転居や妊娠を機に仕事をひとくぎりしたため、妊娠中はじめて、クラウドソーシングサービスを利用して、契約数ゼロの状態から単発の仕事をいくつか受けてみた。

で。

思うところがありすぎて、書きたいことを全部書いていたら、気づけばたいへんがっつりとした記事になってしまった(ので、あわてて

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とある妊婦の脳みそ【8】クックパッドの主婦モチベ引き上げ力のすごさを勝手に語るよ

とある妊婦の脳みそ【8】クックパッドの主婦モチベ引き上げ力のすごさを勝手に語るよ

前回、妊婦ボケの話をした。

そんな脳みそが溶けかかった日々、ウクレレと並行してはまったことが、もうひとつ。

それが、お菓子づくりやパンづくりだ。

主婦の趣味としてはド定番、なのかもしれない。

だが、それまでは「何かイベントごとがあるときにだけ重い腰をあげてドッコイショとお菓子づくりをする」程度だった自分にとって、「朝起きて粉から作った焼き立てパンを朝食に食べるのがさほど珍しくない」程度にま

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とある妊婦の脳みそ【7】そろそろ脳みそが溶けそうだった―妊婦ボケとウクレレ

とある妊婦の脳みそ【7】そろそろ脳みそが溶けそうだった―妊婦ボケとウクレレ

初期と後期に安静指示の出てしまった私の妊婦生活にも、中期の数ヵ月にはつかの間の安定期があった。

初期の安静が明けたばかりのころは、マンションから足を踏み出すだけで決死の覚悟。

猛スピードのチャリが行き交う道中におびえながら、よたよたと近所のスーパーへ行くだけで恐怖の大冒険。

体力もガタ落ちでヨロヨロしていたが、スーパーへの行き来がリハビリになり、しばらくすると日常生活が送れるくらいの体力を取

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とある妊婦の脳みそ【6】ごにょごにょ、どぅん! ぐるん! ぐいーーっ!―妊婦と胎動

とある妊婦の脳みそ【6】ごにょごにょ、どぅん! ぐるん! ぐいーーっ!―妊婦と胎動

たまにはちょっと、ノロケた投稿もしてみたい。

そもそも『とある妊婦の脳みそ』はいわゆる“幸せモード全開妊婦(?)”のイメージからはかけ離れた文体と内容だと思うが、今回ばかりは、ちょっとギアを甘めに入れてしまいそうだ。

そのくらい、胎動ってのはしあわせなテーマだと思う。

*  *  *

以前のnoteで、ぜひ男性にも「自分のお腹の中に、自分ではない別の生命体がいる」という感覚を想像してみてほ

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とある妊婦の脳みそ【5】地味にツライ!妊婦とマイナートラブル

とある妊婦の脳みそ【5】地味にツライ!妊婦とマイナートラブル

いま妻が妊娠中という方。または、今は独身でも既婚でも、いつの日かその可能性がある方。

ひとりでもそんな誰かの目にとまり、その夫婦円満にほんのちょっとばかし貢献すればいいなと思い、この地味なトピックを書こうと思う、うん。

*  *  *

妊婦経験のある人には常識でも、実際に自分が妊婦になるまではまったく知らなかったことのひとつ。

それは、頻発するマイナートラブルの存在である。

マイナートラ

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とある妊婦の脳みそ【4】人はいつも自分の目線でしか世界を見られないものでして

とある妊婦の脳みそ【4】人はいつも自分の目線でしか世界を見られないものでして

ひとり暮らしをしていたとき、テレビは持ってすらいなかった。

当時は毎日仕事に追われてPCに向かっていたから、休める時間に“画面”を見たいと思わなかったし、インターネットさえあれば事足りていたので何も不自由は感じていなかった。

*  *  *

その生活から一転。

結婚を機に仕事もひとくぎりつけて遠方へ引っ越し、部屋づくりをするなかでテレビも購入。

妊娠がわかったのは、ようやく引っ越しのごた

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とある妊婦の脳みそ【3】食いしん坊でもつわりにゃなるのね

とある妊婦の脳みそ【3】食いしん坊でもつわりにゃなるのね

知識としては皆、知っているだろう。

“妊娠すると、つわりというものがあるらしい”。

よくドラマや漫画で、何かを口にした女性が「うっ」と口を押さえてトイレに駆け込んで吐く、それを見てしまった人が密かに妊娠に気づいて――なんてシーン(?)があったりなかったりする。

そう、知識としては私ももちろん知っていたのだ。

*  *  *

だが、つわりというのはドラマの中の話だけじゃなく、本当に起きる。

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とある妊婦の脳みそ【2】大勢いるのに知られてない「安静妊婦」というポジション

とある妊婦の脳みそ【2】大勢いるのに知られてない「安静妊婦」というポジション

自分が妊娠するまで、私の中の「妊婦さん」のイメージといえば、基本的には「元気」だった。

それはかつての職場で、取引先で、大きなお腹を抱えながらも産休直前までばりばり働いていた方々を何人も見ていたり、街中で家族と買い物をしたりしている妊婦さんを見かけたりしていたからだろう。

もちろん、つわりで気分が悪くなり吐いてしまったりする、という知識はあったけれど、「基本的には働くこともできるし出歩くことも

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とある妊婦の脳みそ【1】「宿る」という感覚―意志とは無関係に変わりゆく自分のカラダ

とある妊婦の脳みそ【1】「宿る」という感覚―意志とは無関係に変わりゆく自分のカラダ

むしろ男性にこそ、ちょっと想像してみてほしい。

「自分のお腹の中に、自分ではない別の生命体が宿る」という感覚を。どうかハナから無理と言わずに、一度でいいから、真剣に想像してみてほしい。

自分の中に、2つの心臓がある。異なる速度でリズムを刻みながら。

そうしてその生命体は、アナタの意志とはまったく関係なく、毎日少しずつ、しかし着実にアナタの体内でむくむくと成長してゆく。それに伴って、アナタのお

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とある妊婦の脳みそ【0】はじめに

とある妊婦の脳みそ【0】はじめに

毎日のように更新していたnoteをお休みして、はや7ヵ月ほどが経つ。

その間、何があったのかといえば。

妊娠がわかり、それとほぼ同時に流産のリスクが高いと指摘されて絶対安静になり、さらに重いつわりとのダブルパンチで、ただただ寝ていることしかできなかった数ヵ月。PCはおろかスマホ画面も見るだけで酔う日々。

安定期に入り、夏から秋にかけて出歩けるようになったのも束の間、10月末には、今度は早産の

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