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医療業界のライター&編集者歴15年(現役中)。医療全般、精神系からアレルギー、循環器、…

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医療業界のライター&編集者歴15年(現役中)。医療全般、精神系からアレルギー、循環器、婦人科、癌まで病気の解説記事はお任せ。クリニック様コンテンツ作成、インタビュー取材などお仕事承ります。なんでもお問い合わせください。@odUbRafgy455476

記事一覧

リカバリーを目指す認知療法で大切な「適応モード」と「アスピレーション」

この記事では、「リカバリーを目指す認知療法で大切な考え方」を解説していきます。 通常の認知療法と異なり、リカバリーを目指す認知療法では、治療よりも症状の背景にあ…

ギャンブル依存症の特徴。そして、人はなぜギャンブルに熱中するのか?

一週間から日本国民とアメリカ野球界で目下の話題となっている「ギャンブル」。今回は「ギャンブル依存症(ギャンブル障害)」について考えていきます。 そもそも「依存症…

精神科の新しい治療「リカバリーを目指す認知療法」って知ってますか?

「認知行動療法」は、精神科の治療だけでなく、最近では一般にも広まりつつありますね。 最近、精神科の領域では、「リカバリーを目指す認知療法」というスタイルも提唱さ…

聞こえにくい→認知症を考える

認知症の原因シリーズも佳境に入ってまいりました。 今回は、耳と認知症の関係について、です。(3月3日は耳の日でした) 難聴を放置すると、認知機能は7歳衰える耳の聞こ…

汚れた空気、認知症。

空気の汚れは、認知症の原因の一つ認知症のリスクが上がる原因の一つに、「大気汚染」があることをご存知でしょうか? 大気汚染が体に及ぼす悪影響というと、喘息やアトピ…

うつ病と認知症は、とても近い

うつ病は認知症のリスクを ほぼ 2 倍にする認知症が起こるとされる原因の中で、うつ病は特に大きな要因です。 「うつ病の存在は認知症のリスクをほぼ 2 倍にする」というデ…

血圧の認知症の関係

血圧と認知症は関係しているのか? 「結論から言います」というフレーズは個人的には正直あまり好きではないのですが(みんな判を押したようにそればっかりというか…)、…

認知症と体の衰え(フレイル)

認知症と体の衰えの深い関係認知症は、体の衰えととても深い関係にあります。アメリカの研究で、運動不足は認知症の大きなリスクとなることが分かりました1)。運動不足の…

認知症は、なぜ起こるの?

認知症では 脳に何が起こっているの?認知症は脳の病気、それは知っています。では脳の中で何が起こっているのでしょうか? 認知症は、原因となる病気や状態の違いから、ア…

認知症と糖尿病の関係

認知症は糖尿病と関係している?認知症と糖尿病。この2つはどちらも、現代の日本で患者さんが非常に多いです。だとすると、この2つは関係しているのでしょうか? 認知症と…

認知症とタバコ

タバコは健康によくない 認知症にも?タバコが健康に良くないことはもはや常識と言っていいでしょう。記事のタイトルからして、読まなくても「タバコが認知症に悪影響を及…

認知症とアルコール

お酒を飲むと認知症にならない? 実は「少量のアルコールを摂取することは認知機能に良い影響を与える可能性がある」というデータがあります。飲酒と認知症発症について欧…

リカバリーを目指す認知療法で大切な「適応モード」と「アスピレーション」

リカバリーを目指す認知療法で大切な「適応モード」と「アスピレーション」

この記事では、「リカバリーを目指す認知療法で大切な考え方」を解説していきます。

通常の認知療法と異なり、リカバリーを目指す認知療法では、治療よりも症状の背景にある「患者さんの思い」に焦点をあてることは前回の記事で解説しました。そのために大切な概念として「適応モード」というものがあります。

「適応モード」になることが重要日常に〇〇モードという用語を使うことがあるかと思います。仕事モードとか、お休

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ギャンブル依存症の特徴。そして、人はなぜギャンブルに熱中するのか?

ギャンブル依存症の特徴。そして、人はなぜギャンブルに熱中するのか?

一週間から日本国民とアメリカ野球界で目下の話題となっている「ギャンブル」。今回は「ギャンブル依存症(ギャンブル障害)」について考えていきます。

そもそも「依存症」とは?
「依存症(英語では”addiction”といいます)」は、特定の物質や活動に対して強い執着や衝動的な欲求を持ち、それらをコントロールすることが困難となる状態を指します。生活に支障をきたし、健康や社会的関係に悪影響を及ぼす可能性が

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精神科の新しい治療「リカバリーを目指す認知療法」って知ってますか?

精神科の新しい治療「リカバリーを目指す認知療法」って知ってますか?

「認知行動療法」は、精神科の治療だけでなく、最近では一般にも広まりつつありますね。
最近、精神科の領域では、「リカバリーを目指す認知療法」というスタイルも提唱されています。この記事ではこの新しいスタイルについて解説していきます。

そもそも、認知行動療法とは?「認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy;CBT)」とは、心理的な問題や精神障害を治療するためのアプローチの

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聞こえにくい→認知症を考える

聞こえにくい→認知症を考える

認知症の原因シリーズも佳境に入ってまいりました。
今回は、耳と認知症の関係について、です。(3月3日は耳の日でした)

難聴を放置すると、認知機能は7歳衰える耳の聞こえ具合と認知症の関係については、古くは1980年代から、非常に多くの研究がなされています。中には2つは関係がなかったという結果もありましたが、横断的に研究したメタ分析(複数の科学研究をまとめて分析する手法で信ぴょう性が高い)では、「難

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汚れた空気、認知症。

汚れた空気、認知症。

空気の汚れは、認知症の原因の一つ認知症のリスクが上がる原因の一つに、「大気汚染」があることをご存知でしょうか?
大気汚染が体に及ぼす悪影響というと、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気のイメージが強いのではないでしょうか。
運動不足や孤独、アルコールの過剰摂取というのは、認知症の原因として知られていますが、大気汚染は一般的にはあまり知られていません。
しかし、WHOがたしかに認知症のリスク

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うつ病と認知症は、とても近い

うつ病と認知症は、とても近い

うつ病は認知症のリスクを
ほぼ 2 倍にする認知症が起こるとされる原因の中で、うつ病は特に大きな要因です。
「うつ病の存在は認知症のリスクをほぼ 2 倍にする」というデータがあります1)。

私の別の記事でも解説しているとおり、糖尿病や高血圧もうつ病の原因となり得るものですが、高血圧や糖尿病は認知症のリスクを1.5~1.6倍程度にする、とされる報告があります。その報告でうつ病は、1.9倍です2)。

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血圧の認知症の関係

血圧の認知症の関係

血圧と認知症は関係しているのか?
「結論から言います」というフレーズは個人的には正直あまり好きではないのですが(みんな判を押したようにそればっかりというか…)、血圧は認知症と関係しているのか?という問いに対する結論は「現状なんとも言えない」です。この曖昧な解の背景としては、研究や認知症の種類によって結果が異なっている、という事情があります。

アルツハイマー型認知症と血圧の関係は?
まず、アルツハ

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認知症と体の衰え(フレイル)

認知症と体の衰え(フレイル)

認知症と体の衰えの深い関係認知症は、体の衰えととても深い関係にあります。アメリカの研究で、運動不足は認知症の大きなリスクとなることが分かりました1)。運動不足の人は1.82倍も認知症になるリスクがあるのです。

「フレイル」という状態を
ご存知ですか?「フレイル」という言葉をご存知でしょうか?
フレイルの語源は「frailty(虚弱)」です。フレイルは「加齢に伴う予備能力の低下のために、様々なスト

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認知症は、なぜ起こるの?

認知症は、なぜ起こるの?

認知症では
脳に何が起こっているの?認知症は脳の病気、それは知っています。では脳の中で何が起こっているのでしょうか?
認知症は、原因となる病気や状態の違いから、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、血管性認知症の4種類があります。このうち、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の3つでは、「神経変性」が起きていると考えられています。
神経変性(英語では

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認知症と糖尿病の関係

認知症と糖尿病の関係

認知症は糖尿病と関係している?認知症と糖尿病。この2つはどちらも、現代の日本で患者さんが非常に多いです。だとすると、この2つは関係しているのでしょうか?
認知症と糖尿病の関係を裏づけるデータがあります。高齢者(ほとんどが65歳以上)を糖尿病の人と糖尿病ではない人に分けてみたところ、糖尿病でない人と比べて糖尿病では、アルツハイマー病の人が1.54倍、血管性の認知症が2.48倍多いことがわかったという

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認知症とタバコ

認知症とタバコ

タバコは健康によくない
認知症にも?タバコが健康に良くないことはもはや常識と言っていいでしょう。記事のタイトルからして、読まなくても「タバコが認知症に悪影響を及ぼすのでは?」ということが想像できるのではないでしょうか。ご想像どおりです。2023年現在までの研究で、タバコは認知症の原因になり、進行を早めることが分かっています。

65歳以上の人がタバコを吸うことは
認知症のリスクになる認知症ではない

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認知症とアルコール

認知症とアルコール

お酒を飲むと認知症にならない?
実は「少量のアルコールを摂取することは認知機能に良い影響を与える可能性がある」というデータがあります。飲酒と認知症発症について欧米で研究を分析した結果によると、アルコールを少量摂取している人では、認知症のリスクが0.72倍、アルツハイマー病のリスクが0.75倍、血管性認知症のリスクが0.72倍になるという結果が出ました1)。つまり、少なめのアルコール摂取によって認知

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